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「日本再興戦略」を読んで 12 自動翻訳の劇的な普及

これから進化するテクノロジーは、我々の生活や仕事をどう具体的に変えていくのか。
まず分かりやすいのが、自動翻訳による多言語対応やコミュニケーションの進化です。

現時点で自動翻訳は誤訳もありますが、それは話し手に問題があるケースが大半です。どの単語と、どの単語を組み合わせればうまく翻訳してくれるか、という文の論理構成や主語述語の対応関係、曖昧な意味でとらえやすい言葉を押さえていない。
つまり、話し手が機会に翻訳されやすい話し方をマスターできていないのです。

例えば、ライン翻訳だと
「今日、一緒にご飯行きませんか?」の場合、「ご飯」が「rice」と訳されるため誤訳になってしまう。
しかし、
「今日、一緒に夕飯に行きませんか?」
と直せばちゃんと翻訳してくれます。このように繊細な言葉選びさえできればスムーズに自動翻訳できます。

よく機械翻訳をバカにする人がいますが、それは機械翻訳がバカなのではなく、話している方が対応できていないのです。
誤訳が多いというのは間違いで、誤訳はそもそも、もとの文の構成が間違っていたり、曖昧な単語や文脈に依存する言葉を多用していたりすることが原因なのです。

今、フェイスブックで見知らぬ言語でコメントされても機械翻訳すれば何を言っているか分かります。ユーチューブでもそれは同じで、読めない言葉でも右クリックでフランス語でもイタリア語でもだいたい内容が分かる程度に翻訳されます。

こういったコミュニケーションをイメージするうえで「攻殻機動隊」(士郎正宗によるSF作品。科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台の作品)のハリウッド版を思い返すと面白いです。

映画の中で特徴的なのは、北野武さんが演じているシーンです。
周りの登場人物はみな英語でしゃべるのですが、北野さんはセリフ数が多いにもかかわらず最初から最後まで日本語です。しかも、その言葉が劇中では字幕は何もついていないのに周りの人間はすべて理解しているというシチュエーションで進んでいきます。
あの「音声言語は統一されていないが、コミュニケーションが可能な多様さ」は未来的でした。

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