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当院では心肺運動負荷試験(CPX)という検査をしています。

この検査は運動療法を行う上ではとても重要であり、有用なデータを得ることができます。
呼吸や心電図を診ながら、現在の体力や心臓の異常の有無などがわかります。

さらに運動療法を行う上で重要なことは適切な負荷を知ることができることです。

これはとても大切なことで、運動は軽すぎても、きつすぎてもよくありません。

軽すぎると運動の効果を十分に発揮することができません。
逆にきつすぎる運動は心臓や循環器系への悪影響を及ぼす可能性があります。

そのためこのCPXという検査で“丁度いい負荷”を決定します。

安全かつ効果的というポイントを絞ることでその両立を図ります。


これは主に有酸素運動に関する場合ですが、その他の事柄についても同じことです。

例えば筋トレ、ウォーキング、勉強、食事、どれをとっても丁度いいはとても重要です。
どの分野においても自分に合った範囲や量、方法というものがあります。

大切なことはその“丁度いい”がどの程度かを知ることです。

自分の体を自分で評価して、最適な塩梅を決める。

大切なことではありますが、なかなか実践できないのが現実です。
上にも書きましたが食事量などは特にやるべきことかもしれません。

胃腸障害や生活習慣病になどに関しては、食べ過ぎや偏りなどが原因となることがよくあります。

自身の丁度いい量や種類を選別するためには、自身の体の反応に目を向ける必要があります。

自身の体の変化や痛み、反応に気づかないと、体の不調が大きくなったり、長続きしてしまいます。そのため自身の体の変化に敏感である必要があります。
もちろん敏感すぎるのも問題ですので、ここでも“丁度いい”が大切です。

運動における“丁度いい”の一つの目安として、疲労があります。
運動を行った次の日の体の状態を観察します。
痛みや重だるさ、疲れなどが無いかを確認して、問題無ければ次回からはもう少し負荷を上げても大丈夫です。逆に筋肉痛や疲労が残っている場合は少し負荷が強い可能性があります。

食事においては平均的に腹8分目がいいとされています。
もちろん胃腸の調子によって適切な量は前後することはあります。

健康な場合と胃の不快感がある場合とでは摂取の仕方や量が変わるはずです。最近では食べなければいけないという風潮が強くなっているかもしれませんが、食べたくないと体がメッセージを出していることに耳を傾けて、それに従うことも大切です。

その他風邪や関節の痛みなど病院で症状を聞かれた時に、正確に自身の体を把握している方には、医師も的確な治療を行うことができます。

また治療を行った効果や変化などを自身でしっかり把握することも大切です。

体は機械ではありません。
修理工場に預けて治って帰ってくるのを待つのではなく、自身の自然治癒力を高めて、自ら積極的に治すという気持ちが大切です。

自身にとっての“丁度いい”を探すことが治療の効果を高め、健康な体を作るきっかけになるのではないかと考えています。

医療従事者にすべてをお任せする治療ではなく、共に治していくという意識を持つことで、治療の効果は格段に変化します。

我々が研鑽を積むことはもちろんですが、患者様の持っている知識や理解を増やす努力もこれからしていきたいと思います。


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