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今週観た映画〜認知症について想う〜

今週は

テレンス・マリックの「Song to Song
フローリアン・ゼレールの「The Father

を観ましたので、ネタバレの無いように感想を

○ 「Song to Song」

好き嫌いが分かれるというかハマるハマらないが分かれるであろうテレンス・マリック監督の2017年の映画
出演はライアン・ゴズリング、ルーニー・マーラ、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンなど

階級や立場が異なる4人の男女の群像劇。
僕がテレンス・マリック監督を知ったのは2011年の「ツリー・オブ・ライフ」から。
流れるような綺麗な映像とショーン・ペンの最後のエレベーターのシーンでなんとも言えない感動を感じたのを覚えています。
別に映画に精通しているわけでもキリスト教に詳しい訳でもありませんが、とても自分に刺さり、この映画から撮影監督のルベツキを知り、哲学的なテレンス・マリック監督作品にハマりました。

Song to Songも、近年のテレンス・マリック監督作同様独白を多用した流れるような映像が美しい映画です。
ストーリーは割りとシンプル。
まるで小説を読んでいるかのようなセリフ回しと洗練された演技。もうとにかく豪華でした。脇を固めるケイト・ブランシェットもとても美しい。
悲劇に振り切れることなく、鑑賞者の多くが望むであろう結末に落ち着いてくれたのも良かったです。
僕は楽しめましたけどね、映画サイトのレビューとか観るとなかなか切ないこと書かれていて悲しくなります、、、笑
演技だけでなく映像や音楽に心情を語らせているような映画結構好きだったりします。
次作の「名もなき生涯」を観たかったのですが、今のところ配信オンリーみたいですね。評判も良いのに残念。
Blu-rayで出たらすぐ買いたいところです。

○「The Father」

フローリアン・ゼレール監督の2020年のデビュー作。
出演はアンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマンなど

アンソニー・ホプキンスの演技たるや!!!
素晴らしいですね。
アンソニー・ホプキンス演じる認知症の父親が体験する混乱を追体験するかのような映画。
娘役のオリヴィア・コールマンの演技も本当に素晴らしい。
2人の演技が素晴らしすぎて、胸が苦しくなります。
なんだか変わった映画というか展開というか舞台を見ている様な感じがしながら観ていたんですが、もともと監督は劇作家なんですね。
あまりにも展開が目まぐるしく、まるでミステリーかのような映画でした。
とにかく混乱。これが認知症の方の体験する全てではないんでしょうが、あまりにもカオス。
この2人のやりとりがメインになりますが、認知症患者の暴言や患者に対する家族の理解の得られなさ・暴力も盛り込まれています。
とても考えさせらる映画でした。

職業柄認知症の方と関わる機会もあったりします。
可愛いなと微笑ましく想うこともありますが、それはきっと当事者ではないからなんだろうなと。
認知症の方とそのご家族について色々考えてしまいます。
せめて自分は、自分の血縁であろうと血縁ではない家族であろうと認知症の方への理解と忍耐のある人間でありたいと思いました。

おしまい


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