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福井銀行の社外取締役の内上和博氏との対話について

私たち福井銀行・福邦銀行の経営改善を求める会の構成メンバーの株主(以下「A株主」といいます。)は、2024年5月29日に、福井銀行の社外取締役の内上和博氏(弁護士、以下「内上取締役」といいます。)からの依頼で対話を行いました。

しかしながら、内上取締役は自身の具体的な行動について一切回答をせずに、ただ社外取締役の責務を果たしていると強弁するだけで、A株主が送付した質問状については、社外取締役として意見を述べることすらしませんでした。

福井銀行が株式上場する東京証券取引所が定める「コーポレートガバナンス・コード ~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」には、以下のように定められています。

【株主との対話】
5.上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきである。経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾け、その関心・懸念に正当な関心を払うとともに、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そうした理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。

コーポレートガバナンス・コード ~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~


今回のA株主と内上取締役の対話から分かることは、福井銀行が株主ですらないがしろに扱っているという事実であり、誠に遺憾です。本来は、内上取締役は社外取締役であり、少数株主などのステークホルダーを代弁すべき立場にあるにもかかわらず、一切の対話を拒否する独善的な姿勢はまさに今の福井銀行を象徴するやりとりです。

福井銀行・福邦銀行の経営陣には、中長期的な企業価値の向上のため、株主をはじめステークホルダーと建設的な対話をするように経営改善を求めます。

A株主から当団体に対して情報提供をいただいておりますので、以下に情報開示をいたします。なお、A株主と内上取締役との対話につきましては、読みやすいように、ケバ取りや個人が特定されないように一部加工を施しておりますが、原則として、内容やニュアンスが変わらないようにしています。


1. 一方的な質問だけで、質問に対して一切回答をしない


(内上取締役)
大変貴重なお時間を皆さんからいただいているので、今日どうしてもこれだけは聞きたいことがいくつかございます。甚だ勝手ながら、時間短縮のために、私からお話してもよろしいでしょうか?

いくつかあるのですけど、私は、いの一番やっぱりお伺いしたかったのは、実はこれも公表されましたのでご存知かと思いますが、今、子会社でございますけれども福邦銀行をこれから株式交換をして合併をするという計画でございます。従来はツーブランドの営業体制だったわけですけれども、もしそれが実行されますと、ワンブランドの営業体制になります。そのツーブランド体制が失われることについて、A株主が強い懸念を持っておられるとお伺いしておりまして、そのあたりをもう少し詳しくお伺いしたいと思っております。

(A株主・代表者)
やはり大株主としては、福井銀行が上場企業として赤字の会社を買うのは、基本的にはないのではないかと思うところなんです。普通に考えて、なぜ赤字の会社をM&Aするのか。普通に信じられないという考え方です。シンプルな考え方ですが、そこは、どうなんですかね?

(内上取締役)
今、ツーブランドで営業しておりますけれども、A株主の考えとしては、ツーブランドの方がより地元経済の発展っていうことでしょうか?そこらへんはどういうお考えか?

(A株主・代表者)
そもそもやはり利益を出すことが基本的じゃないですか。株主としては、配当を増やしてもらいたい、株価を上げて欲しいとか色々あると思うんですけど。そもそも(福邦銀行の株式シェアは)51%でしたっけ?

(内上取締役)
3年前ですね。

(A株主・代表者)
それが、急に慌てた感じで100%子会社にするという。赤字の会社の株を買うことは、株主として、(企業価値が)毀損するんじゃないかなっていうのが基本的な考えですね。

(内上取締役)
その営業の体制については?何かご意見ございませんでしょうか?

(A株主・代表者)
Fプロジェクトでは、営業体制はツーブランドでやると3年前に公開しているじゃないですか。逆にあれは何だったのかと。最初からそうしたら100%子会社化すればいいんじゃないかと。将来的にツーブランドで凄い地域にとって良くなるぞという書き方をしていたと思うんですけど。なんだか短くなかったですか?ツーブランドで今からやりますよって盛り上がって、急に100%子会社にして、ワンブランドでやりますよ、というのは何かビックリしませんか?

(内上取締役)
期間が短すぎるっていうように。

(A株主・代表者)
普通に考えて、それだったら最初から(福邦銀行を)100%買いますよというやり方じゃないでしょうか。何か違うんじゃないかなと思いますね。

質問状にも書きましたけど、逆に、なぜ最初から(福邦銀行の株式を)100%買わなかったんですかね?それで(福邦銀行の)オーナーの三田村さんの話。三田村さんが(福邦銀行の)株主・役員をしていたと思うのですが、(福井銀行が三田村氏が保有する福邦銀行の株式を)結果的に割高で買い取った。結果的に割高じゃないですか。今、この前(株式交換比率を)発表したら1対1ではないです。その時点で普通の株主としては凄い不信ですね。

(内上取締役)
ここは福邦銀行の株主としてということですか?

(A株主・代表者)
(当社は)福邦銀行の株主でもあるんですけど。福井銀行の株主としても。どちらにしても(企業価値が)毀損するじゃないですか?(福邦銀行は)良い会社なんですか?っていう話。

(内上取締役)
福邦(銀行)自体?

 (A株主・代表者)
そもそもの話ですよね。基本的に良い会社を買いたいですよね。ちょっと考え方がズレているんですよ。地域とか地域の雇用とかいろいろ書いてあるんですけど、福井銀行は、民間で、株主もいて上場している上場企業です。役所じゃないんです。新幹線とか色々書いていますけど、株主としては、民間企業の本懐をちょっと間違えているんじゃないかな。

そういう対話なんですよね。株主としては、地域のこととか結構書いてあるじゃないですか?それに対して、質問状にいろいろ書いてあるんですけど。それは(福井銀行の企業価値向上と)どういう連動性があるのかなと思うのです。それにお答えしてないですよね?地域の雇用とか新幹線とか色々書いてあると思うのですけど、それは(福井銀行の企業価値向上と)どういう連動性がありますか?結局、話すと質問状どおりになってしまうことなのですけど。

(内上取締役)
3年前に確かに(福邦銀行を)子会社化して、今、現在も子会社です。先ほど支店長のお話もしていただきましたけれども、支店のいわゆる営業店の現場の活動では今ツーブランドです。一部共同店舗もございますけれども、ほとんどが別店舗でやっております。これがワンブランドになるともちろん共同店舗という概念がなくなって、名前はちょっと分かりませんが、全て一つの銀行になります。そういったことによる現場の支店での影響とか、何かご意見ございませんでしょうか?


2. 社外取締役の立場を理由に回答しない


(A株主・幹部)
議論が噛み合っていないと思っていて、(福井銀行と福邦銀行の経営統合後のブランドなど)各論の話ではなく、その手前の段階での話(福井銀行と福邦銀行の経営統合とその手続き)をA株主として話をさせていただいているので、そこについては逆にどうお考えなのですか?

(内上取締役)
手前の話と言うと?

(A株主・代表者)
質問状に書いてあるとおりですが、その回答が来ないじゃないですか。それを逆に教えて欲しい。質問をされるのは分かります。だけど回答が大事じゃないですか。質問状にゼロ回答じゃないですか。

(内上取締役)
もちろん私個人の考えもございますけれども、私、当行を代表している立場ではないので、代表して答えることはまずできないということを最初にお断りします。これはご理解いただけると思います。一取締役として今日来ておりますので。執行権も一切ございません。

その上で、私としては、当行の企業理念である、地域経済の発展で、地域に暮らす人々の豊かな暮らしという点について共感したので、取締役をお引き受けしております。

3年前の福邦銀行との資本提携につきましては、私も取締役としていろいろ考えましたし、もちろんいろんな意味で関与をしておりますけれども、今ちょっとここで私の当時の考えを答えるのは差し控えさせていただきます。

私なりに考えてはおりましたけれども、今、来月の株主総会が近い状況の中で、私が今、一取締役として意見をここで申し上げるというのは、必ずしも適当ではないんじゃないかなと思っております。

ただ、私のご質問状の中にありました、もし(福井銀行による福邦銀行の)完全合併を想定されていたのであれば、3年前になぜ(福邦銀行の)少数株主のもの(株式)を含めて全部買わなかったのか。その結果、現在の福邦銀行の少数株主の権利が本当にちゃんと守られているのか、というご質問だったかと思います。

その問題意識は私も共有しております。そういう点にバランスを取る必要があって、そこは利害の問題があるんだと、私も認識はしておりますし、おりました。私なりに一応いろいろ考えて、考えを深めたり、情報収集したり、意見交換ということを行っております。

ただ今の話は当行の経営方針という話に関わってきてしまうので、私が今ここで、個人の見解を述べるのは、適切じゃないというのが私の考えです。十分なお答えにはなってないのは承知しております。

(A株主・幹部)
対話って、どういう意味か。どういう理解なのですか?

(内上取締役)
それはご質問ではなくてご指摘ですよね。

(A株主・幹部)
普通に意見を交換して話をするのが対話なのかなと思っています。「前提として、私は関係ないんです」って話をされると、それでは何のお立場でお話に来られているのかが分からなくなってしまうかと思っています。そこはどうお考えですか?

(内上取締役)
私は執行権のない社外取締役なので、執行役とは、対外的な立ち位置が異なると思っています。ただ、株主様が思っておられる懸念について十分お伺いをして、私なりの問題意識はお伝えしようと思います。当行の今の経営方針について、私が今ここでご説明するのは適当ではない。そういう考え方です。

(A株主・顧問弁護士)
御行の経営方針について、執行サイドの立場からご説明いただくお立場じゃないということは十分承知はしています。社外取締役は一般株主を代表する立場だと思いますけども、社外取締役として、執行サイドの経営方針に対してどのようなご意見と問題意識を持っている、という観点からお話いただければ十分かと思います。

(内上取締役)
ですので、私に対してご質問状を送っていただきましたけれども、3年前にどうして全部(福邦銀行の株式を)買わなかったのか?それから、その結果、今、福邦銀行の少数株主の権利が本当に守られているのかと、そういうご質問でしたよね。

(A株主・代表者)
二段階買収の・・・。

(内上取締役)
そうですね。そういった問題意識自体は私も持っております。それで、私なりの取締役としての考えを持っておりますし、それに基づいた取締役としての活動はしております。ただ、今それをこの場でお話するのは適当ではないと私は考えているということです。

(A株主・顧問弁護士)
逆にどうして適当じゃないと考えているのでしょうか?執行サイドの立場からのご意見を言うのは、そういうお立場でもないと思いますし、適当じゃないというか、それを言えるお立場ではないというのは分かるんですけれども、社外取締役として一般株主の利益を代表する立場として、今回、株主との対話をするという中で、ご自身の社外取締役としてのご意見をおっしゃるということは、むしろそれは望ましいんじゃないかなと思ったのですけれど。

(内上取締役)
ですから私も、私の見識を申し上げたつもりなんです。私も問題意識は持っておりますとお伝えしました。それについては全く考えてないとか、無視したとか、そういうお答えはしていないつもりなんです。それを踏まえた上で、(福井銀行及び福邦銀行は)現在の政策が行われているとご理解いただければいいんじゃないかなと思います。

(A株主・幹部)
ということは、当社が質問状で書かせていただいているのと、先生(内上取締役)が社外役員として少数株主の保護を本来すべきであったというお考えは、同じ方向性を向いているという認識でよろしいですか?

(内上取締役)
(福邦銀行の少数株主の保護は)すべきであったというか、今でもすべきだと、今このリアルタイムでもすべきだろうと考えているとご理解ください。ずっと考えていると思います。過去形ではなくて。

(A株主・幹部)
ずっと考えられていて、当時、取締役会ではどういう議論になったんですか?

(内上取締役)
それはこの場では申し上げられないです。今、取締役会議事録の閲覧謄写の手続きが進んでいると聞いておりますので、私がここでちょっとそれをお話するわけにはいかないんです。

(A株主・幹部)
先ほど先生(内上取締役)がそういう少数株主保護をすべきだった、というふうに・・・。

(内上取締役)
いや、「だった」じゃなくて、今もすべきだと言っているんです。今でもそうだと思います。それは。

(A株主・幹部)
それはすみません。いつ時点でどういうふうにお考えだったのかがわからないと、時系列がちょっと整理できないんですけど、そこのご説明はいただいても。

(内上取締役)
この場ではちょっと、私がいつどういう考えでどうした、というのは、時系列ではご説明はできないんです。

(A株主・幹部)
対話をしに来ているんですよね?

(内上取締役)
ですから、それはご質問ではなくて、ご指摘と承ります。対話になってないですよね、というご指摘だと思います。違いますか?そうですよね?おっしゃっていることは分かりますけれども、ただ、私は今日はもちろん私なりの考えも申し上げるつもりで、先ほども申し上げましたけれども、株主様のお考えをつぶさに聞いて、それを持ち帰って反映させたいというのが本意です。先ほど申しましたように、株主様からお話をいただく機会、直接お話を聞く機会というのが、私の努力不足もあると思いますが、恐ろしく少ないんです。


3. とにかく対話をしない


(A株主・幹部)
今日は「対話」という理解をしていて、それでコミュニケーションを図っているという理解です。(内上取締役から)ご質問をいただいたことは、それこそきっと半年ぐらい前に、だいぶ時間をさかのぼって対面で会ってしていた話です。肝心のここ直近の(A社から福井銀行に対する)質問に対してはどうお考えですか?

もっと言うと、子会社の福邦銀行については、経営主体が違うから、上場会社では本来、内部統制の構築の問題とかもありますので、普通は親会社が答えるものなのかなと思うところもご回答されていません。あと(福邦銀行の)少数株主の保護を(福井銀行の)社外役員としても意識してお話されたんですかね?

(内上取締役)
はい、意識はしています。

(A株主・幹部)
社内でも役員を監視する立場ですから、その話は具申されたという理解なんですが、そこはそうでもないですか?思われていただけ?

(内上取締役)
いえ、私、取締役として、すべきことをしたと思っております。ちょっと今、詳細にどこでどういう活動をしたかということは、ちょっとあれですけれども。もうやれることは全てやったとご理解いただければいいと思います。

(A株主・幹部)
そのあたりを全然ご回答いただけていないことに関しては、社外役員としてどうお考えなんですか?

(内上取締役)
なかなか難しいと。私自身も自分の置かれている立場が微妙な立場なので非常に難しいなと思っております。というのは、社外取締役であることは事実ですけれども、ただ、取締役会の構成員であることも事実なので。

(A株主・幹部)
私は先生(内上取締役)のように(弁護士)資格も何もないのですが、社外役員は常勤されてる方たちに、ちゃんと株主の立場で意見をするのがお立場なのかなと思っています。それで、別にそこは、先ほどA株主の顧問弁護士の先生からも(ご意見を)いただきましたけど、意見は意見でよろしいんじゃないですかねと思うんですけど、そこは私の認識がズレていますか?

(内上取締役)
おっしゃる通りです。意見を開陳される社外取締役もいらっしゃるのかもしれません。分かりません。人によって、その方のご判断によるのかな?一般論として、そういうものですよねっておっしゃると、それはちょっと分からないことになるのかな、内容にもよるのかなと思います。

(A株主・幹部)
繰り返しで恐縮なんですけど、質問状が今出ていて、先ほどA株主・代表者からもあった通りでご回答をほとんどいただけていません。子会社のことを答えないであったりだとか、上場会社では普通ないようなやりとりが起きているという認識をしていて、まずそこはどう思われますか?

(内上取締役)
私の意見はここでは申し上げないです。

(A株主・幹部)
一応、社外役員の皆さんも同じ意見だというご回答をいただいているんですけど、そこは認識されていますか?

(内上取締役)
同じ意見というのは、どの部分についてということですか?

(A株主・幹部)
みんなで統一の見解で回答をいただいていた認識なのですけれども。

(内上取締役)
論点は多岐に渡っていると思いますが、どの部分のことをおっしゃっているのでしょうか?

(A株主・幹部)
その個別の部分(論点)を教えてくださいという質問も投げています。ご回答もいただけていません。逆に違う意見があるのだったら、ちゃんと株主サイドにも、こういう意見を社外役員の皆さんはちゃんと言った。ただ最終的に多数決ですから、結果として会社としてはこういう方針になった。これが本来あるべきコーポレート・ガバナンスなんじゃないのかなと思っています。ただそういったことを聞いても、今ゼロ回答になっているんです。そこは認識されていますか?

(内上取締役)
はい。先ほど申しましたように、取締役会の中身の、どういう議論があったかというご質問にほぼ近くなってきています。今のご質問というのは?

(A株主・幹部)
今、(福井銀行からA社は)回答を全然もらえてないのですけど、そこは社外役員としてどう思われていますか?

(内上取締役)
ですから、社内で、私も含めて、誰がどういう意見を持っていますか?というご質問だと思います。

(A株主・幹部)
いや、別に中に踏み込んで、私は質問をしていません。今のこの書面のやり取りで答えを全然回答いただいていない状況なわけですね。それについて社外役員としてどうお考えですかということを聞いているんです。別に今、取締役会の中の議論を教えてくれとは言ってなくて、先ほど代表例で申し上げましたが、子会社に関する質問に親会社が答えない、(そういう)上場会社っておかしくないですか?それをどう思われますか?

(内上取締役)
ケースバイケースかと思います。

(A株主・幹部)
それ以外にも質問を普通にしていることがたくさんあるんですけど、先ほど社外役員として、言うことをいろいろ言ってきたんだとおっしゃっていましたけれども。

(内上取締役)
言ってきた?

(A株主・幹部)
言ってないですか?

(内上取締役)
私がなすべきと思ったことをした、と申し上げたわけです。

(A株主・幹部)
なすべきことっていうのは、言うことではないんですかね?発言されたのではなくて、内心思われて、そうなったらいいなと思われたんですか?

(内上取締役)
いや、発言以外にも情報収集、それから、発言だけには限りませんので。

(A株主・幹部)
だから発言されたんですよね?

(内上取締役)
発言だけには限りませんので。私がどこでどういう発言したか、今ちょっとここではお話しないということをさっき申し上げたんですけど。

(A株主・幹部)
その話ですが、別にどこで何を(発言したか)という特定の話は申し上げてないんです。そういうのも含めて、今ゼロ回答の状況だと理解しています。今日せっかくお越しになるので、社外役員と大株主の対話の場なので、そこをお答えいただけるのかなと思いきや、半年前ぐらいのやり取りを質問されたので。いやいや、聞きたいのは直近の話なんですよ、という話を申し上げた。

(内上取締役)
分かりました。

(A株主・幹部)
それで、それに関して、今、正直やりとりがゼロ回答の状況になっている。そこは繰り返しですが、どういう認識なんですか?

(内上取締役)
ええとですね。今、会社として、私も一取締役であると同時に取締役会のメンバーでもあるわけですね。

(A株主・幹部)
それは分かっています。

(内上取締役)
それで今、既に取締役会議事録の閲覧謄写のご請求も来ていて法的手続がなされていると聞いております。その中で私が内容にもよりけりですけれども、今のご質問にはここでは詳しいご回答はしないという、そういう立場です。

(A株主・顧問弁護士)
今のご質問というのは?

(内上取締役)
その内容について。

(A株主・幹部)
内容に僕はほとんど踏み込んで質問をしていないんですが。

(内上取締役)
その内容について、完全に了解したのか異論はなかったのかという、そういうご質問ですよね。違います?

(A株主・幹部)
逆に、異論はあるんですか?

(内上取締役)
それでお答えしないというふうに申し上げた。ここでは今、異論があるかどうかも含めて、この場でお答えしないと先ほど申し上げました。

(A株主・顧問弁護士)
私の方からもお伺いしてもよろしいですか?

(内上取締役)
専門家同士のお話であれば、プロ同士ですので改めてさせていただきましょうか。この場じゃなくて別に電話でも結構じゃないですか。

(A株主・幹部)
社外役員から対話というお申し出で、普通のやり取りをしていて、法的な話は全然していません。普通に、質問が出て、どうお考えなんですか?というやりとりをしているだけだと思っています。

(内上取締役)
今、私がお答えした通りなんですね、現時点での私の対応は今お答えした通りです。

(A株主・幹部)
いや、ほとんどお答えいただいてないので。

(内上取締役)
ですから、お答えしませんってことを今お答えしたわけです。

(A株主・幹部)
対話に来たのに答えないっていうのが答えなんですね。

(内上取締役)
ですから、そこも評価の問題かと思います。

(A株主・幹部)
だって答えないって言っているのに、評価は答えない、以外ないんじゃないですか?

(内上取締役)
いえ、今のご質問には私はお答えしないと申し上げたんです。その内容について異論があったのかなかったのか、ということについてはこの場でお答えしないと申し上げた。

(A株主・顧問弁護士)
ちょっと話の整理をしたいなと思ってですね。一点だけすみません。取締役会議事録について、確かに裁判所で係争しているのですけれども、これは先生(内上取締役)のご認識が違うかもしれないのですが、特に、いわゆる係争関係にあるとか、争いにあるというふうに思っていません。

当然、取締役会議事録っていうのは、会社の営業秘密等もあると思いますので、裁判所の許可がないと見せられないものです。それで、我々としては、株主として、取締役会の中でもその議論が議事録にどういうふうに記載されているのかを見たいというのがあって、その範囲内だったら見せていただけるのかということを裁判所にご判断いただく。いわゆる非訟事件で、後見的な立場から裁判所にご判断いただくということじゃないので。それぞれ情報開示していくタイプという・・・。

(内上取締役)
はい。

(A株主・顧問弁護士)
そういう意味では、いわゆる訴訟事件で本当に争っているというイメージは持っていなかったので、逆に係争になっているから・・・。

(内上取締役)
いや、係争というかその。

(A株主・顧問弁護士)
裁判になっているからこの場では答えられないと言われたのがちょっと。要するにお互い、意見をぶつけ合わせるという対話をするための情報をいただく。先生(内上取締役)のお話を伺っていて、A株主・代表者の意見を申し上げさせていただいて、それに対して先生(内上取締役)が社外取締役として、どうお考えになって、という議論をぶつけ合って、それで一つこの場の結論と言ったらあれですけども、対話が進んでいったらいいなと思ったのです。なかなか先生(内上取締役)の方からご意見を言っていただけないことに対して・・・。

(内上取締役)
あのごめんなさい。そこまでのことはちょっと難しいと思います。

(A株主・顧問弁護士)
先生(内上取締役)の方からご意見いただく中で、いろいろこう会話が成り立っていって、一つの福井銀行にとっての良い方向に、というのがここで。

(内上取締役)
あ、ですから私は、先ほど経営内容については、私もちょっと自分の意見を差し挟んで、今社長にいろいろご意見を伺って、もちろんちょっと出過ぎたご質問もあって、それはお詫びしますけれども、その点については、私の意見も途中でこれおかしいと思いますっていうことはいくつか申し上げたかと思うんですが。

(A株主・幹部)
株主として、今、書面で送っているところが分かりやすく論点になっていると思います。そこについて、別に意見を言うのはむしろ自然だし、東証が求めているものは、まさに対話。で、そこをご回答いただけないと、やっぱり対話が成立してないんじゃないかと思っています。別にそこは、ドッジボールやりたいわけじゃないわけですよ。キャッチボールでちゃんと対話をやって、それで(福井銀行の)企業価値を上げましょうというのが本来あるべき姿だと思っています。

逆に「それで僕はこう思うんだよ。それで今、社内にも言っているけど、過半数で意見が通らなかったんだよね」とか「そこは議論したんだけど、最終的には納得したんだよ」とか。そういったのが普通あるべき姿なんじゃないかと思っています。

そこを身構えられて、せっかくお越しいただいたのに、対話の手前のところでほとんど情報を切られてしまっているという認識をしています。

そこは先ほど申し上げた書面を見ていただければ、そこが疑問点なので。「これはこう考えてこうなんだよ」とか、別にIR活動とかで、あのBさん(福井銀行幹部)、こういうのは普通にありますよね?IRをやられていますよね?

(福井銀行幹部Bさん)
そうですね。

(A株主・幹部)
ですよね。普通のやり取りだと思っています。そこがゼロ回答だと、「いや、なんでなんですか?」「別にそれは、常勤の人たちが(意見を)出してるんだよ。でも俺はこういう意見なんだよ」って、別にそれはそれで意見の世界なので。「ただ過半数で最終的に議決したんだよね」という。それが普通の今、闊達な取締役会で、東証が求めているのは、むしろそこですよね。

(内上取締役)
繰り返しになって恐縮ですけれども、今のお話の内容っていうのはもう取締役会の議事そのものを指しておられると思う。

(A株主・幹部)
その中に踏み込めば(そう)ですよ。

(内上取締役)
踏み込むというか、今、ご質問はそうですよね?

(A株主・幹部)
その手前の話を(しています)。だから先ほど申し上げたのは、子会社のことを答えないのは、どう思ってるんですか?っていう、話は先ほど答えていただけなかったけれど。普通の、一般的な感覚で言うと親会社に申し上げたと・・・。

(内上取締役)
それはケースバイケースっていうのは、だから先ほど答えて・・・

(A株主・幹部)
ケースバイケースっていうのは、それはちゃんとした回答じゃないと思っています。

(内上取締役)
じゃあもっと正確に申し上げましょうか?お答えすべき場合もあれば、お答えしなくていい場合もあると思っています。

(A株主・幹部)
ケースバイケースですよね?それ?

(内上取締役)
ですから、そういうお答えなんです。

(A株主・幹部)
だから国会答弁とか、そういうのを聞きに来てるわけじゃなくて、普通に会話をするのが対話なんじゃないですかねと思っています。

(内上取締役)
そうなんですけど、今のご質問が取締役会でどういう議論をしたかということに全て収斂してしまうので、私としては非常に答えにくいんですね。そこはご理解いただきたい。