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場合の数:正多面体の塗り分け3つの解法【毎日投稿6日目】

問題
立方体の各面を6色で塗り分ける方法は何通りあるか。
ただし6色すべてを使うものとし、回転して一致する塗り方は同じと見なす。

今回は大学入試の問題としてもしばしば出題される「正多面体の塗り分け」の解法を段階を踏んで3つ紹介します。

「円順列」の考え方

6色を赤、青、黄、緑、紫、橙とします。

赤色を塗った面を底面に固定します。

上面の塗り方は残り5色から1色を選ぶ5通りです。

残り4面の塗り方は3!=6通りです。

したがって求める場合の数は5×6=30通りです。

この解法は非常にスタンダードなものです。
一方で、正八面体や正十二面体など「他の正多面体への応用」は簡単ではありません。

「重複を解消」する考え方

6色を赤、青、黄、緑、紫、橙とします。

赤色を塗った面を底面に固定します。

残り5色の塗り方は"回転を考えなければ"5!=120通りです。

立方体の各面は正方形なので、120通りの塗り方のうち4つずつ重複が発生しています。

したがって求める場合の数は $${\displaystyle \frac{120}{4}=30}$$ 通りです。

同じ考え方で
最初の問題と同じ条件設定で「正八面体を8色で塗り分ける」なら
$${\displaystyle \frac{7!}{3}=1680}$$通り
と計算できます。

しかし、まだ問題があります。
「立方体を5色で塗り分ける場合」など、同じ色を2個以上の面で塗る場合はこの考え方は破綻します。
そこで、何色でも対応できるようにしたいと考えると次の"大技"を使うことになります。


(発展)バーンサイドの補題

大学で数学科の学生ほぼすべてが学ぶ「群論」の中にバーンサイドの補題というものがあります。

詳細は上記のwikipediaや別の方のブログ記事などを参照してもらうとして、ものすごく雑に説明すると
「回転操作という代数的構造を分析することで数え上げなくても計算できる」方法になります。
この方法ですと何色であっても対応できます。

まとめ

今回は大学入試でよく出てくるトピックを題材に複数の考え方を紹介しました。

普段はサイトで大学入試レベルや大学入門レベルの数学の記事を書いたり、気が向いたときにYouTubeに動画を投稿しています。
ぜひ、そちらもご覧いただけましたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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