精神科入院①

私は夫と母に連れられて、かつて私が通っていた心療内科クリニックへ向かっていた。
最初は私だけが部屋に呼ばれた。
先生の事はちゃんと覚えていた。話をしているうちに、今起きている事件やら、有名人の話をしても、全く話がちぐはぐだった。
世の中がガラッと私の知らない内に変わってしまってしまったみたいだった。
私は頭を抱えてしまった。
次に母と夫が呼ばれた。何を話してるのかは分からない。
母は私に、「今◯◯病院に紹介状書いて貰ってるから。」と言った。そこは地元でも有名な精神科の病院だった。
「なんでそんな所行かないとあかんの?」
と、私は抵抗するけど、母は「ちゃんと診察して貰おう。あんたもう普通じゃなくなってる。」
普通?普通って何が?普通じゃないって、何が普通じゃないの?私はもう普通じゃないってこと?
私は狂ってるの?
最後まで抵抗したけど、夫の力には勝てず、私は診察室に入った。
後から聞いた話によると、私は暴言吐いたり、泣き叫んだり、精神が不安定になっていた。
多分酷い状態だったと思う。それを見ていた母や夫はどんな気持ちだったのだろう。失望したのかもしれない。もうダメだと思ったのかもしれない。壊れていく私をどうしてやることも出来ないから。
先生と夫と母と協議した結果、私は保護入院の措置が取られた。即入院となり、病名は解離性健忘だった。初めて聞く病名だった。私はその日から、閉鎖病棟に入れられることになった。つづく。

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