第1回ふくフク相談室を開催しました！
文：大森亮平（おおもりりょうへい）
なにかやってみたい、誰かの力を借りたい、ちょっと困っていることがある、進めているプロジェクトの相談がしたい、などなど。自分ひとりではどうすればいいかわからなくて誰かに相談したいけれど、誰に聞いたらいいかわからない。そんなことってありませんか？
「ふくフク相談室」は「福」祉の世界に新しい価値を「膨」らませ、また「含」ませていくための研究・活動を行う「ふくらむフクシ研究所（以下、ふくフク研）」が開催する、障がい福祉とまちづくりに関する相談の場。福祉とまちの（自称）専門家に相談する「個別相談」の場と、集まった参加者全員で議論をする「みんなの相談室」を通して、さまざまな相談事の解決策を見つけたり見つけられなかったり。でも地域のつながりがより豊かになる出会いは確かに生まれていく。そんな企画です。
今年度は草加市内を転々ととびまわりながら、計4回の実施が予定されていますが、その初回相談が6/24（月）に行われました。
「どんなことをするの？」と疑問に思いながらも申し込みをしてくれた方も多そうですが、参加者は運営メンバーを除いても20名以上となり、店内をぐるりと囲む車座をつくっても溢れてしまうほどに。ふくフク研の企画がはじめてという方も3割ほどいらっしゃり、中には茨城や東京から駆けつけてくれる方もいるなど、参加者の熱量の高さがうかがえました。
今回みんなに相談したいと持ち寄られたテーマは全部で7つ。「もっと場の認知を広めたい！使ってほしい！」という困りごと寄りな相談もあれば、「〜をしたい！」という前のめりなものまで。いろんな背景を持つ方が参加しているから話し合うテーマもさまざまですが、テーマに対する意見も多様な角度から投げかけられます。
そんな多様さの真価がひき出されたのが、旧日光街道沿いにあるパン屋「おーぐぱん」さんからの相談での一幕。
前年度のふくフク研の活動をきっかけに近隣の就労継続支援B型事業所とコラボして、パンの宅配サービスをこの春から始動。活動のきっかけとしては例えば高齢の方など、外出が大変な方に向けたものにしたいとの想いがあったようですが、配送サービスの必要性が高い人はそもそも家を出る機会が少ないから知る機会が少なく、SNSなどを活用するにもやはり届けたい人たちに届いていくとは思えず、行き詰まりを抱えているようでした。
参加者からも告知をしないと難しそう、まずは移動販売から始めたらいいのではないかといった提案が投げかけられますが、高齢福祉に携わる方からの投げかけで、相談は急展開を見せ始めます。
「配送するだけじゃなくて、見守り活動もしちゃえばいいんじゃない？」
社会福祉協議会では地域の高齢の方々の訪問を通した見守り活動などを実施していますが、それでも十分な頻度には達していないのだそう。そのため、例えばヤクルトなど宅配サービスをしている民間企業とも連携することで、見守りの機会を増やしていると言います。
高齢の方々に訪問するサービスを仕事として行う参加者からも「おいしいパンを週1回食べられるだけでも食事が楽しみになると思う」と肯定的な声かけが。外出のしづらい高齢の方々は普段から定期的なお弁当の配送サービスを活用しているようですが、それでも選択肢は限られており、たまには別のものが食べたいといった話を聞くことがあるのだとか。
「もしかして、何かすごいことが生まれようとしている？」と緊張に包まれながら行く末を見守る参加者のみなさん。相談を持ちかけてくれたおーぐぱんの店長さんから「やってみます！」と決断の声があがると、会場からは自然と拍手が湧き起こりました。
おーぐぱんさんは「みんなの相談室」の前に行われていた「個別相談」にも来ていただいていましたが、「個別相談」を対応した相談員からは「みんなの相談室で出た意見の方がだんぜんおもしろかったね！」と驚きと喜びが混じったようなリアクションが。
ひとりでは糸口を見つけづらいようなことも、みんなで考えれば思いもよらぬ解決策にたどりつく可能性がある。そんな集団の力にハッとさせられたふくフク相談室の初回となりました。
今年度は残り3回。相談したいことがある人もそうでない人も、ぜひご参加ください！
▼今後の日程
第2回：2024年8月26日（月）18:00-18:45/19:00-21:00
コーヒーショップ ツネ（草加市金明町368-1）
第3回：2024年10月23日（水）18:00-18:45/19:00-21:00
地域の居場所 さかえーる（草加市栄町1-1-14）
第4回：2024年12月19日（木）18:00-18:45/19:00-21:00
つなぐばもどき（草加市氷川町40-1）
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