文字起こし・要注意案件に引っ掛からないコツ(前編)
クラウドソーシングを中心に活動する、フリーランスの福原泰知(太郎にゃんこ)です。
今回は、文字起こしの依頼をクラウドソーシング上で受注する際、要注意案件を避けるコツをお伝えします。
1.初めに
2020年9月~2022年4月現在までの期間、ランサーズ・クラウドワークス・ココナラで718件を受注してきました。
ランサーズ文字起こし月間ランキングでは、10冠を獲得しています。
たくさんの良いお客様に巡り合うことができたことには、感謝の言葉しかありません。
反面、良いお客様もいらっしゃれば、悪いお客様も残念ながら少数いらっしゃいます。
初心者を狙って意図的に悪質な文字起こし案件を持ち込む方も、クラウドソーシングサイトには一定数おられます。
「文字起こしは誰でもできる。そんな案件、安く買いたたいてやればいい」という声も、何度か聞きました。
大変残念なことです。
良くない文字起こし案件を受けてしまう人が、少しでも減ってほしい。
そんな思いを込めて、こちらの記事は書かせていただきました。
クラウドソーシングサイトで文字起こしの依頼を受けようと思っている方に、危険な案件を避けるコツをお伝えしています。
ご一読いただけますと幸いです。
2. 危険な文字起こし案件3パターン
今回は、以下の文字起こし案件について、それぞれコツをお伝えします。
①報酬を支払ってくれないお客様を避けるコツ(前編)
②とんでもなく低単価な文字起こし案件を避けるコツ(後編)
③非常に質の悪い音声データの案件を避けるコツ(後編)
いずれも遭遇したくないものばかりかと思います。
今回お伝えする内容は、全て実体験を踏まえています。
その上で、どう対応すれば危険な文字起こし案件を回避できるか、コツを紹介させていただきます。
お役に立つことができれば幸いです。
3.報酬を支払ってくれないお客様を避けるコツ
コツをお伝えするため、未払いで終わりやすい文字起こし依頼を、大きく二つに分けました
(A)仮払い前の納品を避けるコツ
(B)外部取引を持ち掛けられた場合のコツ
どう対応すればいいのでしょうか?
・文字起こし案件、仮払い前の納品を避けるコツ
クラウドソーシングでは、いずれのサイトでも規約に
と書かれています。
言い換えれば、仮払い前に文字起こしを開始する必要はありません。
特に、仮払い前に文字起こし成果物を納品するような真似は、絶対にしないでください。
クライアントに報酬を払ってもらえなくなっても、自己責任です。
原則当事者間の話し合いで解決することになりますので、規約をしっかり守りましょう。
それがコツとなります。
・仮払い前に納品してしまいがちなケース
思わず納品してしまいがちなケースをご紹介します。
文字起こし音源を引き渡されてから、仮払いがまだなのにお客様と連絡がつかなくなるケースです。
仮払いはされていない。
でも、納期が迫ってきている。
クラウドソーシングサイト初心者ほど、ここで慌てて文字起こしを進めてしまいがちです。
ですが、仮払い前の音信不通では、1~2割は失注になります。
その場合、取り組んだ文字起こしは無駄になってしまいます。
仮払い前に文字起こし成果物を納品する場合は、なおさらです。
絶対にしないでください。
納品後、一切連絡がつかなくなるケースもたまにあります。
仮払い前には文字起こしを開始しない。
しつこいようですが、これがコツです。
※気心の知れた常連様であれば、ある程度融通を効かせて良いとは思います。
4.仮払い前、音信不通になったクライアント様にどう対応するか
では、仮払い前に音信不通になったクライアント様には、どう対応すれば良いのでしょうか。
コツとしては、以下のケースで対応を分けることです。
(1)クライドソーシングサイト経験がないお客様
(2)クラウドソーシングサイト経験があるお客様
※経験あり・なしの目安は、クライアント様の依頼件数が5件以上か、未満かにしています。
・クライドソーシングサイト経験がないお客様への対応のコツ
まずは、クラウドソーシングサイトを使い慣れていないお客様への、対応のコツです。
クラウドソーシングに不慣れなクライアント様は、多くの場合「仮払い後に作業を開始してください」という規約を知りません。
こちらから「文字起こし開始は仮払い後になる」旨をしっかりとご説明すれば、ほとんどの場合でご納得いただけます。
・クラウドソーシングサイトの依頼経験があるお客様への対応のコツ
次に、依頼経験豊富なクライアント様への対応のコツです。
忙しくて仮払いをし忘れている、もしくは意図的に後回しにしている可能性があります。
どのように対応するかは、文字起こしワーカーによって異なります。
何度もメッセージを送って確認する文字起こしワーカーもいます。
ひたすら待つ文字起こしワーカーもいます。
私であれば「作業開始は仮払い後になる」旨をお伝えします。
依頼経験豊富なお客様には、説明を軽くすることもコツの一つです。
それでも返信がないようであれば、あとはひたすらお待ちします。
もちろん、この辺は文字起こしワーカーによって好みが分かれます。
お好きな方法を選択されるのが良いでしょう。
(要注意ポイント)お客様の評価はどうなっているか。
依頼を受注する前に、クライアント様の平均評価は必ず確認しましょう。
これは、悪質案件を高確率で避けられるコツとなります。
平均4.8以下のクライアント様からは依頼を受けないと、決めている文字起こしワーカーもいます。
私は、そこまで厳しくしていません。
しかし、平均評価が低いクライアント様は少し注意をしています。
具体的には、書かれているワーカー(文字起こしワーカー以外も含む)の声を、事前にしっかり確認するようにしています。
以下は、感想欄から読み取れるクライアント様の傾向です。
(感想欄)契約途中終了での星1が多くなっている
→途中で音信不通になったり、納品してからの追加要望がどんどん入ったりする可能性がある。
(感想欄)音信不通になって不安だった
→納品後検収が行われずに、長期間連絡がつかなくなる可能性がある。
(感想欄)追加要望がどんどん入った
→納品後、何度も追加要望が入る可能性がある。
では、これらのクライアント様に対応するコツは何でしょうか?
・平均評価が低いお客様と上手く付き合うコツ
平均評価○○以下のお客様からは原則依頼をお受けしないなど、ある程度基準を決めおくことがコツとなります。
「追加要望がどんどんと入った」との感想が複数あるクライアント様は、原則お断りしています。
※「ご要望は事前にお伝えください。作業開始後の追加のご要望は承りかねます」と記載し、ご納得いただけるのであればお受けしています。
以前、3時間で終わるはずの作業が、追加要望が重なり21時間かかったことがありました。
ここまでは流石に稀ですが、普段ご依頼いただいているお客様にも、ご迷惑が掛かりかねません。
※このときは2日連続で徹夜作業をすることで、何とか他のお客様にご迷惑を掛けずに済みましたが。
ご依頼いただいていたお客様1人1人に、しっかりとお時間をお取りするためにも、私はこちらの基準を採用しています。
もちろん、文字起こしワーカーによって、大切にしたい基準は大きく変わるかと思います。
お金を稼ぐことを第一に考え、「金額が大きければ少々無茶を言われても良い」と考える文字起こしワーカー様もいらっしゃいます。
「スピーディーなやり取りが好みだから、音信不通になるクライアントは許せない」文字起こしワーカー様もいらっしゃいます。
これは好みの問題です。
自分がどんなクライアント様とお付き合いしたいか、どんなサービスを提供したいかによって、基準を変えてみてください。
※依頼をあまり受けたことがなく、どうすればいいか分からない方もいらっしゃるかと思います。その場合は、いったん高い平均評価のクライアント様のみに絞ってみてください。トラブルが少なく受注できます。
5.外部取引を持ち掛けられた場合のコツ
次に、外部取引を持ち掛けられた場合です。
※ランサーズ・クラウドワークス・ココナラを含むクラウドソーシングサイトでは、外部取引は禁止されています。外部取引を持ち掛けられること自体アウト、もしくはアウトに限りなく近いとお考えください。
常連様か初回取引かで、外部取引の危険性は大きく変わります。
気心の知れた常連様であれば、メリット・デメリットを考えた上で、応じるかどうかを検討してみても良いかと思います。
初回から外部取引を相談されるお客様は、注意が必要です。
常連様の紹介など、よほど安心して取引できる相手でない限りは、お断りすることをお勧めします。
私が遭遇したのは、以下のケースでした。
(1)料金後払いと説明を受ける→作業・納品を行う→音信不通になる
(2)個人情報を抜き取るための外部サイトに誘導される
(2)を避けるコツは、見慣れない外部リンクをクリックしないことです。
怪しいと感じた場合は、クラウドソーシングサイトの運営者に通報してください。
(1)を避けるコツを、少し掘り下げてご説明します。
・外部取引でクライアント様が音信不通になるパターン
まずは、外部取引に誘導された後、クライアント様が音信不通になる王道パターンをご紹介します。
連絡は、クラウドソーシングサイトを介さないものに誘導されます。
具体的には、Slack、Chat Work、Line、Discordのような外部ツールです。
支払日は月末などに設定がされています。
月初~25日頃にかけて作業を行い、支払時期が近付いてくると、依頼元との連絡がつかなくなります。
大体のケースで、依頼元が外部ツールのアカウントを削除してしまいます。
こちらは変則パターンもあります。
依頼元→オンライン秘書→文字起こしワーカー
のように、第三者が間に挟まれるケースです。
このパターンでは、オンライン秘書さん、文字起こしワーカーの両方が、依頼元と連絡が取れなくなります。
ですから、『オンライン秘書さんが間に入ってるから安心だ』とは、決して思わないようにしてください。
招待された先がグループチャンネルでも、気をつけた方が良いのは同じです。
43名参加(文字起こしワーカー39名・ディレクター4名)のChatworkグループチャンネルで、依頼元が音信不通になったこともありました。
では、回避するコツは?
・怪しい外部取引を回避するコツ
初回取引の方とは、絶対に直接取引をしない。
これがコツとなります。
約1年半で、私は700件以上のお取引をしてきました。
しかし、初回から直接契約を相談されるお客様で、安心してお取引できた方は1人もいませんでした。
ですから、危険そうな案件には近づかないこと。
これがコツとなります。
とはいえ、非常に手が込んだパターンもあります。
ものによっては、これは大丈夫かもしれないと考えてしまうかもしれません。
私が遭遇したケースをご紹介しますので、ご注意いただけますと幸いです。
・大手企業社員を名乗る人物からの依頼ケース
個人依頼として、大手企業の社員を名乗る人物から連絡が来ます。
そして、Slack、Chatworkのチャンネルに誘導されます。
そこからの流れは、既にお伝えした通りです。
月末に一括で払うと言われ、文字起こしワーカーは頑張って納品します。
そして、クライアント様が失踪します。
相手さんは大手企業を名乗っているから、安心できるのではないか。
そう考えてしまうところがポイントです。
このパターンでは、事前にお客様のクラウドソーシングサイトアカウントを確認することがコツとなります。
本人登録がされておらず、依頼実績もない場合は、かなり怪しいとお考えください。
・(要注意パターン)月末一括払い
最後に、要注意パターンをご紹介します。
以下は、依頼元からのメッセージをまとめたものです。
こちらは外部取引ではありません。連絡は外部ツールを使うものの、支払いはクラウドソーシングサイト内だと伝えられました。
1本目のトライアル料金は、クラウドソーシングサイトの仮払いシステムで支払われているところがポイントです。
このとき、グループチャンネルには20数名程度の文字起こしワーカーがいたと記憶しています。
非常に活気のあるチャンネルでしたが、大変残念なことに、月末には依頼元が音信不通になってしまいました。
こちらを回避するコツは、依頼元に都度払いをお願いすることです。
「全ての作業は、仮払い後に開始させていただきます」とお伝えしておけば、無用なトラブルは避けることができます。
ここまで、報酬を支払ってくれないお客様を避けるコツをお伝えしました。
後編では、とんでもなく低単価な案件を避けるコツ、非常に質の悪い音声データ案件を避けるコツを扱います。
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メールアドレス:fukuhara.taichi@gmail.com
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