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XR空間を考える

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来たるべきパラレルリアルの世界へ向けて,XR空間について考える. 主として建築を参照しつつ新しく生まれつつある空間への思考を深化させるための断片記noteです.気になった方はまず…
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#コンテンツ会議

【メモ】「AR/VR/MR最新動向がわかる CES2020報告会」

今週,開催されたCES2020の報告会についてメモまとめましたので,よければどうぞ〜. ※個人的なメモなので,誤解・間違いがあった場合はご指摘ください. 聞いてきたのはこんなイベント登壇者 西田宗千佳氏(以下,西) 近藤"GOROman"義仁氏(以下,GOROman) 諸星一行氏(以下,ikkou) モデレーター:久保田瞬氏(以下,久) 敬称略で失礼します...! ハッシュタグは #txm_event CESって? 世界最大規模のコンシューマーテクノロジーイベント 参加

「都市とモビリティ 〜自動運転車時代の都市を考える〜」メモ(トヨタ「Woven City」をきっかけにver)

トヨタが静岡県裾野市にコネクティッドシティである「Woven City」の計画していることを発表しました.これをきっかけに自動運転と都市の関係を考える機運が出てくるといいですね.ということで2018年5月29日に書いた自動運転と都市についてのレクチャーメモを少し加筆して再掲載します. 先週金曜日5/25に自動運転とまちづくりについてのレクチャーを拝聴してきたので,簡単に備忘録.自動運転の議論が建築・都市でも盛り上がるといいな. (2019.08.26追記) ご著書が出てま

複数の世界を横断する─点群、自動運転、フォトグラメトリ、ゲーム

機械が認識するための世界、限りなく現実に似ているけど「楽しさ」を追求されるようになった世界、現実の雰囲気だけを取り出したような世界...etc 現在、私たちの肉体があるこの「現実世界」を起点として、さまざまなバージョンの世界が生み出されるようになっています。 世界が複数あることをきちんと認識し、それらをうまく享受しながら複数の世界を横断的に楽しむ、そんな時代がくるのではないかと思わされます。 最近、VRChatで体験してきたふたつの「ワールド」から、そんなことをゆるゆると

建築は、浮かぶ、歩く、変容する─アーキグラム「建築を情報に還元する」

本記事はVR空間デザインコンテスト「VRAA01」のために執筆された記事を転載したものです. 「VR Architecture Award(VRAA)」では、 “Architecture” は狭い意味での建築ではなく、空間の「アーキテクチャ=構造・仕組み・設計思想」を表します。 ここ「知る」のページでは建築の世界の過去の試行から「Architecture」について考えてみたいと思います。 *** 建築界のビートルズ 建築とは、おそらく、われわれをとりまく日常の世界にたい

「想像力」を鍛える─建築ジャーナル2019年5月号「建築+情報技術=?」

情報通信技術の進歩は目覚ましく、私たちの生活は今やそれらに頼り切っている。建築設計の現場でも手描きからCADそしてBIMへとツールは進化、拡大し、今後ますます情報技術を扱う場面が増えていくだろう。しかし、新しいものへの拒否反応か、情報技術のために失われる「何か」への恐れのためか、いまだ建築界の情報技術への抵抗感は強い。 一度手にしてしまった技術は捨てられないし、情報化の流れは止まらない。手にしたこの技術を、どう使えば社会の幸福につながるのか、リアルな人間のありようを常に考えて

リアルとバーチャルの境界はなくなっていく─「第0回VR建築コンテスト」レポート最終回〜VR建築の未来をみる編〜

こんにちは。 FUKUKOZYです。 先日2018年12月16日に結果発表が行われ、大盛り上がりのうちに幕を閉じた「第0回VR建築コンテスト」の連続レポートを三編に渡ってお送りしております。 第一編「〜はじまるまで編〜」では、コンテストの企画から概要公開まで 第二編「〜はじまってから編〜」では、登録・提出受付始まってからワールド公開までを 追ってレポートしました。 ワールド公開後は「バーチャルお宅訪問」や「結果発表配信」など、提出している人もいない人も、皆が楽しめるよ

現れ始める「VR建築」─「第0回VR建築コンテスト」レポート〜はじまってから編〜

こんにちは。 FUKUKOZYです。 先日2018年12月16日に結果発表が行われ、大盛り上がりのうちに幕を閉じた「第0回VR建築コンテスト」。 前回の記事では、コンテストが公開されるまでのさまざまな検討を紹介しました。 今回は、登録・提出受付が始まってからを描く「はじまってから編」。 公開後も、質問対応や中間お宅訪問などさまざまな人に軽率に参加してもらえるように動いた運営チームの色々な努力をレポートしていければと思います。 2018年10月28日に満を持して公開された

軽率にやってみたらVRと建築が生み出す新しい未来が見えてくる─「第0回VR建築コンテスト」レポート〜はじまるまで編〜

こんにちは。 FUKUKOZYです。 先日2018年12月16日に結果発表が行われ、大盛り上がりのうちに幕を閉じた「第0回VR建築コンテスト」。 僕もこのコンテストの運営を末席で微力ながらお手伝いしていました(そして、しれっと作品も出しました)。 VRと建築が生み出す新しい未来に軽率に触れてみようとの思いで開催された本コンテスト。 運営メンバーや出展者の方々などさまざまな人が協力し合って、無事コンテストを終えることができました。 運営参加メンバー いつもは雑な備忘録

「データ」と建築・都市の関係─「Archi Future 2018」

時間が空きましたが,「Archi Future 2018」を聞いてきましたので,ログをば. ※案の定,個人的な解釈が含まれているであろうことはご承知を. 「Archi Future」って?建築分野におけるコンピュテーション活用を中心とした注目の最新動向と最新のソリューションを紹介するイベント. 2018年で第11回となる今年のテーマは「Society vs Digital ─技術は社会を超えたか?─」. 基調講演では,Alibaba Cloud Senior Direc

20181130「ARCH-ABLE」キックオフイベントログ

先週金曜日に「ARCH-ABLE」のキックオフイベントに参加してきたので,ログをば. ※案の定,個人的な解釈が含まれているであろうことはご承知を. 開催概要 日時:2018年11月30日(金) 19:00~21:00 場所:リトルトーキョー 3F モデレーター: 水野祐/弁護士・法律家 登壇者: 吉村靖孝/早稲田大学 吉村靖孝研究室 大野友資/ドミノアーキテクツ 能作淳平/ノウサクジュンペイアーキテクツ 塚越智之+ 宮下淳平/塚越宮下設計 ARCH-ABLEって?A

「ハブ型」と「サンドボックス型」─『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』を読む4

他分野からの建築への視点を見てみよう,ということで読み始めたクリストファー・トッテンによる『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』. 前回に引き続いて3章「基本的な空間配置とゲーム空間の種類」についてメモ. ハブ型の空間前回は空間の配置や空間構造について見ていきましたが,ゲームの中には いくつかの空間タイプが存在している.その中でも特徴的なのが,「ハブ型」と「サンドボックス型」の空間. まずは「ハブ型」の空間について. ハブ型の空間とは扉

空間の配置,構造─『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』を読む3

他分野からの建築への視点を見てみよう,ということで読み始めたクリストファー・トッテンによる『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』. 今回は3章「基本的な空間配置とゲーム空間の種類」について触れていきます. 両者に共通する特徴の中でも特に重要になる「空間」について.その基本的な部分を簡単にさらっていきます. 現実とゲームの「空間」の違い両者には共通して私たち(プレイヤー)が息づく「空間」という基盤が存在していますが,その違いをきちんと理解す

『Marvel's Spider-Man』で巡るNY建築探訪

皆さんは『Marvel's Spider-Man』元気にやっておりますでしょうか? 私は購入後,食い入るようにプレイしています. え?プレイしてない? それは大変だ!今すぐゲーム屋に走ってPS4と一緒に購入した方が良いです! こんな楽しすぎるゲームをプレイしてないなんてもったいない! え,何がそんなに楽しいかって?それなら,今回は私なりの『Marvel's Spider-Man』の楽しみ方をお教えましょう. スパイダーマンとしてニューヨークを飛び回るこのゲームの最大の特

建築の歴史とゲームの歴史─『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』を読む2

他分野からの建築への視点を見てみよう,ということで読み始めたクリストファー・トッテンによる『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン』. 前回,なぜゲームのレベルデザインに建築の知識が応用できるのか簡単に触れました.ようやく今回から本題に入っていきます. 1章は「建造物からレベルデザインを学ぶ準備」. 建築とゲーム,双方の歴史を簡単にさらってその関係性を探っていきます. 建築と人間の関係ゲームのレベルデザインを考えるには建築の知識が参考になる