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絵の美しさも動きも物語もすげえな!『ウルフウォーカー』

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)
Wolfwalkers 上映日:2020年10月30日製作国:ルクセンブルクアイルランドアメリカ上映時間:103分

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ダントツ!

すっっっっっっごいね。。。
今年観たアニメの中ではダントツです。
ダンットツッ!!

絵が素晴らしいっ!
どのシーンもポストカードやカレンダーになりますよ。
グラニフだったらシャツの柄になりますよ。


***


『ブレッドウィナー』(旧題『生きのびるために』)ではちょっと弱く感じた、絵の力、絵の動きが、今回は、もうもうホントにとんでもないことに。

ラストバトルではホントに手に汗握りましたよ。

重みとか圧力が伝わってきました。
刀を歯でキャッチするシーンも、そんなことした経験はないんだけど、、見てるだけで歯茎にグッと力が入りましたよ。


***


視点が複数なのもいいですね


単純な物語になっていない。

中盤で舞台上でのバトルがあるんですが、檻に大きな狼が入れられてて…ていうシーン。

そこも結構深刻なバトルなはずなんです。

父と娘にとっても難しい状況ですし
狼たちにとってはもちろん大変ですし
父なんてそこで人生のターニングポイントとなるある出来事が起こるわけですから

かなりエモーショナルなバトルシーンなんですけど、
そこにいる市民(観客)がせせら笑ってるんです。

嘲笑しながら見てるんですよ。

これは本当に素晴らしい演出ですね。
こんな距離感持って物語書ける人そうそういないのでは。

めっちゃ笑いながら見てましたからね、市民は。


盛り上がりを終盤にとっておく、という効果もあるでしょうけど
視点の複雑さ、豊さ、ですよ。

素晴らしい。



イフを描いてるんですよね


『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』ももちろん絵の力がえげつないんですけど
話のまとめとして感じた違和感が今作にはない。


イフを描いてるんですよね。
絵的にも寓話的なわけですし。

現実の問題にを目を向ければ「あ〜ぁ」って落ち込みますけど、
このイフには希望が込められている。

「王子様と結婚しましたぁ。幸せを手に入れましたぁ。」という物語のラストに

じわじわと苦しめられてきて
じわじわと次の世代を苦しめてきた近代を生きる私たちですが、

今作のように希望と広がりのあるラストを持った物語が
次の世代の生き方をじわじわと自由にさせてあげることができたら、とても嬉しい。


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