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海を駆ける(2018年製作の映画)

海を駆ける(2018年製作の映画)
4.5
深田晃司監督は頭いい人ですね。
ディーン・フジオカの使用法、これですよね。
これしかないですよね、今の所。
ピッタリ。

他にも演技力で同じようなことできる人はいるかもしれないけど、
この天然の異人感はそうそういないですよ。しかもスターで。

さすが、深田晃司監督。

***

だいぶ淡々として進むので睡魔がガンガンやってるくるのですが、
日本とインドネシアの共通点であるTSUNAMI、そして戦争。
これらが映像ではなくセリフで語られます。

映画の中でやっていることはほとんどずっと日常生活。
でもセリフには「TSUNAMIと戦争」がじわりじわりと染み込んでいる。

そんで、ディンフジによる数々のマジックにも周りの人たちは「何だろうねぇ」ってな感じでほとんどスルー。

で、ラストシーンですよ。怖い。
ネタバレは下の方に。

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かなりの引き算映画ですね。引いて引いて引いて残りに抽出されたものは、やはり深田監督っぽい。日常のホラーですね。
黒沢清がこの映画撮ってても面白かったかも。

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太賀が面白い。完全に国籍変わってって。

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以下はネタバレです。

ラウは「海」ですよ。海そのもの。海は命を与えるし殺しもする。そこに理由はない。もののけ姫のシシ神様と同じですね。鶴田真由もディンフジに殺されました。理由なく。もしくは、自分がチョウチョを捕まえられない腹いせだったのかも。人は理由があるから戦争や天災で死ぬわけじゃない。何か悪いことしたから戦死したり流されたりするわけじゃない。

ラスト。ラウに連れられて4人が「海を駆ける」シーンですが、ちょっと沖に行ったあたりで魔法が溶けて4人とも海にドボン。やばいやばいってことで陸まで泳ごうとするけど、全然進まない。カメラはずっと俯瞰で彼らが泳いでいる背中を米粒サイズで撮っているけど、どうやらすでに2人くらいは動いてない溺死している。で、頑張って泳いでるけど波のせいで全然進んでない。映画終わり。結局4人も溺死でしょうよ。鶴田真由も死んだし。全員死んでんじゃん!

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