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遊びながら学ぼう~早口言葉編~

幼児のお子さん達のお喋りを聞いていると、しゃべり方や速度、声のトーンなどに一人一人の個性が出ていることに気付きます。もちろん、幼いお子さん自身が「こう話してみよう。」と意図している訳ではないでしょう。だからこそ、その個性を大切にしてほしと常々思います。「うちの子、お喋りが上手でなくて・・・」「発音がはっきりしないので、聞き取り難くて・・・」といったお子さんのお喋り、発音に関するご相談は少なくありません。多くの場合は年齢と共に解決される悩みのように感じますが、中には小学生以降も「どうも発音が気になるな」とご心配されるケースもあるようです。

かくゆう我が家の娘もその一人で、元々、滑舌が良いほうではなかったため、家族以外の人と話をする時に「聞き返される」「聞き間違われる」ことが多々ありました。しかしながら、家族は普段から娘と会話する中で、娘の発音に対しての耐久性が付いていたこともあり、多少気になるものの、大きな問題とはしていませんでした。小学校入学後、1年生の春の個人面談の際、担任から「「サ行」が少しはっきりしませんね」と指摘を受けました。当然、「言葉の教室」などの存在は知っていたので、覚悟を決めて先生にお尋ねした所、ベテランのその先生は「いえ、いえ、このようなお子さんも沢山見てきましたが、多くの場合は高学年になる頃には改善されています。」「それよりも心配なことは、お友達や周囲にからかわれたりして、話すことを嫌がるようになることです。」と笑顔でおっしゃいました。先生は毎日、音読を頑張っている娘をとても褒めて下さり、「からかいなどが起きないよう気をつけて見ていきます」とお話してくれました。この時の先生の忠告もあり、我が家では多少娘の滑舌が気になっても頭ごなしに指摘しないよう気をつけていました。それから、数年が経ち、どうでしょうか?相変わらず舌足らず気味な娘ですが、特にそれが原因でお友達にからかわれたり、苛められたりすることはないようです。我が家のケースでは専門家に相談することや「言葉の教室」に通うという選択は取らず、日常生活(主に学校生活)を送る上で、特に支障がなく、本人がストレスや問題なく過ごせているのなら、それもまた個性のうちと自然に任せる判断をしました。しかし、お子さんの発音、滑舌に関してはその程度は様々です。また、どの程度ストレスに思うかもご家庭ごとに異なると思います。なので、専門家の方のお話が聞きたいと思われる方は躊躇なく相談されることをおすすめします。実際、あるお子さんのケースでは担任が舌足らず、滑舌の悪さを改善するために、昼休みを利用して「発音の練習」を行ったそうです。当然、周囲には他の子どもも居るので、直にそのお子さんはお母様に「練習が嫌だ」と苦痛を訴えてきたそうです。その担任は良かれと思い、本か何かで学んだ知識や方法で発音の改善を試みたのでしょうが、このやり方ではお子さんの「心」が無視され、発音の悪さ以上の問題を引き起こすことに繋がりかねません。実際、そのお子さんは昼休みの発音練習が憂鬱で「学校へ行きたくたい」とまで言い出したそうです。私が止める間もなく、お母様が担任に連絡し、発音練習により、子どもが傷ついていることやストレスを抱え始めていることを伝えました。もちろん、早々にその発音練習は中止となったのですが、その担任曰く、「発音、滑舌が悪いことが原因で苛めに繋がるケースもあるので改善しようと思った。」とのことでした。他の子ども達の前であえて練習させたこともその辺りに理由があったようです。しかし、どうでしょうか。先に挙げた、「強く指摘することで話すことや発表を嫌がることは問題なので見守りましょう」と提案した担任も居れば、「発音の悪さは苛めに繋がるので改善しましょう」と言う担任。どちらも根底には苛めや嫌がらせを引き起こしてはいけないという想いが共通しています。ただ、問題へのアプローチが異なるのだと言えます。教育者にはそれぞれの経験や学んだ理念からの「論」があります。時には「論」「論」がぶつかることもあるでしょう。教育の結果が直に出る訳ではないので、どちらが正しいのか判断が難しいこともあります。ただ、一つ言えることは「お子さん自身のためになっているか」「お子さんの人権、心は守られているか」このことに重点を置き、判断してほしいと思います。当然、これは保護者や塾や習い事の指導者、つまり子どもの教育に関わる全ての大人が意識する必要があることです。

随分と話が遠回りになってしまいましたが、発音や滑舌をよりはっきりとスムーズにする練習として、「早口言葉」を日常の遊びに取り入れてはいかがでしょうか?もちろん、その際はお家の方も一緒にご家族皆で楽しんでほしいと思います。早口言葉の例はネットでも掲載されているのあえてここでは紹介しませんが、早口言葉の中には幼児のお子さんが親しみ易い「動物」「数」「果物」などが出てくるものも沢山あります。

○始めはしっかりと音読して文を確認しましょう

○ゆっくりカメさんペースで読み始めましょう

○文が長いときには途中で切るのもいいでしょう

○カメさんで言えるようになったら次はウサギさんレベルにスピードアップしてみましょう

○さらにお馬さん、チーターなど速度を上げて遊ぶとより楽しめると思います*上手に言えるようになったら音声を録音して聞いてみるものいいでしょう

今日は『早口言葉』をご提案しましたが、このように日常の中でお子さんと一緒に楽しみながら遊べる方法は沢山あります。これらはあくまで「遊び」なので、無理に教え込んだり、叱る必要はありません。遊びを通して学ぶことが出来たらそれが一番です。これが私の「論」の一つと言えます。

当教室では入園前~幼児のお子さんを対象とした就学前学習の指導を行っています。遊びを通じて学べる工夫も沢山しているので、保護者の方のヒントにもなるかと思います。ご興味がある方はどうぞ、一度、お問合せ下さい。

それでは、次回もどうぞ、お楽しみに。


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