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ミラツク 給食を考えるヒント④ 伝統野菜とは

伝統野菜って何

伝統野菜には、特に明確な定義はなく、主に日本各地で古くから栽培されてきた地方野菜のことを言います。

農林水産省のホームページでは、伝統野菜を「その土地で古くから作られてきたもので、 採種を繰り返していく中で、その土地の気候風土にあった野菜として確立されてきたもの」と説明しています。
出典:一般社団法人日本伝統野菜推進協会

日本に自生していた野菜は、ウド、オカヒジキ、山椒(サンショウ)、自然薯(ジネンジョ)、じゅん菜(ジュンサイ)、芹(セリ)、蓼(タデ)、つる菜(ツルナ)、浜防風(ハマボウフウ)、菱(ヒシ)、蕗(フキ)、松菜(マツナ)、三つ葉(ミツバ)、茗荷(ミョウガ)、白藍(ハクラン)、ヤマゴボウ、ユリ、山葵(ワサビ)、牛蒡薊(ゴボウアザミ)、枸杞(クコ)など20種類くらいだといいます。こちらで作るレシピを考えると和食が多い印象ですね。

食の欧米化により、トマトやピーマンなど外来野菜が多く出回るようになりました。スーパーの流通では、同じ大きさでまっすぐかたちがそろっているものが並び、少しでも曲がった物は市場に卸せなくなったため、種の改良が進められました。
伝統野菜は、気候風土にあった育て方で、形もまばら。農家も大量生産に対応し、伝統野菜の栽培を辞めるところが多くなってきました。
しかし、最近では、2013年の和食の無形文化遺産登録や、菜食、オーガニック文化なども進み、近年伝統野菜が注目されています。

福島県の伝統野菜

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ふくしまの伝統野菜は、会津小菊南瓜・余薪胡瓜などの「会津伝統野菜」、いわきとっくり芋・おくいもなどの「いわき伝統野菜」、岩代地南瓜・岩代五葉黒豆などの「岩代伝統野菜」、中通りでは阿久津曲がりねぎ(郡山)・信夫冬菜(福島市渡利)の「ふくしま伝統野菜」があります。

福島県北地域の伝統野菜

●岩代五葉黒豆
二本松岩代(旧岩代町小浜)地域で栽培されている黒豆で、一般の黒豆は葉が3枚なのに対し、5枚であることから名付けられた黒豆です。
小浜地域では、アメリカの歴代大統領小浜氏を彷彿とした「小浜納豆」があり、黒豆が使われた珍しい納豆です。

●信夫冬菜
福島市渡利地区から岡部地区にかけて秋冬の桑園間作として栽培されてきたものを、昭和初期に当時の郡農会が「信夫菜」として命名したことから生まれました。
小松菜のような外観で、甘くまろやかな野菜です。

伝統野菜と給食

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会津若松市会津若松学校給食センターより

会津若松市では、「あいづわかまつ地産地消プラン」で地産地消について推進しています。その中で、集団給食における地元農産物利用拡大への取り組みがあり、地元生産者が学校給食に提供できる流通ルートを整備しています。また、給食だけではなく、病院や福祉施設などでも地元の農産物が利用されるように推進しています。
会津若松市では中学校1年生で伝統野菜を家庭科で学習し、伝統野菜を使った給食の献立を考えたり、給食で提供されています。一部の学校では給食で出された伝統野菜や農産物について校内放送で紹介する学校もあるそうです。

伝統野菜を買いに行こう

伝統野菜は地域の道の駅や直売所で販売されています。大型スーパーやネットで検索するよりも、まずは直売所に足を運んでみませんか?
特産地の付近でのファーマーズマーケットや無人販売もいいですね。
そして、購入したら生のまま素材の味を確かめてみてくださいね。

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