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わかりやすく解説:セブン&アイ、買収危機に対抗! イトーヨーカ堂の分離で企業価値向上を狙う

★わかりやすく解説

セブン&アイ・ホールディングス(以下「セブン&アイ」)が、創業事業であるイトーヨーカ堂を早めに分離する決断をしました。これは、スーパー事業が経営の足を引っ張っていると考えられ、早く切り離すことで会社の株価を上げ、買収から会社を守るためです。

もともとセブン&アイは、スーパー事業を2026年までに黒字にして、2027年以降にその株を上場する予定でした。しかし、2023年7月、カナダの大手コンビニ会社「アリマンタシォン・クシュタール」から約6兆円での買収提案を受けたことで状況が変わりました。9月にはその買収提案額が7兆円規模に引き上げられました。

アリマンタシォンは、買収を繰り返して世界第2位のコンビニチェーンに成長しており、今回の買収でアメリカの首位になることを目指しています。

セブン&アイは、買収を防ぐためには企業の価値を早急に高める必要があると判断し、イトーヨーカ堂を2026年2月までに「戦略的パートナー」に売却する方針に転換しました。

★これを知っておくと理解が深まる

セブン&アイ・ホールディングスは、もともとは日本の大手スーパー「イトーヨーカ堂」を中心とした企業でした。しかし、セブン-イレブンの成功により、コンビニ事業が主要な収益源となり、スーパー事業は負担になりつつありました。

また、「物言う株主」とは、企業の経営に積極的に口出しをする株主のことで、セブン&アイは以前から「非コンビニ事業を分離すべき」との要望を受けていました。このため、スーパー事業を分離して効率的に経営する方向へと動いていたのです。

買収を提案しているアリマンタシォン・クシュタールは、カナダに本社を置く大手のコンビニエンスストア運営企業で、世界中で店舗を展開しています。彼らは既に多くの企業を買収して成長しており、今回の買収でさらに世界最大のコンビニチェーンを目指していると考えられます。

★何が問題なのか?

今回の問題は、セブン&アイが買収の危機に直面していることです。もしアリマンタシォン・クシュタールによる買収が成立すれば、セブン&アイは独立した企業としての存在を失う可能性があります。そのため、セブン&アイはスーパー事業を早期に切り離して、企業価値を上げることで買収を防ごうとしています。

さらに、スーパー事業の分離によって、セブン&アイの株価が上がると考えられますが、それでも買収提案が続くかどうかは不透明です。

★用語解説一覧

・買収提案(ばいしゅうていあん)
説明)ある会社が別の会社を買いたいと申し出ることです。今回の場合、カナダの「アリマンタシォン・クシュタール」という会社が、セブン&アイを買収したいと提案しています。

・非コンビニ事業(ひコンビニじぎょう)
説明)コンビニエンスストア以外の事業のことです。セブン&アイの場合は、スーパーのイトーヨーカ堂などが該当します。

・時価総額(じかそうがく)
説明)会社全体の価値をお金で表したものです。株価に発行している株の数をかけて計算します。会社が大きくなれば時価総額も大きくなります。

・戦略的パートナー(せんりゃくてきパートナー)
説明)ただのお金のやりとりだけでなく、協力して一緒に成長していく相手のことです。会社の利益を上げるために、計画的に力を合わせる相手を指します。

・物言う株主(ものいうかぶぬし)
説明)会社の株を持ちながら、経営に積極的に意見を言う株主のことです。普通の株主は経営にはあまり口を出さないことが多いですが、物言う株主は会社に強く意見を言って、会社の方向性を変えようとします。

★そもそも論

そもそも、セブン&アイがイトーヨーカ堂の分離を急いでいるのは、買収の危機を避けるためです。セブン-イレブンのコンビニ事業はとても成功していますが、スーパー事業のイトーヨーカ堂は重荷となっていました。これを早く切り離して、会社全体の価値を上げることが急務とされています。さらに、買収提案をしているアリマンタシォン・クシュタールは、世界で大きなコンビニチェーンを運営しており、今回の買収でアメリカ市場でのトップを狙っています。

セブン&アイとしては、自社の独立を守るために企業価値を上げ、株価を高くする必要があります。そのため、イトーヨーカ堂を早めに分離して、経営を軽くしようというわけです。

★このニュースのQ&A

Q1. なぜセブン&アイはイトーヨーカ堂を分離するのですか?
A1. スーパー事業が経営の足かせとなっているため、これを分離することで会社の価値を上げ、買収から会社を守るためです。

Q2. アリマンタシォン・クシュタールはなぜセブン&アイを買収したいのですか?
A2. アリマンタシォン・クシュタールは世界有数のコンビニ運営企業で、今回の買収でアメリカ市場での1位を目指しているからです。

Q3. 買収されるとセブン&アイはどうなるのですか?
A3. もし買収が成立すれば、セブン&アイは独立した企業としての存在を失い、アリマンタシォン・クシュタールの一部となってしまいます。

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