肉とアイスに飲み込まれたセンチュリーホテルのビュッフェ

定期的にホテルビュッフェを狙っている。

最近ずっと見つめていたのはセンチュリーホテルのレストラン、ラジョウのビュッフェ。

今はAutumn Meat Collectionといって、サイトには「肉料理を心ゆくまで楽しめるビュッフェ」と書かれている。Autumnと書いてあるが、夏も同じ肉祭りメニューでずっと狙っていた。

ローストビーフやステーキはホテルビュッフェの目玉メニューとして並ぶことが多いが、それに加えスペアリブやら肉寿司やら角煮やらが脇を固める。

9月末までのメニューだったのに食べにいけずにガッカリしていると秋も続行ということを知り歓喜、しかも予約サイトで安い、予約。

さすが、私たちのことを分かってるね！

満を持してホテルビュッフェに行くので前日の夜はメニューの予習をした。

「鶏ムネ肉のロティフラダ」

「さんまとポテトのプレッセ」

「シャルキュトリーの盛り合わせ」

馴染みの無いカタカナたちの意味を片っ端から調べ、次の日に向けて期待を膨らませて眠りについた。

さて当日、いざゆかん肉肉肉肉肉肉肉～！！

ホテルのレストランはやはり感染対策ばっちり。各テーブルに使い捨て手袋とダストボックスが置かれていて、ビュッフェコーナーもなるべく密にならない導線作りがされていた。

1周目

まずはエレガントに前菜からである。

このちっちぇえ器に入れられた、ちっちぇえ食べ物を食べるのがホテルビュッフェの醍醐味。半分くらいが「さんまとポテトのプレッセ」とか「小柱とアサリのコンソメジュレ」みたいな、何かと何かを組み合わせてカタカナがくっついた名前をしている。

このプレートの中で特に「もう一個食べたい！」ってなったのは、上段左上のプティハンバーガー。プチでもミニでもなく、プティなところに「ホテルビュッフェみ」を感じる。

同行した食べ放題仲間も同じ意見で、2人で何故美味く感じるか考えてみた。

「ピクルスの味が強い気がする」

「全体の作りが小さいのにピクルスは通常サイズだからピクルスの割合がでかいんだよ、だから美味しい」

そういう見解に落ち着いた。普通のハンバーガーも肉と同じ面積でピクルスを配置して欲しい。

2周目

いよいよ肉祭り本番である。

左下にあるのは牛肉のステーキ。暖かい台の上にお肉が乗ったお皿とステーキソースの器が置かれていて、お皿ごと取ってくるシステムだった。

素手で運ぶお皿は暖かいというより、もはや熱い。

その試練を乗り越えて食べる熱を保ったお肉は美味しい。

左上はローストビーフで、注文ごとにでっかい塊肉からスライスしてくれる。その辺で売っている、ペラペラの淵パサパサのローストビーフではない分厚さ。いや、あのスーパーのオードブルのローストビーフも好きだけど。

というか、写真で見てもわかるけど、分厚すぎてどちらがステーキかわからない。

ソースはペッパーソースか、京野菜のなんちゃらかんちゃらと2種類用意されていたので2人でそれぞれ取ってきてシェアした。京野菜のなんちゃらかんちゃらは独特すぎて何も分からなかった。

3周目

丁度ここで1時間、残り時間も1時間。

まだ食べたいものや、おかわりしたいものがあったけど、お腹がいっぱいなので一旦落ち着くためにスイーツコーナーに進んだ。

食べ物のメニューはサイトに乗っていたが、スイーツは「スイーツ」としか書かれていなかったし期待を膨らませすぎずにコーナーに到着して、私はパニックになった。

そこにあったのは、アイス……

マンゴー、レモン、ラムネ、メロン、フランボワーズ、フルーツミックス、白桃、カベルネソーヴィニヨン（黒ぶどうだって！）、チョコチップミント、ストロベリー、ラムレーズン、キャラメルラテ、黒蜜きなこ、黒ごま、ブルーベリーチーズケーキ、クリームチーズ、ガトーショコラ、一番摘みほうじ茶、抹茶、バニラ…

1つのケースに10個ずつ、それが2つ並んで20種類。

アアアアアアアアイスクリーム屋さんやん！！！！！！！

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアタマがおかしくなる！！！！！！！！

一旦フリーズして震えた。

っていうか、今サイトを見たら「アイスクリーム約15種類」と書いてあった。

何が約15種類や！20種類あるやん！！約の範疇超えてるやろ！！

しかし、悲しいかな、私はまだ旅の途中。

厳選したアイスは3種類。そしてスイーツもいくつかあったのでピックアップしてきた。

「むうすーとかばばろあーとかぼやーんとしたやつは嫌い」みたいなことを『西洋骨董洋菓子店』の橘オーナーは言ってたけど、私は好きだよ。こういう実体ありませんみたいなやつ。

4周目

ビュッフェや食べ放題では絶対にカレーを食べると決めているのでカレー。

「ラジョウカレー」とメニューには書かれていて、ホテルの名前を冠するだけあって美味しかった。

そしてピラフとハッシュドビーフ、これも美味しい。

煮込み系が強い。

写真を撮り忘れたけどパエリアもあって、魚介の他にチョリソーやひき肉が入っていて、そのMeet Collectionへの徹底っぷりに感服いたしました。

5周目

スイーツコーナーにはもう一つ驚きのメニューがあった。

遠目に見て、ただのデカ目のモンブランかと思ったら、好みのアイスにモンブランクリームをシェフパティシエが飾り付けてくれるというのだ。

さっきからずっとお腹がパンパンなので、シェアしようと2人で1皿のアイスを持っていったらチョコを2つ付けてくれた。

ホテルレストランのホスピタリティ。

ちなみにベースにするアイスは黒蜜きなこにした。

これが大正解、というか、アイスが美味しい。正直言って、モンブランクリームよりもアイスの濃さが勝っているかもしれない。

先程ほうじ茶や黒ごまを食べた時も思ったけど、和系のアイスが濃くてクオリティが高い。

いや、ベリーやラムネのシャーベットも美味しかったし、白桃なんてちょっとねっとりしていて、これまた濃厚だった。

そうなると、抹茶の濃さも確かめたくなる……という感じで最終的にアイスはシェアした分も合わせると12種類食べていた。

最後の一口のアイスを食べ終えて、時間も終了。

ステーキもローストビーフもプティハンバーガーもスペアリブも、お肉料理全部大満足だった。

でも、お肉がいかにお腹をいっぱいにするかも分かった。

お肉を無限に食べることは出来ない。

しかし、アイスなら15種類、いや恥ずかしがらなければ20種類食べられた気がする。

とにかくアイスがすごかった。

ホテルビュッフェにはまだまだ驚きがある。