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転職エージェントはどうやってお金を得ているのか?

どうも覆面です。今日は転職エージェントの裏側の一つ、報酬形態についてです。
ユーザーとして転職相談に行くと無料で相談に乗り、転職のサポートをしてくれるのが転職エージェントです。
ただしもちろんボランティアではなくビジネスです。
ではどうやってお金を得ているのか、その契約形態についてはあまりオープンになっておりません。
転職希望者の方も、この報酬形態を理解することで「なるほど、だからここでこう言われたのか」という気づきもあると思いますし、「そりゃビジネスだもの、こういう動きをされたら確かに嫌だよね。。」という「エージェントとの付き合い方」のヒントにもなると思います。
加えてエージェント経験者としても、変に隠さずオープンにすることで「業界の浄化」を測りたいという意図もあり書かせて頂きます。

(1)成功報酬の○%

結論から言うと転職エージェントの報酬は「転職者が入社した企業から成功報酬(フィーと言います)として年収の30%や35%をもらう」という場合が多いです。
(※あくまでDX系のコンサルやエンジニアの場合であり、他業界の場合には「一律20万円」のようなこともあります)
(※新卒の場合には業務未経験になるため、20%や25%など若干下がる場合が多いです)

大手企業や老舗企業などの場合には、
・ほっといても応募が来る
・全社一律で昔からこう決めている
ということもあるため30%の場合も多いですが、ことDX系などは企業としても今すぐ欲しい人材かつ中途=即戦力となるため、35%としている企業も増えていますし、「このポジションならば」という限定でフィーを上げている場合もあります。
30%であっても入社時提示年収が500万円であれば150万円が入社時にエージェントに支払われることになりますし、600万円ならば180万円となるため、決して安い額ではありません。
が、エージェントからすると「そのぐらいの額をもらわないと割に合わない」「やってられない」というのが正直な所です。

・なぜそんなお金を払ってエージェントを使うのか
・フィーはどうやって決まっていくのか
などはまた別の記事で書いて行こうと思いますが、ここで大事なポイントは「入社した場合に」という点です。

(2) 入社しないと0円!ということは?

例えばAというエージェントから気になる企業を50社受けてサポートしてもらったとします。
Bというエージェントからは「i社」という企業1社だけを受けたとします。
結果として「i社」への入社を決めたとしましょう。
Aエージェントからは50社受けているわけですから、Aエージェントとしては途方もない工数がかかっているはずです。
もし50社全社から内定が出たとしても、結果的にBエージェントから受けているi社に入社を決めてしまった、となるとAエージェントは「ただ働き」になるということです。

「エージェントは複数周るべき」と良く言われますし、そこはエージェント経験者の私も(転職経験者でもありますので)同感ですが、エージェントの思いとしては「ぐぐ、自分から受けてくれないと意味が無いから囲い込みたいんだけどな。。」と思うものです。
この「うちから受けてくれるか」「他エージェントに浮気しないか」という疑心暗鬼に常にエージェントは陥っているもので「絶対に覆面さんから受けます!」という相談者の言葉すら信じられなくなっているものです(ちなみに私は「ありがとうございます!」と言いつつ、心の底から信じたことはひよっこ時代の1年目ぐらいしかありません…)

(3) 入社後すぐ辞められると返金?!

さらにですが、返金規程というものが存在します。
これは各社により異なりますが、昨今多いものとしては
1か月以内に辞めた場合には80%の返金
3ヶ月以内に辞めた場合には50%の返金
6カ月以内に辞めた場合には30%の返金
などです。
企業によっては1か月以内の場合100%返金、という場合もあります。

どういうことかというと「短期離職した場合にはそんな人を紹介したお前らエージェントにも責任があるから返金しろ」ということですね。
これは当然と言えば当然ですし、「とりあえず数打ちゃ当たる」ということでどこでも良いから入社させようと押し込む悪徳エージェントもいるためとも言えます。
もちろん、エージェントとしては「そうならないようにしっかり面接で見抜いて欲しい」「見抜けなかったそっちの責任もあるからお互い様じゃ。。」という思いもあるため、双方の契約でこのように決まっています。
6カ月以内の返金規程が無い場合もありますが、これはエージェント視点で裏を返せば「半年以内に辞めなければ返金しなくていい。ならばどうにかこうにか半年辞めないように丸め込んじゃえ」という黒い考えや「一定数は辞めるのも覚悟でとりあえず押し込んじゃえ」という(本当に業界浄化のためにそういうエージェントは無くなって欲しいです)考えになることも分からなくは..いえ私はやはり分かりませんが、そういう考えになる方もいるということを、転職相談者も知っておくべき、ということです。

上でのAエージェントのように
・50社サポートしたのに、数か月サポートしたのに、結局0円だった。。
・せっかく入社まで親身にサポートしたのにあっさり辞められちゃった(返金だ。。)
となるリスクと常に隣り合わせだからこそ、「年収の30%や35%」という一般人視点からすると「そんなにもらうの?!」という高い額で契約をしている、それが相場である、ということです。

(4)あくまでビジネス、相手の気持ちになるのが大切

エージェント視点、転職者視点両面で追っていきましたがいかがだったでしょうか。
結局はビジネスですから、お互いの利益が無ければ成立しないのが人材業界です。
ですから、エージェントとうまく付き合うためにも転職相談者はエージェントの気持ちもちょっとは考えて見ると、最終的に自分にメリットとして返ってくるかもしれません(本当に信頼してくれている人はプロのエージェントならば見抜きますし、信頼してくれていると思う人には手厚いフォローをするものです。エージェントも人間ですから)。
同様にエージェントは「黒い考えに陥らず、自分から転職しなかったらそれはそれで自分の責任」という考えを持ち、サポートするのが大切だと私個人は思います。

今回は転職エージェントの裏事情の一つとして報酬形態について書かせて頂きました。
このような形で不定期に発信して行ければと思いますので、よろしければ「スキ」やフォローを頂けると嬉しいです。

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