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【アドゲー】踊りながら打つ男との再会【たそがれ麻雀放浪記】11月12日

数日前のこと、ダチとダンスの練習をして、そのあとコンビニで立ち飲みした。彼と別れて、ここで帰ればいいんだけど、こういうときってかならず麻雀を打ちたくなっちゃうんだわ。

麻雀を打ったら終電はなくなる。しゃーねー、ずっと打つよりはタクシーで帰った方がマシだよな。金もねーくせに、わざわざタクシーを使おうという。

考えてみたら1週間くらい麻雀してなかったわ。しょうがないよな。1週間も麻雀してなかったら、そりゃ打ちたくもなるだろ。

立ち飲みした場所が代々木なので、そこから新宿まで歩いて向かった。

今日は少しは馬鹿系じゃないルールにしよう。そういうわけで完全順位戦の「部室」に行った。

卓に入ったら、そこには、おお! 心の恋人がいるじゃねーか。すげー久しぶりだ。

10年近く前か、雀ゴロして金を稼ごうとしてたとき、この店に通っていた時期があった。そのころ、ときどき同卓していた。

その時期は、麻雀を打つたびにその様子や収支をブログに載せていた。当時、俺が彼につけていたコードネームは「踊りながら打つ男」だった。その「踊りながら打つ男」に5年以上ぶりに再会したのだった。

彼は俺の顔を覚えてないようだった。いーよいーよ。俺の顔なんて。覚えてもらうほどの顔じゃねーからさ。

彼のこと大好きなんだよな。外見はサモア人を少し汚くした感じ。つまり、だいぶ小汚い。小汚いというより大汚い。

より具体的には、こんな感じ↓。この人をもうちょい汚くして、年齢を3倍くらいにした感じか。

サモア人

けっこう歳がいってる。60代くらいか? うしゃうしゃしゃべる。見てくれはだいぶ冴えない。

なんかね、打牌するたびに小さくいろんな動作をするんだよね。手を耳に当ててみたい、こっちの目を見てみたり。その動作が変なので「踊りながら打つ男」なんだわ。

んで、ときどき面白いことを言う。「これから新大久保に帰るの?」とか。
なんで俺が新大久保に帰るんだよ( ̄w ̄)プッ そんな売春街に住んでるように見えるんか?

見てくれは汚いのに、麻雀の打ち方はきれいだ。俺みたいに鳴き散らしたアガり方はしない。比較的メンゼン系だし、リーチにごり押しもしない。古き良きクリーンな麻雀という感じ。俺の方がよっぽど小汚い麻雀を打ってる。

彼の美徳は、負けてるときも態度が悪くならないこと。当たり前のようでいて、これができる人ってものすごく少ない。この世の廃棄物処理場であるフリー雀荘では、たいていの人は負けてるときは態度が悪くなる。

彼はたとえ不調でも、ひょうきんな態度を崩さないんだよな。昔よく同卓して、見た目は冴えねーけど、心はきれいなオッサンだなと感心していたのだった。

そのオッサンのことが好きで好きでたまらない。彼はサモア人の外見に天使のハートを持ったオッサンなのだった。

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