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情報収集効率の悪いYouTubeで発信し続ける理由

今日Twitterでこんなツイートを見かけました。

ぼくは一応ブロガー(活字を届ける)としてもYouTubeクリエイター(動画を届ける)としても活動しているので、色々思うところがあり今日はちょっとそのことについて書いてみようと思います。

一部しのはらさんの意見とは反対の考えを持っているのですが、だからと言って「ツイートの内容に反論したい!」といった気持ちは全くありません。むしろ考えるきっかけをくださったことに感謝しています。

ここからは否定的な感想ではなく、発信側の平岡個人はこういう視点で考えているよということをお伝えできればと思います。

書いていると結構長くなってしまったので、先に結論を箇条書きにします。

・活字はYouTubeに比べて多くの人に届けるのが難しい(今は)
・効率よく情報収集できるコンテンツは、多くの人に広がりにくい構造になっている(今は)
・良い情報が正しく評価されるようにしていきたいですね

YouTubeは情報収集として効率が悪い

しのはらさんのツイートは要約するとこういう考えなのかなと思います。(“動画が悪い”ではなく、“活字に戻っていく”と肯定的に表現されているのは、動画が好きな人に対するしのはらさんなりの優しい配慮だと感じました)

これに対してまず事実として、YouTubeでは最近動画に目次を追加できる機能が実装されました。

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「使って良かった!リモートワークを快適にするグッズ6選!」

これによって活字でいう見出し的な役割を動画でもある程度は実現できるようになりました。表示させるには動画投稿者による設定が必要ですが、有名なYouTubeクリエイターも割と積極的に使っている印象です。

また動画の倍速再生を利用すれば、活字でいう流し読みのような体験がある程度は実現できるのではないかと思っています。

こうした機能を使えば「欲しい情報に辿り着くために15分もこれを見てなきゃいけない」という状態はかなり少なくなると思います。

...とここまでは一応動画の肩を持ってみましたが、それでも活字に比べて動画の情報収集効率が悪いというのはぼくも同意です。なんだかんだ欲しい情報を手に入れるという点では、活字の情報の方が価値が高いとぼくも思います。

情報の価値が問題になるのは“届いてから”

ただここからは活字も動画もどちらも発信していた立場からすると、情報の価値(ここでは情報収集の効率)が問題になるのはあくまで情報が届いてからの話。

どんなに素晴らしい情報だとしても、それが誰にも届かなかったら価値を認めてもらうことはできません。

そしてぼく個人の感覚としては、動画(ここではYouTube)はこの情報を届けるという点が活字よりも圧倒的に強いのです。あくまでブログを6年、YouTubeを1年半やってきたぼく個人の感覚ですが。

インターネット上の活字コンテンツは、YouTubeコンテンツよりも歴史が長いぶん、情報量も膨大です。なのでちょっと探して動画で見つかる内容は、ほとんどの場合活字の情報もWebのどこかにある可能性が高い。

そう考えると冒頭のツイートのような「欲しい情報に辿り着くために15分もこれを見てなきゃいけない」という状況が生まれているのは、YouTubeがいかに人に情報を届ける力が強いかということを如実に表してる気がします。

いかに活字情報の価値が高いといえども、届かなかったら価値はゼロになってしまいます。一方でYouTubeの情報純度が低くても最終的に欲しい情報を届けられればいくばくかの価値はあるはず。

情報を発信する側はこうした「届いた後の価値の高さ」と「届く可能性」を掛け合わせながら、どんなフォーマットでどういう情報を届けていくかを考えています。

なら、動画でももっと純度の高い情報を出す?

発信者が「届いた後の価値の高さ」と「届く可能性」の掛け合わせを考えているなら

「届く可能性が高いYouTube」で「欲しい情報にすぐたどり着ける情報」

を作ればいいじゃんと思う人もいるはず。

例えば「iMacのメモリを増設する際に裏蓋を開ける方法」という情報を知りたいとします。

情報価値の低い動画なら「最新iMacを購入!開封からメモリ増設までやってみた!」みたいなタイトルで10分の動画になるかもしれません。

情報価値の高い動画なら「iMacのメモリ増設時の裏蓋の開け方」と題して、冒頭で『ここを、こうして開けられます』という説明だけで10秒足らずの動画になるとします。

後者の方が確かに情報価値が高いですが、今のYouTubeのアルゴリズムなどを考えると、前者の方が多くの人に届く可能性が高いのです。

なのでこのことを理解したクリエイターは前者のような動画を作って多くの人に情報を届け(そして冒頭のように情報収集効率が悪いと詰られ...笑)、これを知らない(またはそれでも質の高い情報を作るという志を持った)人は再生数が1〜2桁となり誰にも見られないまま終わってしまいます。

結局再生数が欲しいだけかよ

と思われそうですが、届かなければその人の困りごとに役に立つ可能性はゼロです。情報を発信する以上、少しでも多くの人に届けたいと思うのは発信者として自然なことです。

そしてそれは何もYouTubeに限ったことではありません。今やほぼ全てのインターネット上の活字情報にアクセスするのにもGoogleのサービスを経由する必要があるので、活字情報にも上記と同じようなコンテンツ制作の力学(具体的にはSEOやGoogle Discoverへの掲載など)が働いています。

良い情報がもっと広がる世の中になればいいな

発信側の言い訳のような文章になってしまいましたが、情報はタダではないのでやはり発信する身としては見返りを求めてしまうもの。もちろんそれは収益的なものもあれば、「役に立ちました、ありがとうございます」という言葉もすごく糧になります。

ただ活字であろうと動画であろうと、プラットフォームがルールを決めて情報をデリバリーしている以上、多くの人に届けたいならある程度それに則って行動するのは当然かなと思います。

そしてそれは情報を受け取る側も同じ。「再生数 / PV稼ぎの気持ちがある人の情報なんて見たくない!」という気持ちは分からなくてもないですが、だからといってGoogleの情報検索サービスをやめて自力でインターネットの情報を探すというのはほぼ不可能なはず。

もっとも見返りが欲しいと言っても魂を売り渡しているわけではなく、それぞれがルールの中でポリシーを持って良い情報を発信するべく努力しています。(例えばぼくは動画の結論を冒頭でまず述べるように心がけています。)

受け取った人の役に立つ情報がもっと広がっていく世の中になるべく、発信する側も受け取る側もFBし合いながら少しずつ改善していければいいなと思います。

ツイート内容に反対するような部分もあったかもしれないですが、冒頭に引用したしのはらさんのツイートは受け手からの貴重なFBとして心に刻んでおきます。色々と考える機会をいただきありがとうございました!

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