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セイタカアワダチソウを知り尽くす

はじめに

セイタカアワダチソウは秋になると黄色い花をつける、農道や空き地などいたるところに群生している背の高い植物である。漢字では「背高泡立草」と書き、別名「代萩(だいはぎ)」と呼ばれている。原産は北アメリカで、日本には明治時代末期に切り花用の観賞植物や蜜源植物として導入された。
セイタカアワダチソウは他の雑草の発芽を邪魔をする「アレロパシー」をもつため、生態系を崩す厄介な雑草というイメージが強い。あぜ道や川辺に茂るセイタカアワダチソウを、町が税金を使って撤去している。

あぜ道の雑草を処分する作業をしている業者の様子

ほんとうは宝の植物であるのに、誰も見向きもしないので茂り放題の状態になっている。

耕作放棄地に茂るセイタカアワダチソウ

入浴剤としての活用

セイタカアワダチソウを入浴剤として使うことを紹介する動画は数多く公開されている。

セイタカアワダチソウの開花直前の蕾には酵素が多く含まれていて、これがアトピー性皮膚炎の治療に効果的とされている。
事前に50~60℃のお湯で煮出しておく。セイタカアワダチソウに含まれる酵素は、一般的に高温になると分解されるためである。
セイタカアワダチソウに含まれる成分としては、ポリフェノール、フラボノイド、サポニンなどがあり、健康に対する様々な効果が期待される。石鹸と同じ成分のサポニンが含まれていることで、本当に泡立つ。

これらの成分が具体的にどのようにアトピー性皮膚炎に作用するかは明らかになっていない。詳細なメカニズムや具体的な酵素の種類については、さらなる研究が必要とされている。個々の症状や体質によっても効能に差があるようである。

入浴剤としての商品性

セイタカアワダチソウは蕾が大部分を占める場合(今日半乾きの方で葉、茎を含まない状態で入浴剤用として販売する場合)、メルカリで100gが1000円(送料別)ぐらいの値段で販売されている。
30分ぐらいの時間に蕾を中心に(葉っぱ付いたまま)採取した量が85g(冒頭画像、乾燥したらもっと軽くなる)なので、コンビニのバイトよりもコスパは悪い。しかもこの1週間ぐらいしか摘めない。ということは入浴剤としては商品にならない。普通の人はやらないという結論になる。
したがって今年は、自分用の一年分の使用分と、ほんとうにアトピー性皮膚炎などで困っている人に提供して効果や有効性を確かめるための採取をしたい。

食品としての活用

コーヒーが飲める

お茶として花、蕾、葉、茎が飲めることは入浴剤の活用の場面でいっしょに語られていた。タンポポと同じようにセイタカアワダチソウの根はコーヒーになるという。

増殖力がつよくて農地利用を妨げる植物を根絶やしにできるので、農家にとっても、町にとってもよい方向に進む可能性がある。この方向での商品価値がありそうなので、試作してみて商品性を試したい。この植物は多年草なので、根を取る作業はこの1~2週間という時間内に行うは必要がない。
商品になれば、野草カフェの品揃えが増やせそうである。

お浸しにして食べる

葉っぱも付いた蕾(つぼみ)をお湯に少し浸したあと、ミートソーススパゲティに入れて食べてみた。ほろ苦い味覚であるが十分美味しく食べられる。おそらく内臓(肝臓など)に効能を及ぼすには、食べるのが一番早いように思う。

セイタカアワダチソウ風味ミートソーススパゲティ

「良薬口に苦し」の格言が今、腑に落ちた。

人生は宝石箱をいっぱいに満たす時間で、平穏な日常は手を伸ばせばすぐに届く近くに、自分のすぐ隣にあると思っていた……