監査 薬を払い出す最後の砦🏰
監査といわれるとなんだそれって感じですが、簡単に言えば調剤した薬が間違っていないか確認するという作業です。
それだけと思われがちですが、大切な作業です。もしここで間違えた薬を払い出したら、患者さんは間違えた薬を飲んでしまうことになります。
PTPシートで調剤されたものは数を数えればいいのですが、それだけでなく規格なども要注意です。以前ロスバスタチンの規格が間違っているのを気づかずに患者がしばらく飲んでいたこともありました。
その時は大変焦りました💦
もちろん調剤した人も間違えた責任はありますが、やはり最終的には監査した人の責任です。これから調剤した薬ごとの監査の仕方や注意点を説明したいと思います。
1.PTPシート
自分の職場は基本的に2剤以上あれば一包化しているのであまり頻度は高くないですが、先ほども申した通り、規格間違いや単純な数の間違いは要注意です。ただし、機械ではなく手作業での調剤が多いのでミスも多いです。
・確認点
① 処方箋と薬袋があっているか
② 薬品名、数量、規格があっているか
2.一包化
一包化の場合機械が自動で調剤してくれるので基本的には間違いはないですが、やはり機械でもミスはあります。例えば1錠のところ2つ入ってしまっていたり、そもそもカセッターやコンベアに入れた薬が間違っているなんてこともごくまれではありますが、あります。
たまにあるのが異物混入。簡単に言えばPTPシートのアルミ片などが入ってしまうことです。これはよくあるので簡単な一包化でも必ず目を通します。
そしてそもそも薬をどう確認しているのか。薬剤師さんならご存じだと思いますが、ほとんどの錠剤、カプセル剤には印字というものがあります。
もし皆さんが近くに錠剤をお持ちならよく見ていただくと、真ん中にアルファベットや数字が書いてあると思います。これがいわゆる印字というやつです。
↓ は一例です(絵ですいません💦)
これを見て薬剤師は薬剤があっているかどうか確認しているんです。錠剤自体はかなり小さいので確認するのが結構大変です。老眼の人なんかは見えているのでしょうか💦
入植したての時は大変ですが、やっている間に採用している薬剤の印字は何となく覚えます。覚えていなかったり、自信がない場合はPTPシートを見に行って確認します。
これが1つだけだと簡単なのですが、一方化の場合は数種類が入り混じるような形になります。
こんな感じです。これでもまだ5剤ですが、多い患者だと10種類や猛者だと20種類近くある方もいます。これを1包ずつ。しかも日数分確認するとかなりの集中力を必要としますね。
さて長くなりましたが
・確認点
① 処方箋と薬袋があっているか
② 日数分あるか
③ 異物が入っていないか
④ 印字と薬品名があっているか(規格も! 規格間違い多いです)
⑤ 1包に入っている錠数はあっているか
などなど結構あります。患者さんが楽な反面薬剤師としては結構な労力がかかります。
3.散剤
散剤は粉なので調剤の際にしっかりと間違いがないか確認するのが大切ですが、監査でもしっかり確認します。粉の粒子の違いなどでも薬品名をある程度判断できるので、明らかに違うときは確認しましょう。
まず粉の量です。採取量や賦形量があっているのか確認します。できればこの時に投与量が逸脱していないか、特に単位間違いや体重に対して量が多いことがあるので確認できるとGOODです。
そして異物の混入がないかの確認です。散剤は特に小児科が内服することが多いです。機械で分包しているため異物が混入する可能性も十分あります。特に前に分包した人の粉の残りが混ざっていることがないように確認しましょう。また確認の際は粉が白いことが多いので下が白くないところで確認するのがいいと思います。
そして忘れてはいけないのが分包誤差です。散剤ではまれに1包に入っている粉の量がばらつくことがあります。分包したものを斜めに傾けて目視で量のばらつきがないか確認します。
・確認点
① 処方箋と薬袋の名前があっているか
② 採取量、賦形量があっているか(投与量が逸脱していないか)
③ 異物は入っていないか
④ 分包誤差はないか
4.水剤
水剤も一度薬用瓶に入れてしまうと中身の判断が難しくなります。しかし液の色や粘度でもある程度判断可能なので明らかに違う場合は確認しましょう。
そして水剤も他と同じく異物が混ざっていないかの確認。液量や賦形した液の量がおかしくないか確認します。散剤同様投与量が逸脱していないかも確認しましょう。
また水剤では薬用瓶のメモリにマークを付ける場合もあります。その場合はマークが間違っていないか、みにくくないかも確認点です。
・確認点
① 処方箋と薬袋・または薬用瓶に貼るシールに相違ないか
② 異物が入っていないか
③ 採取量、賦形量、投与量の逸脱がないか
④ メモリの記載に間違い・見にくさがないか
5.軟膏
軟膏ではミックスはや容器に詰めた場合の監査方法です。
軟膏も一度容器に詰めてしまうとどの軟膏なのか判断が難しくなります。ただし慣れてくると、見た目やにおいなどで判断できることもあります。ツボに書いてある薬品名を過信するのではなく中身も見て確認しましょう。
作り置きしておいたものでは油分が分離していることもあります。その場合は詰めなおしてください。
ミックスの場合もしっかりと混ざっているか、分離していないか、量がしっかりあるかなど確認が必要です
・確認点
① 処方箋と薬袋があっているか
② 薬品名の記載があっているか
③ 薬品の見た目、においで違いがないか
④ 分離していないか
⑤ 量は間違いないか
終わりに
代表的な5種類の監査を紹介してきました。これだけ見ても大変なことがお分かりいただけたでしょうか。これをたくさんの患者さんで急いでやらないといけないので調剤薬局さんでも本当に大変だと思います。せかされるとやはり間違いやすくなりますしね。もし一般の方も見ていただけていたら、こういうところで時間がかかってしまっていることをわかっていただけると本当にうれしく思います。
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次回「 注射調剤編 」
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