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先人の知恵─この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

文明が滅びたあと、あなたはどのように生き残るのか?穀物の栽培や紡績、製鉄、発電、印刷、電気通信など、人類が蓄積してきた厖大な知識をどのように再構築し、文明を再建するのか?日々の生活を取り巻くさまざまな科学技術と、その発達の歴史について知り、「科学とは何か?」を考える、世界一五カ国で刊行の大ベストセラー!

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漫画『Dr.STONE』のレファレンスのひとつ。

一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後――。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!

現在の文明世界が終局を迎えたあと、人類がいかに科学文明を構築していけるか。その中でも基礎的な部分が本書には書かれている。序盤でドゥニ・ディドロが編んだ『百科全書』に触れられ、人類が築いてきた歴史の情報を残すことの価値が語られる。
本書の「文明世界が滅びた後の文明人」という思考実験は、人類はこれまで築いてきた歴史をまったく同じようにたどる必要はなく、それこそ「先人の知恵」を存分に利用できるのだ、と気づかせてくれる。
本書の目次は下記。

序章
僕らの知る世界の終焉
猶予期間
農業
食糧と衣服
物質
材料
医薬品
人びとに動力を―パワー・トゥ・ザ・ピープル
輸送機関
コミュニケーション
応用化学
時間と場所
最大の発明
おわりに

たとえば、この中に出てくる輸送機関について、産業革命の起きる前の人類が読んだら何も分からないだろう。かつて、自動車が「馬なし馬車」と呼ばれたように、人類は未だかつて見たことないものには想像が及ばない。
かつての人類と現代人の大きな違いを述べるならば、私たちがそれを「知っている」ことだ。当たり前すぎて(しかし、「当たり前である」こと自体が人類が積み上げてきた功績なのだ)、普段は意識しないこれらのものたちの重要性が改めて分かる。

人間は多くの事象の発見を定量的に把握し、再現性を生み出し、手法として確立するために邁進してきた。本書では有益な情報を得られるだけでなく、そうした人類の不断の努力の歴史が垣間見られる。


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