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想像して下さい。
あなたは求職者です。仕事を探しています。
あなたは40歳だとします。

あなたはある会社の「求人票」を見ています。
その会社の求人票に社員の平均年齢40歳とありました。「同じくらいの年齢がいた方がいいな」と思い入社しました。

「社員の平均年齢40歳」と書いてあればなんとなく「その前後の年齢の方が多いのでは」と思いますよね。

でも入社してみると、「同じくらいの年齢の人はいませんでした・・・」
分かりますね。

「平均」は、確かに全体を代表するような数値ではあるのですが、その数値(この場合「40歳」)が実在するとは限りません。

前述のように「社員の平均年齢40歳」とあれば、40歳前後の方が多い会社だろうなと思いがちです。

でも必ずしもそうはならない。

例えば(分かりやすいように)従業員「あ」「い」「う」の、「3人の会社」で考えます。どの会社も社員の平均年齢は40歳です。

    あ   い   う

A社 30歳 40歳 50歳 

B社 30歳 30歳 60歳

C社 20歳 50歳 50歳

D社 40歳 40歳 40歳

E社 25歳 25歳 70歳

A社:バランスが取れている感じがします

B社、C社:入社早々上下からの板挟みの中間管理職になりそうです(笑)

D社:会社と言うより、同窓会のノリになりそうですね。

E社:入社後すぐに、世代間の橋渡し的な役割に期待です


ユーモアを交えましたが同じ「平均年齢40歳」でも、まったく違った会社の雰囲気になるはずです。

ちなみにB社、C社、E社は、「40歳」はいません。

平均年齢40歳といっても、その数値が実在するとは限りません。

数字は、物事を説明、説得することに使われますが、見間違うと、物事の本質を見失います。

また言葉は悪いのですが、数字を使うと騙されやすくなります。数字の説得力は非常に強い。

違った数字の話をします。テレビCM、ネット広告などで顧客満足度「92.8%」といった数字を見かけることはありませんか。

すごく満足度の高い数字に見えます。でも、その調査がどうやって行われたかは分かりません。

通常は既存顧客へのアンケートです。
その対象者は「ヘビーユーザー」かもしれない。ヘビーユーザーなら、既に「ファン」です。逆に、ヘビーユーザーへのアンケートで約7%が満足度がないと言ったら、そっちの方が問題かもしれません。


それと、対象とした顧客やアンケートの実施状況にもよりますが、アンケートは、本当は「普通」と思っていても意外にも、評価を一段階上の「ちょっと高め」に書くことが多いのです。

目の前に担当者がいれば、忖度して、なお高めに書くでしょう。

分かりやすい例です。皆さんも経験あるでしょう。

何かの「研修会」を受講したとします。
研修会終了後に、アンケートが実施されます。

今日の研修会はいかがだったでしょうかみたいな感じです。

本音は普通と思っていても「とてもよい」か「まあまあよい」と〇をする方が多いはずです。

あまりよくない 悪いと答える人は研修内容がよほどひどくない限り、少数です。

聴講者の中には「もう帰らないといけないし」、面倒だから、アンケート用紙一番左側の

「とてもよい」ばかり、まる、まる、まるっ!と一気に「〇」をする方もいらっしゃいます。

白状します。僕もそれ、したことがあります( ̄▽ ̄;)!!ガーン

そういった状況で、よい集計結果が出てもその数字を、そのまま信じていいかどうかは分かりませんね。

数字は「その後ろ」にある状況までみないと見誤ります。


公使問わず、一つ一つの数字をしっかり見ていき、数字のウラにあるものを見極めましょう。

もっと言うと数字の後ろにいる「人」が、数字を使って何を有利に言おうとし、何を隠そうとしているのか。

本質を見極めながら、数字を見ていきましょうね。

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