'コウヤボウキ'の綿毛(種子)が風に揺れながら飛散する。'コウヤボウキ'ってどんな花なのかなぁ? 落葉低木だった❗️
日頃の散歩道ルートの山際のあちこちに群生している「コウヤボウキ」(高野箒)ですが、知っている様で知らない植物です。どんな植物でしょう? 一見すると草のようだけど、分類的には、「キク科コウヤボウキ属」落葉小低木なのだ。キク科に分類されて、「木本」に分類とは珍しい植物だ。
「コウヤボウキ」という名前は、かつて和歌山の高野山で本種の幹や枝を束にして箒を作ったことに由来する
弘法大師は人心を惑わす果樹や竹などの植栽を禁じていたので竹の代わりにこのコウヤボウキが使われていたそうです。正倉院の宝物の子日目利菷(ねのひのめとぎほうき)はコウヤボウキ(ニワクサ)を束ねて作った玉帚です。
「コウヤボウキ」の花期は9月から10月でその年に伸びた枝先にキク科特有の筒状になった白又は淡いピンクの小花が13輪ほど集まって一つの花序を形成する。開花から綿毛までの長い間楽しめる不思議で魅力的な植物だ。
咲き始めからの様子を見てみよう
2023年10月19日 蕾を見つける
頭花内の各花(小花)はまだまだですが冠毛が色付いて出ています
10月19日 一枝に咲き始めています
花糸の様に見える筒状は集約雄蕊です。これから変化していきます
小花の花弁は5裂してカールしています。
小花は13〜15個あります
10月23日 数日であっという間に咲き始める
花糸から先端がピンク色になってきている。集約雄蕊でしょうか
10月28日
面白い構造をしています。雄性先熟なのです❗️
花弁の先端は5裂して反り返っています。その中心基部から集約雄蕊が成長して伸びています。
集約雄蕊が伸びて雄蕊が花粉を放出する雄性期。その後、集約雄蕊の中の雌蕊が押し出されて柱頭も2裂し受粉活動の雌性期となる。
両生花です
構造
ピンク色の”集約ずい“が伸びています。
「集約ずい」とは
一つの花の中の、全部の雄蕊の葯の部分が合着して筒状になったもので、キク科植物に見られる
10月30 集約ずいの先端に花粉が押し出されている事がよくわかる
頭花は筒状花とも舌状花とも言いたくなるのですが筒状花の形態です。裂片は5裂だけど外から中心に切れ込みは深くなる。先端は渦巻状にカールしている。
この筒状花の小花が集まって形成している集合花。
小花は何個あるのか分解してみた
頭花を分解して筒状花を見てみると、小花が15個で形成されていたのにはびっくり‼️
小花を見ると赤紫の冠毛と基部から、合着していない部分の花糸は普通に見える。先端から下に葯が合着している感じです。
11月1日
ボツボツと集約ずいから雌蕊が押し出され始めています。先端は2裂している雌性期へ
雌蕊が押し出されているのが増えている
11月5日
あちこちに群生する「コウヤボウキ」もほとんど全開の様子です
雌蕊が殆ど覗いてきた
雌性期全開です
11月15日
開花もピークで、そろそろ散り始めるかなぁ
11月19日
雌蕊も黒ずんで雌性期も終わりです
11月19日
花弁も散り、果実の形成期に入ります
11月27日
12月1日
花弁も散り、'集約ずい'も落下して冠毛がびっしりです
12月1日
綿毛が徐々に開き始めます。痩果の成長です。
12月1日
冠毛(綿毛)が押し出されて丸くなりつつある。爽果が成長している?
12月17日
爽果がすっかり成長してきたかな モフモフ状態になってます
綿毛は白とピンクがある
12月23日
痩果が飛散し始めた。旅立ちです🎶🎶
爽果が飛散しています。 萼は暫く残ります
落下しています
爽果です。基部の膨らみ 部分に種子がある。
12月24日
枝を揺すると飛散します
2024年1月9日
あちこちの群生の'コウヤボウキ' 痩果が飛散しています
この様なピンクの綿毛も見納めです
採取していた痩果
以上
コウヤボウキの咲き始めから飛散までの様子です
例年よりも上出来でした
小さな花ですが、小花の開花は淡いピンクと白の取り合わせが美しい
花後の綿毛も花が咲いた雰囲気を醸し出す。
綿毛が散った後の総苞片も重なり合って美しい
落葉小低木ですが枝は3年で枯れてしまうとか?
又、葉っぱのつき方、葉の形に違いがあります
秘密が一杯の植物
自然に感謝です
木と草の違いは?
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https://www.shinrin-ringyou.com/topics/mokuhon_souhon.php
この様な山際に群生です
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