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母とスマホ

23年の11月中旬に、60代後半に差し掛かる母から携帯電話をスマートフォンに変えるかもしれないと相談された。
しかし操作や料金が不安だという。
スマートフォンに変えた約十年前に自分もそんな気持ちになったのでその心配はよく分かる。

スマホの概要を聞かれたので母にあれこれ説明したが、その説明は携帯電話キャリアのお姉さんと同じ内容だったらしく母にとってはかえって安心材料となったようだ。

安心した母からの次の質問は、スマホでは電話以外で何ができるの?だった。

意気揚々の私は、綺麗な写真が撮れる、ゲームができる、ネットが使えて調べたいことが簡単に分かると列挙したが、写真は撮っても見返さないから興味ない、それに自分が写るのは嫌い、ゲームなんてしない、出先で調べたいことなんてそうそうないと言われてしまった。
はい、ごもっとも。

今までの母の生活を考えれば私の提案は的外れだった。
ましてやSNSなんて興味もないだろうし、普段から母の同世代がSNSで自分の主張や生活の様子を上げているのを不思議そうにしているくらいだ。

2人で会話を続けていくと母に合う機能は「メモアプリ」と「ネットスーパーアプリ」だと分かった。

少し頑固な母に色々説明をした私の口から出てくるのはスマホを持って十年間の私のスマホ体験記のはずだったのだが、それは写真、ゲーム、簡単検索についてだった。

これだけ素晴らしい技術が集結しているスマートフォンを使っているのにこの十年間で私はで何を得たのか分からなくなってしまった。

敗北感たっぷりだけれど、スマホはその人に合った使い方で良いのだと自分を納得させる事でこの件は一旦忘れようと思う。

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