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「士業サミット2020」のハイライトを公開します!

こんにちは、マネーフォワードの福岡です。

先日7/27(月)に、「士業サミット2020」をオンラインで開催いたしました。

テーマは「士業の未来は、日本の未来だ。」
先が見えない状況下でデジタライゼーションの波が急速に迫る今、会計事務所や社労士事務所など、士業が担っていく役割や目指すべき未来を考えるイベントにしたいという想いで企画しました。

当日は、おかげさまで総勢692名の皆様にご視聴いただきました🎉
この記事では、「参加したかったけどできなかった!」という方のために各プログラムのハイライトをご紹介いたします。

オンライン開催の舞台裏

昨年はオフラインで開催した士業サミットですが、今年は完全オンラインでの開催となりました。運営側も密を避けて、出演者はそれぞれ別室からの登壇です。

念入りにリハーサルを重ねましたが、それでも当日はトラブルが起きないかドキドキしながらのスタートです(笑)。

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(辻の登壇シーンも、最少人数で運営サポート)

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(2部に登壇した竹田は、個室で一人体制)

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(別室から見守る運営チーム)

1部:小林史明さん×辻庸介「今後10年の中小企業のロードマップ」のハイライト

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1部はスペシャルゲストの衆議院議員・小林史明さんと、当社代表ののセッション。

「今後10年の中小企業のロードマップ」をテーマに、国のデジタル化や中小企業に対して士業の皆様ができることについて小林さんにお聞きしました。Slidoを活用し、視聴者の皆様からもたくさんのご質問をいただきました。

■小林さんが政治家になった背景
・小林さんは、NTTドコモの会社員から政治家へ転身している
・会社員時代、顧客にテクノロジーソリューションを提供する中で国の規制にぶつかる経験をし、「それなら規制を変える側に行こう」と政治の世界へ
・直近ではテレワークの障壁とされた「印鑑の見直し」など、様々な規制改革を推進

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Q. コロナ禍において、オンライン診療やハンコ見直しなど行政がスピーディーに対応できた理由は?

小林さん:政策実現のためには次の3つの扉がある。この3つが実現したことが大きい。

 1.社会全体の共通課題にする 
 2.実現可能かつ具体的な解決策を用意する
 3.政治リーダーが決断する


コロナでは「対面しない」という目的のために柔軟に手段を考えられた。民間企業と連携し、具体的な解決策を議論できた。

Q. マイナンバー制度の活用で企業経営のDX化は進むと期待している。今後どのように進捗する?

小林さん:順調に進捗している。マイナンバー活用で、現時点で1万ほどの行政手続きが不要になった。まだ国と自治体の間に活用差があるため、この差を解消すべく、今後5年を目途に、国と地方のシステムを標準化することを決めた。

デジタル活用は、「使ってみないと便利さがわからない」というハードルがある。地域による情報格差も大きい。こういった課題の解消こそ地域の専門家、士業の皆さんが推進していける部分だろう。

Q. 民間企業もそれぞれの得意分野で国のために活躍できる。民間にできることは?

小林さん:すでに制度があっても、必要としている人に情報が届いていないケースがある。マネーフォワードがコロナ関連支援情報を検索できるサイトを作っていたが、既存の制度・情報を編集し、必要な人に届けることは他の分野においても有用である。我々政治家は、制度を活用いただくことで「ここが面倒だ」といったフィードバックを受け取り、さらに行政に反映できる。

士業の皆さんに「情報を編集して必要な人に届ける」「課題を行政にフィードバックする」という役割
を担っていただけると、様々な問題解決が速く進んでいくだろう。

Q. 地域による情報格差の解消に対してできることは?

小林さん:情報を編集し届けるというコーディネーターの存在が、地方で不足している。

例えば、情報格差のある状態でいきなり相手にIT活用の話をすると抵抗感を感じさせてしまう。IT補助金であれば、端からITツールの話をするのではなく、まずは補助金制度について説明し、次にITツールについて話してイメージしてもらいやすくするなど、情報を編集して届けられる人が必要だ。

そういった情報格差の解消は、地域の士業の皆さんこそ担える役割である。相手に話を聞いてもらうには信頼を得ているかどうかも重要。士業の皆さんは資格を持っている。地域の経営者にとっても「この人の情報なら」と信頼できる存在である。

2部:竹田正信「Withコロナの会計業界の基本戦略」​のハイライト

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2部は、マネーフォワード取締役執行役員の竹田が登壇しました。

withコロナ時代を迎えた今、IT活用を通じてビジネスモデルや組織を変革し、新しい価値を創出する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の必要性が高まっています。このプログラムでは、「会計事務所に求められるDXとは何か」「それに対しマネーフォワードは何ができるか」についてお話ししました。

■会計事務所に求められるDX
決して真新しいことではないが、確実に進める必要がある3点。

1.顧問面談のオンライン化
・顧問企業との接触頻度の増加、満足度の向上につなげられる
・移動が不要になることで柔軟な面談対応が可能になるほか、面談同席者も調整しやすくなるため担当者の属人化を防ぐことができる

2.情報提供のオンライン化
・マネーフォワードの場合、セミナーのオンライン化で集客が従来の2倍に
・またYouTubeの活用で情報の即時性・拡散性も向上。信頼獲得につながっている

3.ペーパーレス
・テレワークの障壁の一つは「紙」
・資料はオンラインストレージサービス(GoogleドライブやDropboxなど)に保管。証憑はスキャンしてデータ化することでペーパーレス化を進められる

会計事務所のDX実現に向けて、段階的な変革を丁寧に進めていく必要がある。

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■マネフォが提案する「会計事務所のDXコンサルティング」
1.人事コンサル
・上図「組織の見直し」のステップ
・withコロナにおける人材の重要性を認識し、「マネーフォワード キャリア」を開始
・採用活動、制度設計、組織開発、組織活性化のアドバイスをはじめ、組織人事戦略策定、従業員向けサーベイ、MVVC策定など多岐にわたるノウハウをお伝えし、会計事務所における人材獲得を支援

2.業務フローの見直し
・紙証憑ベースになっている業務フローの見直しをサポート
・残高照合機能により通帳のコピーが不要に
・スキャンセンターによりスキャン作業自体を代行
・IT活用の提案ではなく、それに付随する諸業務・諸課題を改善する提言を行っていく

3.サービスの高付加価値化
・中小企業や会計事務所の業務改善を手掛けてきたグループ会社・ナレッジラボが担当
・融資の返済計画に悩む経営者が増加→ナレッジラボの経営管理システム「Manageboard」をはじめ、資金を維持しながら生産性を上げるノウハウの提供を行っていく

3部:西洋平さん×花城正也さん「不透明な時代に顧問先を導くCFOとしての役割とは」のハイライト

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3部は、中小企業の経営者様自らご登壇いただき、マネーフォワードグループのサービスなどを活用した事例をご紹介いただきました。

Webサイト制作・開発を行う株式会社グルーウェブ代表・西さんと、グルーウェブの財務支援を手掛けた税理士法人アーリークロスCBO・花城さんにご登壇いただきました。ファシリテーターはナレッジラボ代表・国見が担当しました。

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■コロナが事業に与える影響について

花城さん:
拠点である福岡県の土地柄もあり、顧問先に飲食店様も多い。融資の支援は積極的に行った。コロナ関連の支援情報も次々出てくるため、「最新情報を追うこと」と「顧問先に必要な情報を伝えること」に注力した。noteやオンラインセミナーでも広く情報発信した。

ある顧問先では予算管理ツール「Manageboard」を使ってキャッシュフローを予測しながら融資計画を立てていた。コロナにより急速に業績が悪化。Manageboardのシミュレーションを変えつつ融資の申請金額も増やしたりなど、ITツールを活用しながらギリギリの経営状況の支援などを経験した。

西さん:
弊社の期首が10月。上半期の業績は順調だったが、ちょうど下半期に差し掛かる頃にコロナの影響を受け始めた。売上は激減。企業にとってホームページ制作費は広告宣伝費に当たり、企業が広告宣伝費に予算を割けなくなってきた様子がうかがえた。7月頃から活気が戻ってきた感覚がある。花城さんに相談してコロナ関連の融資を受けられたため、比較的落ち着いて次の手を考えられた。
■アフターコロナにおける会計事務所の役割

花城さん:
「MAS監査」をもう少しシンプルにした支援をしている。具体的には、顧問先の1年後の現預金を目標に設定し、それに向けたアクションを提案している。PLも重要だが、1年後のキャッシュフローを意識した支援をしている。

顧問先とは月次ミーティングを行い、やったことのふり返りと翌月のアクションを整理し、目標に向けてまた実行するという流れ。

会計ソフトはマネーフォワード クラウド会計を顧問先に導入。財務支援はManageboardを活用し、1年後のキャッシュフローを見える化している。クラウド会計で速く試算表を出し、Manageboardで未来予測に役立てて、顧問先のアクションを検討している。

西さん:
今から2期前に大きな赤字を出した際に、アーリークロス花城さんの財務支援サービスを受けた。自身がエンジニアであり、本業である開発の仕事と並行して経営の勉強をしなければならないのはハードだった。そんな折りに大きな赤字を出したことで、やはり専門家のサポートを受けた方がいいと判断し、財務支援を受け始めた。

最初はいろいろな指摘があり耳が痛かった(笑)。とくに、弊社のサービス料金が業界相場と比べて安価だと指摘されたことは大きかった。不安もあったが徐々に料金値上げをしてみると、顧客が離れることもなく、利益率・キャッシュフローを改善することができた。これは花城さんの指摘がなければ決断できなかった部分だ。

花城さん:
西さんの開発技術の高さを理解していたし、西さんと話す中で、「お客さんに安いと喜んでもらえた」という言葉を聞いたこともあったため、値上げを提案した。

経営者としては値上げは不安。どれくらい受注率が落ちるのかをヒアリングし、どれくらい利益にインパクトが出るか、1年後のキャッシュフローがどうなるかを2パターンほどシュミレーションし、試しにやってみてはどうかと提案した。ここでもManageboardで1年後のキャッシュフローを可視化し、活用できた。
■会計事務所は顧問先のCFOになれるか?

花城さん:
会計事務所は顧問先のCFOにならないといけないと思っている。よくAIに取って代わられる職種と言われるが、それはあくまで「計算屋」の部分。財務活用の提案を通じて顧問先の経営をサポートする存在になっていかなければならない。

私自身は、CFOというより「中小企業の財務部長」というポジションをイメージしている。企業の目的によって求められるサポートレベルはそれぞれ。その目的に向かって、企業を適切に導いていける存在が理想的なのでは。

会計事務所だからこそ見える未来がある。それを企業にも見える化し、提案していく必要がある。

西さん:
業界全体の生産性が上がると思う。弊社のような中小企業だと、経営者も現場で作業をしている。経営者が財務面から解放されることで、その分かかっていた時間を創出できる。また、「餅屋は餅屋」であり、専門家に依頼するのが最もクオリティが上がる。会計事務所がCFOのような存在になると、時間創出の面とクオリティの面から考えても企業の生産性は上がる。

社外の存在と言えども、一緒に経営するという視座を持ってもらえるとありがたい。会社の一員のような存在だと腹を割って話し合い、会計事務所からの提案にも乗りやすくなるだろう。

ご参加いただいた皆様のご感想

当日はご視聴の皆様からSlidoを通じてたくさんのご質問をいただきました。また、イベント後のアンケートでも、「刺激となった」などご満足いただけたお声をいただいています。

・ちょっとなげやりになりかけてた心に栄養をもらった感じです(笑)
・外からの刺激を受けて士業事務所として励みになりました!
・地方在住者にはオンラインでの開催、とてもありがたかったです。

おわりに

最後になりましたが、この度は士業サミットにご興味をお持ちいただき誠にありがとうございました。

マネーフォワードは、士業様同士が情報交換し、問題解決のヒントを得られるプラットフォーム「SAMURAI BASE(仮)」の運営準備も鋭意進めています!

こちらの情報も楽しみにお待ちいただけると幸いです。今後もマネーフォワードをどうぞよろしくお願いいたします。

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