マガジンのカバー画像

XR空間を考える

63
来たるべきパラレルリアルの世界へ向けて,XR空間について考える. 主として建築を参照しつつ新しく生まれつつある空間への思考を深化させるための断片記noteです.気になった方はまず…
運営しているクリエイター

#VR

VR演出についてかんがえてみた|後編:未来の話

「インタラクション」と「学習」についてphi16 全体的に話は盛り上がって、現在について言語化できたと思います。 ここからは「こういうの見たいよね」とか「こういう技術があるんだから、VR演出でこういうこともできるよね」「こういうのあり得ないけどめちゃくちゃ面白いし見たいね」など未来の話をしたいです。 坊主さんどうですか。 三日坊主 (笑) もうちょっと“影”を使いたいなと思っていて。“影”を使えば、もっと遊べると思っていて。 phi16・fotfla 分かる。 phi

VR演出についてかんがえてみた|中編:音と演出の話

B4の2D・3Dの音の使い分けについてらくとあいす せっかくなので音の話をしようかなと思います。 B4の中でも音の使い方が結構違ったなと思っていて。 大きく分けると2Dと3Dがあって。さらに細かく分けていくと2Dと3Dを両方使いながらというのと、使い分けを替えて混ぜていたり、2Dに振っていたり、音の種類と音の立体感の使い分けがそれぞれ特色合って面白かったなと思いました。 特にBeyond a bitの2Dと3Dの音の使い分けがすごく好きで。 楽曲って単純に配置した場合は3

VR演出についてかんがえてみた|前編:没入と主体と破壊の話

phi16 みなさん今回は集まっていただきありがとうございます。この回の目的は、まずサンリオバーチャルフェスのB4が色々面白かったというのはあるんですけど、それについて振り返るだけの会というよりは「これからのVR演出」について考える機会にできたら良いなと思っています。 今回は前半と後半に分けてお話しできればと思います。 前半ではこれまでの振り返りをしたいのですが、自分のつくった作品を解説するのではなく他の人の作品の「こういうポイントが面白かった・よくなかった」みたいな話がで

「伏線」から空間について思いを馳せてみる! #VRChatワールド探索部

VRChatワールド探索部の時間です! VRChatワールド探索部は週一回VRChatのワールドを巡るゆる~い部活です。 活動報告をタカオミさんが書いてくれているのですが、たまには僕も書いてみようと思い、キーボードをたたいています。 みなさん、「伏線」って好きですか? 僕は大好きです。 今回は「空間に埋め込まれた伏線」という視点からVRChatワールドを考えてみたいと思います(思いつくままに書いているので、厳しいツッコミは...!)。 いきなり「伏線」ってなんだなんだ、

年の瀬の幻視体験─VRライブ「三日坊主を止めるな2!」レポート

2020年12月28日、バーチャルSNS・VRChatでとあるVRライブが突如として開催された。 主催は数々のワールドを創作してきた三日坊主氏。VR空間デザインアワード「VRAA02」のポータルワールドのメインクリエイターを務めたことが記憶に新しい。 VRライブ「三日坊主を止めるな2!」12月1日からはじまった「Boze Advent Calendar 2020」で界隈の話題を沸かせていた三日坊主氏からAdvent Calender最終日に、突然発表されたのがVRライブ「三

「自分の空間」をつくる(VRChat篇)

この記事は、AEC and Related Tech Advent Calendar 2020 の11日目の記事です。AECのV寄りの記事です。 ※本投稿は1初心者VRChatユーザーの私見です はじめに─「野良の空間」の時代2020年現在、VRSNSの「VRChat」にはさまざまな種類の無数のVR空間が日々たくさん現れている。 VRChatに日々アップされるVR空間の数がどれくらいになるかを正確に把握する方法を持ち合わせてないが、VRChat上に存在する「ワールド」(V

バーチャル空間で建築見学!─メタボリズム・クオンタイズド ~旧都城市民会館3D Digital Archive~ワークショップレポート

菊竹建築設計事務所が設計し、1966年に竣工した旧都城市民会館。 老朽化などを理由に、惜しむらくは昨年解体されてしまった本建物ですが、有志によって実測が行われデジタルアーカイブとして残されています(経緯は下記のnoteに詳しく書きました)。 本プロジェクトは第23回文化庁メディア芸術祭(以下、メ芸)のエンターテインメント部門審査で委員会推薦作品に選ばれるなど一定の評価も得た、これからのデジタルアーカイブ活用において先見的なプロジェクトと言えるでしょう。 この度、デジタルア

未来のファッションモール「アバターショーケース」を建築視点で見てみる

みなさん、FUKUKOZYです。 この度、バーチャライターとしてバーチャルマーケット4のワールド紹介の記事を書くことになりました。 来場者が会場に展示された3Dアバターや3Dモデルなどを自由に試着、鑑賞、購入できる、バーチャル空間最大のマーケットフェスティバルです。 バーチャルマーケットは、その開催を通じて「バーチャル空間を発展させ、豊かにする」ことを目指します。 バーチャルマーケット4のテーマは「パラリアルワールド」。物理世界とバーチャル世界を自由に行き来できるようにな

【メモ】「AR/VR/MR最新動向がわかる CES2020報告会」

今週,開催されたCES2020の報告会についてメモまとめましたので,よければどうぞ〜. ※個人的なメモなので,誤解・間違いがあった場合はご指摘ください. 聞いてきたのはこんなイベント登壇者 西田宗千佳氏(以下,西) 近藤"GOROman"義仁氏(以下,GOROman) 諸星一行氏(以下,ikkou) モデレーター:久保田瞬氏(以下,久) 敬称略で失礼します...! ハッシュタグは #txm_event CESって? 世界最大規模のコンシューマーテクノロジーイベント 参加

VRAA01に携わりました

こんばんは。 FUKUKOZYです。 本記事はxRArchiアドベントカレンダーの4日目の記事として投稿します。 前回は龍 lileaさんによる「Reality Capture エラーと対策」でした。 xRArchiについては、もう説明は必要ないですよね。 「え?知らないよ!」 って方はこちらの記事で少し触れていますので、ぜひご覧ください。 さて、上記記事の続編として2019年は「VRAA01」というイベントを行い、運営に関わりました。その私的なまとめを今年の振り

複数の世界を横断する─点群、自動運転、フォトグラメトリ、ゲーム

機械が認識するための世界、限りなく現実に似ているけど「楽しさ」を追求されるようになった世界、現実の雰囲気だけを取り出したような世界...etc 現在、私たちの肉体があるこの「現実世界」を起点として、さまざまなバージョンの世界が生み出されるようになっています。 世界が複数あることをきちんと認識し、それらをうまく享受しながら複数の世界を横断的に楽しむ、そんな時代がくるのではないかと思わされます。 最近、VRChatで体験してきたふたつの「ワールド」から、そんなことをゆるゆると

建築は、浮かぶ、歩く、変容する─アーキグラム「建築を情報に還元する」

本記事はVR空間デザインコンテスト「VRAA01」のために執筆された記事を転載したものです. 「VR Architecture Award(VRAA)」では、 “Architecture” は狭い意味での建築ではなく、空間の「アーキテクチャ=構造・仕組み・設計思想」を表します。 ここ「知る」のページでは建築の世界の過去の試行から「Architecture」について考えてみたいと思います。 *** 建築界のビートルズ 建築とは、おそらく、われわれをとりまく日常の世界にたい

“Alles ist Architektur” すべては建築である

本記事はVR空間デザインコンテスト「VRAA01」のために執筆された記事を転載したものです. 「VR Architecture Award(VRAA)」では、 “Architecture” は狭い意味での建築ではなく、空間の「アーキテクチャ=構造・仕組み・設計思想」を表します。 ここ「知る」のページでは建築の世界の過去の試行から「Architecture」について考えてみたいと思います。 ●あるひとつの「世界」を想像、創造する試み “Alles ist Architek

「想像力」を鍛える─建築ジャーナル2019年5月号「建築+情報技術=?」

情報通信技術の進歩は目覚ましく、私たちの生活は今やそれらに頼り切っている。建築設計の現場でも手描きからCADそしてBIMへとツールは進化、拡大し、今後ますます情報技術を扱う場面が増えていくだろう。しかし、新しいものへの拒否反応か、情報技術のために失われる「何か」への恐れのためか、いまだ建築界の情報技術への抵抗感は強い。 一度手にしてしまった技術は捨てられないし、情報化の流れは止まらない。手にしたこの技術を、どう使えば社会の幸福につながるのか、リアルな人間のありようを常に考えて