苦難に出会った時の二つの指針。

生きていればつらい時期もあるでしょうし、自分ではどうしようもない事も多々あるでしょう。そんな時に思い出してみてほしい指針がふたつあります。

ひとつめは、この言葉。

「人生は死ぬまでの暇つぶし。」

かつて私も「人生とは何ぞや・・」と頭がハゲるほど考えていた時期がありました。思い込みさえすれば、自分の人生に意味づけすることは可能だと思います。でもそこまで思い込める人というのは、たとえばイチローなんかのように限られたわずかな人であって、大多数の人は、どちらかといえば思い込めずに疑ってしまうんじゃないでしょうか。ハゲるほど考えた結果、私が出せた答えは「生きている意味など分からない、よってできるだけ楽しく生きるべき」だったんですよ。あながち間違っていないと思うんですが、これをさらに発展させたのが上述の言葉じゃないかなと思います。なんてうまく気が抜けた良い言葉でしょう。もう本当につらい時に、ふとこの言葉を思い出してみてほしいです。逆に何か勇気をもらえるような気がしませんか。

ふたつめは、平野啓一郎さんの「分人」という概念です。

平野さんは、ひとりの人間が、個人からさらに分人という単位に分けられるというふうに説いています。たとえばAさんと出会って会話しているときの私が分人A、Bさんと出会って会話している私は分人B、というように、出会った人の数だけ個人の中には分人がいて、それらの分人はそれぞれ異なる人格を持っていると。確かに言われてみれば、好きな人といるときの私と、嫌いな人に対応しているときの私では、人格が異なっているように思います。そして平野さんは、個人の中から好ましくない分人の割合をできるだけ小さく少なくしていければ、結果として幸せになれるのではと言っています。

どうしても好きになれない人と一緒に仕事をしないといけない、というような場合に、この分人という概念を思い出してみてください。そんな分人は自分の中でちっちゃくちっちゃくしてやってしまえばいいのです。(多少の訓練は必要だと思います)

くわしくは、もしくは興味がわいたら、平野啓一郎著「私とは何か――「個人」から「分人」へ」を一読されることをおすすめします。


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