私じゃ無くなる。④

母と息子と私の３人での同居生活が始まった。息子は当時保育所に通所していたので、夫が迎えに来て保育所まで送ると言うことになった。
子供の世話なんかしたことがないのに、と思いながら、朝起こして、朝ごはん食べさせて、保育所の制服を着せて、保育所へ行く準備をさせていた。ある程度は自分で出来るみたいだ。
でもいったい子供と何の話をしたらいいのか、見当付かなかった。本当に私はこの子を育ててきたのだろうか？いきなり4歳の子供の面倒を見るって、私には戸惑いしか無かった。
受け入れる事が出来なかった。
私は混乱することが多くなった。
救急車の音を聞くと怖がったり、勝手に外に出て迷子になったり、母は私からも目を離せなくなっていた。
息子にも怒鳴ったりしたし、母にも怒鳴ったりした。
まるで自分の感情のコントロールが効かなくなった。遁走しては連れ戻される日々が続き、母も疲れてきて、息子は情緒不安定になっていた。
母は夫に話して、ある決断をすることにした。
「もう私らの手には負えないわ。」つづく