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子どもの学びに必要なもの【特別支援学校;現場より】

知的障害のある幼い子どもを成長させるために効果的で、
あの子たちも受け入れられるそんな方法は
「身体を使う」 ということです。

身体を使うことがどうして成長するために効果的なのか・・・。

それには3つの理由があります。

①運動の欲求が高い子が多いからです。
じっとして話を聞く、この。じっとする‥が難しい。
それは身体から沸き起こる、動きたいエネルギーが
大きいのもあります。
また、あのこたち・・・
意味のわからないことには
まったく興味を示さないこたちですよね。(笑)

座って学ぶこと。。。がいかにハードルが高く、
しかも多動だからと言って、身体が育っているわけではなく、
座っておくことの筋力が育っていない場合だってあるわけです。

また、あのこたち、外からの刺激に興味が狭かったり、
「見た」、「聞いた」だけでは
意味がわかりにくいのかもしれません。

でも身体を使うことを通して、学ぶこと、
これは動きたいっていうあの子たちとのニーズにもぴったりですね。

②身体は動かしたいけど、動かすのは好きだけど、
身体の使い方や手指の使い方のぎこちなさを抱えている子が多いんです。
最近はDCDといって発達性協調運動障害の名前を
聞くことが多くなりました。
縄跳びがとべない、、、階段の上り下りがきごちない、、紐が結べない・・・など、身体に課題を抱えている子どもは多いわけです。


また、よく聞くのが、多動で動きまくっている子を見て、
この子はよく走っているから
運動神経がいいなんて拡大解釈しないでくださいね。

そのこたちもみていると、モノの扱いが雑にみえたり、(そっと置く、
みたいな丁寧な動きが経験不足だったりします。)
また座る力が弱い子も多いです。(低緊張の傾向)
だから、身体への課題はけっこう抱えていたりするんです。

そのこたちは身体を使った何かをするたびに自信を失ったり、
だめよ、あかんよと言われ、その都度
できない自分と向きあうわけです。

すごく自己肯定感がさがっちゃいますよね。

だからこそ、身体を使うことにアプローチして、
成功経験を積ませていくことが大切ではないでしょうか。

環境を整え、身体を動かすことに
「丁寧にアプローチする・・・」
そんな感じです。

③身体を動かして覚えたことは習慣化していきやすい特徴があります。
何度かやってみると、こどもたちに「そういうことね!」の
スイッチが入り、できるようになるこどもたちです。

同じパターンで成功したその動きを何度か経験できれば、
本人も成功経験として覚えていけるのです。

成功経験は何度もやりたくなるのが、人間の性ですよね!

だから、身体を正しく動かすことを支援することを
こちらが、日常生活の中に「仕掛け」を作っていけば、
自然と成功体験が増えます。
日常生活の中で「あらできたね」ってほめられますね!

学校生活が、座ること中心の学び、席に戻って、立ったらあかんよ
それさわらないで、やったら、だめ、あかんの
繰り返し・・・ではなくなるのではないでしょうか。

あの子たち、・・・・素直で一生懸命なこどもたちです。

成功したことは、あの子たちも自然に、またやろう!!と
なるのではないでしょうか。

この成長を促すために身体を動かすことについて、
脳の仕組みからも説明ができます。

脳が活性化する刺激の種類ランキングがあります。
その活性化する刺激ナンバー1,が

「身体を動かすこと。」

なんです。
筋肉や関節を動かすということなんです。
その次が視覚、その次が聴覚…と続くそうです。

口で教えたり指示したりするのは刺激としては3番目、
身体を動かすことより、低いわけです。

こどもはもっと動いていい!!
どんどん動いていい!!
もっと楽しく身体を使って運動するってことが重要なんです。


だから、学校生活の中でもたくさんの身体を動かす
「しかけ」を作っちゃいましょう!!


靴をはきかえるときは椅子にすわらずに、
壁にもたれてもいいから、立って脱ぎはきすることをやってみる。

リュックからだした、給食袋。
壁に掛けるときはあえて、フックをぐんと高いところにかけて、
背伸びをしてかけるようにする。
朝の用意が終わったら、遊具であそぶ、トランポリンをとぶ、鬼ごっこをする、自転車にのる・・・、ダンスをする、ランニングをする、
自分の好きな体の動かし方を保障する、

苦手な体の動かし方は、仕掛けを作ることで、
習慣化する、

身体を動かすためのツールはこちらが、
視点を変えればいくつでもあります。

朝の活動的な時間帯に、教室で、先生が連絡帳を書いている横で、
メロディ絵本を読んでいる姿をみると・・・・
なんともったいない…と思ってしまいます。

子どもたちの手をみたときに、人形のような、使っていない
綺麗な手をみるとうーーーーん、
もっと使ってほしいな、、って思います。

「身体」にアプローチして、こどもたちが変わっていく様子をみると、
授業でも座ってお話聞くだけが、勉強じゃなくて、
身体を動かしながら、お勉強してもいいんだな、
それがとても大切な視点なんだなって
わかるようになってきますよ。

また具体的なアイデアは随時お届けできるようにしていきますね。



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