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さあわい
2018年7月23日 01:18
東京国立博物館の縄文展、閉館2分前。誰もいなくなった国宝のコーナーで、合掌土偶と視線を合わせて、なんとなくわたしも合掌してみる。刺青だらけで陽に焼けた肌。ぽっかりと無防備な穴。煮炊きをして、乳を与え、たくさんの子どもを抱いただろうたくましい腕。つくられた当時は赤く塗られていたらしい。赤ちゃんの赤、命の赤。この土偶に手を合わせたところで、必ず願いが叶うわけじゃない。だけど、人は祈らずにいられない。こ