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Mリーグ6/15 1回戦「東」場 コバゴーの字牌残しシステムは本当に正しいのか?

業界一詳しい観戦記です。たぶん今日だけですね。これをやってると、いくら書いても終わりませんわ。途方もねー(;^ω^)

ようやく開催にこぎつけたファイナル

ファイナルはわずか12戦の短期勝負だ。となると、各チームはエースを毎日くり出してくるんじゃないか。毎日、エース+誰かという組み合わせになる。実力的に劣る選手を出す余裕はない。1戦だけ出し、控室での応援団になってもらう。そんな風になるんじゃないか。

各チームのエースは、サクラナイツは沢崎。セガは魚谷と近藤。アベマズは多井。パイレーツは小林。実力的にもMリーグでの実績にしても、この人たちがエースだ。唯一セガだけはエースが2人いる。

さて、初日第1戦はどうだったかというと、3チームは予想通りエースだったけど、セガは茅森だった。唯一エースを2人抱えてるチームだというのに、初戦はエースじゃない。ほんとセガって何かにつけ予想を外してくる不思議なチームだよな。

冒頭のコバミサの挨拶では、出場選手はみなPCR検査を受けて、陰性の場合のみ出場できるとのこと。この態勢にはビックリした。厳格というか、よくPCR検査を受けられることになったというか。楽天で売ってる変なキットじゃないよね?

1回戦は小林×茅森×多井×沢崎の対戦となった。

東1局0本場 多井の小技が上手い

最初に目についたのは茅森のヤバイ一打だった。

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東1の3巡目、茅森はここから7s切り。マジかよ(;^ω^)

赤ドラある手で形もいい。見るからに勝負手だ。ここに一番引きたい牌って、7sを残してのツモ6s&8sじゃねーか? あとは3s5sと。そういうピンフへの変化を逃しちまったら立ち直れねーだろ。安全牌の南は不要だ。1mが安全牌になる。

こちらはコバゴーの手↓

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三色1シャンテンとなって、ドラが2枚浮いてる。コバゴーはここから赤5m切り。どっちが入りそうかといったらペン7pの方だから、ペン7m待ちの布石を作ろうってことじゃないか。赤5mとドラ5pの選択では、ドラはトイツになることもあるって話だと思う。

この手って、不満ない形である以上は5pか赤5mかどっちかを切ることになるよね。こういうとき、両方ともペンチャンを落としていき、ドラにくっつけようという方針は、ベストツモを消してしまう打ち方だ。赤5mに4mや6mをくっつけるより、ダイレクトに7mを引く方が速い。最初から遠回りを前提に考えちゃいかん。これ、言われてみるとわかるけど、実戦で迷わず選べるかといったら、けっこう難しい選択じゃないか。

茅森のその後↓

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7巡目に7mツモ切り。もう中盤だから安全を意識するのは悪くないけど、凡庸で狭い手の進め方になっちまったなー。チートイは消せないけど、南は2枚切れでチートイのために残してる牌でもない。こりゃアガリ率が低いはずだわ(;^ω^)

多井の手↓

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多井は、コバゴーの赤5m切りのあと、ここから安全牌の白切りが意外だった。いくらドラ2枚とはいえ、コバゴーが煮詰まってるわけだから、13sを切っていくかと思った。そんなに守備的でもないんだな。

コバゴーは7mのチーテンを取った↓

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場に2枚目の7mをチー。三色ドラ1のテンパイに取った。こういう当たり前に現実的なルートを取るのがコバゴーのいいところ。

解説のハギーは「しぶしぶですか」とゆーてたけど、打ち手ができるのはツモと場への対応だけ。意志なんていらない。メンゼンで仕上げたいとか、割り切って鳴くとか、余計な感情があるのは弱さの表出でしかないわ。麻雀の強者になるとは、意志なんてないシステムになることだ。・・・と俺は思うんだけどね。

ドラポンしてる多井の小技が上手い↓

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5mを持ってきて、わざわざ5mを手出し。アガリ率を少しでも高めようと考えたら、ツモ切りした方が良さそうだけど、どうせどの待ちだってアガりやすくはならない。ならば手出し回数を増やして、コバゴーを降ろそうという作戦だ。

しかも、1mが4枚切れなのに、2mじゃなく5mを切ってるんだよね。5mを切っても、筋の2mは終盤のション牌だから安全牌というわけではない。2mより5mを切った方が、怖さを演出する効果が大きく、他人の安全牌を増やさない。上手いよなー。こういう呼吸はマネできんわ。

その甲斐あって、コバゴーは次に持ってきた4mでオリ。実際、テンパってたら当たりの牌だ。適切なオリだと思う。

次の多井の変化↓

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多井は7pをアンコにして、5mを切ってテンパイした。この5mは4枚目。ここで2mを切ると、ション牌の2mを切ることにはなるけど、4枚目の5mは見せないことができる。

こういうとき、多井みたいな競技系の打ち手は2mをポンされたりしないように禁欲的に5mを切る。そして、沢崎のようなゴロ系の打ち手は、相手の読みをコントロールすることを意識して2mを切りそうな気がする。優劣は不明。

その結果、5mが4枚見えとなって、コバゴーは4mを押してテンパイを取った。こういう踏み込みはさすがだわ。シャボに受けるわけないという牌理の理解がないと切れない牌だ。すれすれの牌を通してノーテン罰符を得るのも勝負だもんね。

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