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絵本紹介#1【幸福な質問】

絵本マイスター®︎であるからには絵本紹介をしまくりたいところ。#1000とかいったらすごいすね。毎日投稿しても3年弱か。なかなかにスパイシーな日々になりそう。でもせっかくだから目指してみます。

好きなものや心に残ったものを紹介したいから、今回は僕が絵本沼にハマるきっかけになったお気に入りの1冊を。記念すべき初回紹介のショータイムに。

【幸福な質問】

*内容*

私が〇〇になったらどうする?という質問をいくつもする彼女。それに対して彼が優しく包みこむように淡々と答えていく。

■ 愛するのが前提。

「ねぇもしも私が朝起きてクマになってたらどうする?」

「僕を食べないでって言うよ。その後、君に朝ごはん何が食べたいか聞いて用意してあげる」


こういった質問がいくつも飛んでくるけど彼はスイスイと答える。ある種、イジワルな質問なのかもしれない。でも彼からはどんな状況になっても愛するという前提を感じます。その上でどう対応するかを考える。回答は全て柔軟で優しい。愛の土台の上にユーモアが乗っかる。僕の理想とする姿。理想を見事に描いてくれてるからこの絵本が好きなのです。

いい答えが返って来るのが分かりきってるから回答も含めて幸福な質問ってことなんでしょうか。タイトルにも想像が膨らむ。それは燃える恋の炎のようでもあり、穏やかな愛の陽だまりのようでもある。恋の始まりくらいの勢いも感じるけど時を経て来た愛の落ち着きも感じられるのが魅力です。


■「何にも怖くないよ」を噛み締める。

最後の最後に「なんにもこわくないよ」という一文が出てくるんですよ。この一文を噛み締めにいくために絵本を開いてる節があります。2人でいれば何にも怖くない。実に頼もしい言葉。

僕には大好きな妻がいます。「妻と出会えて夫婦になれたので宝くじの1等が当たってるようなもんです」と人に言うほど。僕は妻(最愛の人)と過ごす時間が幸せ。という価値観を持っています。2人でいれば大丈夫だと思える。この感情が理想で最高で究極。だからこの感情から少しでもブレてしまった時には絵本で調律するんです。

絵本は短いからすぐ読み直せますよね。何度でも魂の1行をすぐに再インストールできる。いつでも「何にも怖くないよ」を思い出せる。究極のリマインダー装置、絵本。この絵本を読み終えるたびに妻の元へ駆け寄りたくなります。実体験により、パートナーがいる方は絆をより強めることができるのでは?と思ってます。

■ 深読みもできる?

彼女の質問に優しく答える彼。穏やかに諭すようにも見える。彼は質問に答えながらも、ご飯を食べたり洗い物したり本を読んだり終始マイペース。ん?もしかして少し冷めてるのか?いなしてるだけなのか?読むほどに色んな解釈ができますが僕は、彼が大きな愛で包み込んでるんだと思って読んでます。

ゆるくて淡い色味の絵がいい味を出してるんですよね。どっちとも取れるような表情で想像の余地をくれる。

■ 大人絵本の一角。

僕は大人絵本というジャンルを開拓したいと常々、言っています。言葉を作れば市場が生まれるはず。この『幸福な質問』はまさに大人絵本の代表格になり得る。

恋愛の話なので大人向けだし、サイズが小さいのもポイント高い。ギフトとして渡す方もいるようです。

パートナーがいる方におすすめの1冊。是非手に取ってみてくださいね。

作 おーなり由子
新潮社 1997/2/14


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