【現代麻雀への道】49 世界一高価な麻雀牌
人類史上最高レート接待麻雀
世界でもっとも高価な麻雀牌はどんなものだろう。
麻雀博物館にあった牌のうち、素材が高価なものには翡翠(ひすい)製や純金張りの牌がある。また、ラストエンペラーの宮殿で使われていた螺鈿細工(らでんざいく)の牌も有力だ。
しかし、そういった牌の上を行く本命の牌がある。それは「西太后(せいたいごう)の牌」である。
西太后(1835~1908)とは清朝末期に君臨した女帝のこと。そのパワフルな残酷さによって、中国史上でも女帝ワースト1位の座を争っている。
その西太后は麻雀が大好きだった。宮廷で毎日のように打っていたという。
それが恐ろしい麻雀だった。彼女は負けることが大嫌いだったから、アガった者はその場で頭を床に叩きつけながらお陀びの言葉を述べ、彼女から支払われたお金(まだ点棒は使われていなかった)を返さないと、無礼者ということで打ち首になった。
それなら最初からオリていればいいはずだが、対局者には一人ずつ監視者がついていた。わざとアガリを見送ったりしたら、イカサマを疑われてこれまた打ち首になった。そして無事(?)負けられた者には、支払った金額(もちろん超高レートだった)の10倍が払い戻されたという。つまり人類史上でも最高のハイリスク・ハイリターン接待麻雀だったのだ。
こんな麻雀で使われた牌だから、それは素晴らしいものだった。当時の歴史書によると「象牙製で精緻きわまりなく、鬼神が作ったと疑わせるほどであった」という。
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