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ハム勢で占めた侍ジャパン

こんにちは。
スポーツメンタルコーチの福岡正一です。


侍ジャパン、世界一おめでとうございます!


一番早かった日本ハムファイターズ

チーム結成当初、スタッフを含めた候補選手が日本ハム系の構成となっているような印象を個人的には強く持っていました。ダルビッシュ投手や大谷投手を招聘するためだという周囲の声が正しいのかは分かりませんが、日本ハムはプロ野球の中でチームとしてはスポーツメンタルコーチングに重きを置いた最初のチームで、チームに関わったほとんどがある程度の知識を持っているので選考前から優勝の可能性を勝手に高く感じていたわけです。

大谷選手が中学の時から人生設計シートを作成していたのは有名な話ですが、ハムの選手もそれより早くから取り組んでいて、白井一幸ヘッドコーチの首位打者や連続ノーエラーの日本記録、田中賢介選手の首位打者争いやメジャー挑戦、下柳剛選手の阪神移籍後30歳後半での4年連続2桁勝利や最多勝などなど、日本ハムファイターズでは20年以上前から取り入れられていました。

僕は現在、友人の誘いで選抜高校野球の視察で甲子園を訪れていて西宮市のゲストハウスで過ごしていますが、昨日は予定を変更し、甲子園へ行く前にゲストハウスでWBCの決勝戦をTV観戦することになりました。TV観戦のいいところは選手の表情がアップで抜かれるので観察しやすいんですね。たくさん印象的な場面はありましたが、個人的に一番印象的だったのはダルビッシュ投手の登板機会です。正直、WBCはネットニュースや動画配信でチェックする程度だったのですがたまたまダルビッシュ投手の前回登板を見ていたので、理由はわかりませんが個人的に違和感を感じていて本人の納得いくものではないようなのは一目瞭然でも、経験値でしっかりゲームメイクができていたのは流石の一言でした。しかしながら、もしかしたら今大会の登板はないのかもしれないという予感もしていたんですが、決勝戦はまさかの志願登板でしたね。


みんな一緒

当然、僕はダルビッシュ選手のメンタル調整法を知りません。方法は人それぞれですが、必要なのはマウンドに立っている時間に最善を尽くすこと。もし、僕が見ているようにダルビッシュ投手も本調子ではなかったとしたらそれは他のチームも選手もみんな一緒。体が重い、腕が上がらない、または天候など、相手チームもプレッシャーの中で同じ試合数を戦い抜いてきているのでどこかしら不安要素があり、あの場に及んで条件はみんな一緒です。ですから、覚悟を決めて腕を振るしかないわけですが、ダルビッシュ投手はあのプレッシャーの中で抑えても打たれても変わらず腕を振ることができたのは、結果はどうであっても人生において変容を遂げている証になるでしょう。


自分は自分の意味

少し前までの全日本は野球に限らず「日の丸を背負って」という重苦しい感じではなかったでしょうか。今でも国民からの大きな期待やプレッシャーは変わらないものですが、その中で自分のことに集中している選手が大会ごとに増えてきているように感じています。注目されている以上は結果に対する反響も大きい。ただ、選手個人にフォーカスすれば、競技の第一人者である前に一人の人間なんです。ダルビッシュ投手がWBCの8回に抑えても逆転されても、彼自身が何か変わるわけではないのです。あのレベルになると、結果への恐れ、体調やパフォーマンスへの不安よりも、今ここにいることは特別なことだと思えるように変容を遂げています。そこから感謝の気持ちがナチュラルに湧いてきて、ありがたみを持って腕を振れるわけです。僕が彼の心の中を正確に知っているわけではありませんが、1球1球彼なりのスキルで呼吸や仕草を用いてメンタルを取り扱っているんですね。抑えても打たれても自分は何も変わらないことを彼は知っているのだと思います。後悔とは打たれることよりも中途半端に腕を振ることだとも。


結果を出しやすくするために

かといって、人生を振り返ってみたらWBC優勝と準優勝は随分違いますよね。やはり優勝したいし世界一になりたいという人も多いでしょう。ただ、勝負の世界は難しい。調子が良くても負けるし調子が悪くても勝つこともあります。メンタルコーチをつけてしっかり準備をしていても、格下のお気楽な相手に負けることもありますよね。プロスポーツ選手や強豪校でプレーしている選手は類まれな技術と体力をすでに持ち合わせています。しかしながら高いレベルで継続的に結果を出している人はほんの一握りしかいません。なぜなんでしょう。スポーツはメンタルが80%、ゴルフなどは90%と言われています。そして、メンタルトレーニングでは家族環境、周囲や環境への感謝、徳を積むことなど、一見、競技とは関係ない部分を扱っていますが、ダルビッシュ投手のように、あくまでWBC決勝は人生のごく一部だという思考になることが成功しやすくなる秘訣です。それを元々気付ける選手とそうでない選手で結果の出しやすさが変わってきます。せっかく持ち合わせた技術や体力は当たり前じゃありません。それには今までとは違う視点を取り入れる必要があります。そのために自分自身をさらけ出し力強く進まれることを全力でサポートしていきます。

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