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0歳児をおいて海外旅行するまでのこと

4月に、11か月の赤ちゃんを家族に任せ海外旅行にでた。家を離れていた時間は丸9日。

決めたのは2月だった。もともとは夫が「4月に地元で法事があって親戚で集まるから子を連れて帰省するね」と言い出し、「え、私は?」と聞くと「あ、来る?どっちでもいいよ」という雑な扱いを受けたため、「そんな感じなら別に行かないし!私は私で旅行するし!」と半ば当てつけのように考えはじめたものだった。

さて、しかし、私は旅行に限らず一人でおでかけができないタイプだ。人との約束でもない限り、家か自転車で行ける範囲で楽に過ごしてしまう。めんどくさがりなのだ。
でもせっかく丸5日間も自由な時間ができる。家でひとりでただ過ごすのはもったいない。海外だって行けるじゃん。

と考え最初に浮かんだのは、10か月ほど前、出産直前に会った大学時代の後輩のことだ。彼女はポーランドのワルシャワに住んでいる。仕事でしょっちゅう日本にも来ているようだが、会うのは7~8年ぶりくらいだった。でもそれ以前は一緒にクラブでDJするなどブイブイいい合った仲である。なんとなく久々に、という感じで連絡をくれて、渋谷の美登利寿司でランチをした(私は妊娠中も気にせず寿司を食べていた)。
そのとき、よかったらポーランドに遊びにきてね、と言ってくれていたのだ。まあ社交辞令だろうけれども、社交辞令であったとしても1アイデアである。

続いて、イタリアのミラノに住む友人が思い浮かぶ。彼女もまた大学時代からの付き合い(後輩とは面識はあるがつながりはない)。ただし今にいたるまでほぼ毎日生活やKポップについて長文LINEを飛ばしあう仲なので久々感はない。
彼女とは卒業旅行をはじめ、これまでに何度かヨーロッパ集合で数か国周る旅行をしている。現在は1歳半になる子がおりフルタイムで働いているが、2泊くらいならなんとかなるかもしれない。

ポーランドで後輩と、別の国で親友と合流する旅行はできないだろうか?各3,4日ずつ。
この都合のいいプランが実現すれば、1週間程度の旅行を一人にならずに楽しめる。それだけの日数があれば、フライトの時間やお金も元が取れる気がする。
もしこのアイデアが実現したら…という妄想だけしばらくしていた。なんとなく、本当には行かないんだろうなと思っていた。本音を言うと、赤ちゃんから離れたくない気持ちもあった。

しかし数日後、あの時行けたかもしれなかったのに…と後から思うの嫌だな、と思い、一応各方面に確認だけしてみることにした。たぶんどこかで引っ掛かって実現には至るまい、という軽い気持ちだった。

まずは赤ちゃんの世話役探しである。夫が仕事を休み旅行するのは金曜~火曜の5日間。その前後に、どれだけくっつけられるか。夫の休みをこれ以上伸ばすのはちょっと厳しい。
まずは家から1時間程度の場所に住む親に連絡。父親は仕事の繁忙期で対応不可、母親は週3仕事があるがそれ以外は可とのこと。
次に、ちょうど無職の弟に連絡し、ほかに見れる人がいない日なら…と渋々のOKを得る。
まあもし誰も都合がつかずどうしようもない日があればシッターサービスを利用すればいい。調べてみると、1日1.5万円程度。

そして最重要な友人たちへの都合伺いへと移る。ポーランドの後輩は仕事に融通が利くらしく、いつでもオッケーとの回答。ワルシャワに4日いても飽きるだろうとクラクフへの電車を手配してくれる。
イタリアの友人はなんとしてでも来ると即レス。はじめは子連れかもとのことだったが、結局夫に子守りしてもらえることになり、土日+月曜有給で2泊3日、ウィーンに来てくれることとなった。

そんなわけで、火~金ワルシャワ、土~火ウィーン(最終日だけ一人で延泊)の、丸9日間日本を離れるチケットを取った。動き始めてからはスムーズで、2日くらいで大枠が決まった。

決まってしまえばもうめちゃくちゃ楽しみで、毎日グーグルマップやブッキングドットコムを眺めて旅程を組んだし、実際行けてとても良かった。子どもも問題なく家族に見てもらえた。最初の日だけ激しく泣いたらしい。
私も旅行直前まで「赤ちゃんと離れたくない~」などと言っていたが、いざ家を出発すると赤ちゃんのことなんてほとんど意識の外だった。

幼い子どもを置いて旅行に出るのも決めの問題だ。タスクは一個一個つぶしていけば大したことなく、行けない理由なんて何もなかった。「自分はそういうタイプ」と認識して調子づき、9月はまた別の友達と台湾に行くチケットを取った。

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