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友達の友達

先日、友人のウェディングパーティーの司会をして、今までで一番高いお礼のお金を頂いた。

京都から東京まで行ったので、その分も加味してかもしれないが、いやしくもパーティーが終わって二次会に行くまでの間に開けてびっくりした。二次会で会ってすぐに「めちゃくちゃ入ってた!ありがとう!」と本人に報告すると「でしょ?」とにっこりされた。

パーティーではゲスト全員に新郎新婦からメッセージカードが用意されていて、そこには「司会は即決でした」と書かれていてめちゃくちゃ嬉しかった。

その週は丁度、愛踊祭の練習のために毎日スタジオ入ったり、お金のことで人から怒られたり、アイドルオーディションに書かれていた「固定給10万」という金額に対して「一人暮らしで生活するには最低10万はかかるじゃん、その10万を絶対貰えるっていうなら、どれだけ心穏やかに過ごせるよ!?心穏やかに過ごしながら活動に打ち込めるなんてめちゃくちゃええやん!すげぇなー!!」ってスタジオで話してたらネット上では微妙に非難されていてショックを受けたり……
まぁとにかく色々あって「自分にお金がないのはお金を稼げないことをやってるからで、つまりは誰にも求められていないことを勝手にやってるからお金がないのだ」とべっこりへこんでいて、自分の価値って無いなぁ、なんて悲観的になっていた。

そんな時に、ポンとお礼をもらったから、その可視化されたものに大喜びしてしまったのである。


そうやって私に司会を頼み、全く意図しない形で私に元気をくれた友人は、地元の同級生でも大学の同級生でもサークルの先輩後輩でも何でもない。

元は、私の高校の同級生の大学の友人。まぁ、元は友達の友達である。

司会台本を書いている時に、いつもなら最初の自己紹介で「本日の司会を務めます、新郎○○さんの大学時代友人」とか「新婦○○さんのサークルの先輩にあたります」とか言うんだけど今回ばかりは「友人」以外書き方がなかった。



東京に出た時、すでに大学進学から上京していた高校の同級生がずいぶん親切にしてくれた。

そもそも、その同級生の子は高校時代は全然親しくなく、彼は文化祭の時にハードゲイのコスプレで大人気で、その時に私も便乗して一緒に写真を撮ったってくらい。多分3年間で喋ったのはその1度だけだったけど、丁度上京が決まった時に同窓会で会って、「じゃあ東京来たら色々紹介すっわ!」と頼もしく言ってくれたのである。

その言葉の通り、引っ越してすぐに旅行に誘われ、「高校時代1回しか喋ったことのない同級生」と彼の親友である「高校時代ちょびっとしか喋ったことのない同級生(友達の元彼)」と3人で車で岩手まで行った。

何故、岩手だったかというと彼らの友人が岩手に住んでいたからである。私は急に仲良くなった同級生たちと共に、初対面の人を訪ねる旅行に出かけたのだった。


この初対面の人も、その後ずいぶん仲良くなるんだけど、その人だけに留まらず、彼は沢山の人を紹介してくれた。まずは大学の部活の同級生、先輩、後輩、さらにその人の地元の友達、大学の学部の友達、友達の弟、友達の恋人、代々木公園で知り合った人。そんな感じでめちゃくちゃ友達が増えた。

もうここらで誰が誰かわからなくなってしまうんだけど、まぁ先に書いた「沢山お礼をくれた新郎」も元はその同級生の繋がりなのである。

彼の交友関係の核は、大学時代のサッカー部のグループで、みんなフレンドリーで全くのよそ者である私と沢山遊んでくれた。


ウェディングパーティーの二次会は居酒屋だった。
おそらく彼らが学生時代に何度も行ったであろうお馴染みの場所で、私はいつも適当に話を聞いてくれる友達の隣に座り、高校時代はちょびっとしか喋ったことがなかった同級生に悩みを相談し、からかうと「そんなぁ~!みほりんさぁ~ん!」と大げさに言ってくれる後輩気質の子をゲラゲラ笑った。
みんなここ数年で出会ったり仲良くなった人たちだ。

今はみんなひとくくりに「友達」でいいんだろうけど、何だか改めて考えると、こうやって同じテーブルについて、ふざけた一連のノリみたいなのをやってることも不思議で、急に嬉しくなってしまった。

遠い繋がりから司会に抜擢してくれたのも、改めてありがとう、と思った。
退場曲が「All You Need Is Love」で、私は初めて二次会司会をした時以来、退場を見守りながら泣いた。

新郎に「最近へこんでたから、お礼がいつも以上に嬉しかった」って伝えたら、他の子たちが「お前、また金ないの?」「本当に困ったら連絡しろよ、20万までなら貸すわ」「俺も貸す貸す。サラリーマンだもん」と言ってくれた。

そんな風に軽々しく言ってくれる友人たちがいて私は幸せです。

20万も借りたら返せないから借りないけど、「20万貸すって言ってくれる友達がいる」ってのも自分の価値だな、と深く感謝しながらニヤニヤしてたら帰れなくなりそうで、死ぬ気で走って夜行バスに飛び乗った。


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