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福島の桃のテーマパークをつくりたい[ももあがる・福島市]

福島のももを使った「ももふる」の製造・販売をしている「ももがある」様へインタビューをさせていただきました。ミラツクProjectでは、第1回で山田みきさんがむすんだおむすびの具で人気だったり、第2回のカトウファームでの加工体験でいかにんじんを具材に使ったりしました。

―ももがあるを立ち上げたきっかけを教えてください

東日本大震災をきっかけに実家のある福島へ。一度は田舎が嫌いで出たふるさとですが、せっかく帰るなら福島に骨を埋める覚悟で貢献しようと活動。地域資源を取材するなかで特産である桃畑に行くと、積んである完熟桃に出会いました。桃はデリケートなので出荷規制が厳しく、完熟桃の方が甘いのに売れないから、配るか二束三文で加工するか畑の肥やしになるのが現状。もったいない!産地で加工すれば価値のある商品が作れるのではないかと試行錯誤し、完熟桃を瞬間冷凍した「ももふる」が誕生しました。福島市内に加工場はほとんどなく、廃業の決まっている漬物会社を無くすのはもったいないと加工場ごと買って会社を設立することにしました。

ももふる5種横


―新商品を開発する時に心がけていることはありますか

弊社の商品はすべて無添加手づくりです。
特にフルーツは素材の良さを活かすため、最低限の加工でおいしい商品を作ること。「いかにんじん」など福島の郷土料理や食材などを見直してリブランディングすることを心がけています。
パッケージや売り方など、しっかりブランディングしてPRすることが大事だと思います。

いかにんじん盛


―商品開発で困ったことなどあれば教えてください

天候や病気などで原料である農産物の収穫量が予測できなかったり、毎年状態が変わったりで加工するときには神経を使います。
特にフルーツは、生の良さを活かそうとすると常温商品にすることが難しく冷凍・冷蔵商品が多くなってしまいます。
これまで桃は加熱するか砂糖漬けにする保存方法が一般的でした。そのどちらもしない選択をしたので、道具ひとつとっても桃に適応するものがあまりありません。
手作業で大変な思いをしながら、道具開発も同時にしなければならなかったのは苦労しました。

店内ギャラリー


―新型コロナウイルス関連で困ったことはありますか

これまで全国の物産展などに出店することで商品や福島のことを知ってもらえる部分が多きかったのですが、出店が軒並みキャンセルとなってしまいました。
ただ、これからはオンラインや新たな商品開発が必要だと思える機会もいただいたのでチャレンジしながら見極めていきたいと思います。


―今後の展望があればおしえてください

全国のみならず、世界に福島の桃のおいしさを届けたいと思います。また、福島に足を運んでいただき、生産の現場や現地でしか味わえない体験、桃のフルコースなど最大限に魅力を伝えられる桃のスペシャリストになりたいです。いま桃の果肉だけではなく、桃の皮を肥料にした畑や皮から作る醸造酢、皮を食べた鶏の卵、桃の種から作るお酒など捨てる部分を減らして現代型の循環農業モデルを作る試みをしています。いずれは桃のテーマパークを作ることができたらと思っています。

農家さん文字無し

子どもの時に食べるものが体や思考を形成すると思います。一説ではバランスの取れた栄養が精神バランスを保つと聞いたことがあります。給食で出される素材は、ただ空腹を満たすだけではなく、大地の栄養をしっかり蓄えたものであるべきだと思います。東日本大震災で豊かな土壌を奪われる危機を体験したからこそ、なおさら福島から安心・安全は当たり前で栄養たっぷりのおいしい食を育んでいきたいと思います。そのために30年後、農業の担い手を増やすサポートをしていきます。
同時に、福島の風土から生まれた郷土料理などの食文化を伝えていきたいです。

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