【現代麻雀への道】80 運の歴史
昔の人たちはどう考えていた?
麻雀で運という言葉が使われるとき、そこには一定の法則があって、コントロールできるものとして語られることが多い。
だが、これは最近の傾向にすぎないのだ。麻雀が日本に伝わる前から、中国では運をあやつるべしという戦術はあったけれども、それは運の法則を体系化したようなものではなかった。
中国の古い格言をいくつかあげてみよう。
・逆境のときは上家を牽制してチーするのもいい。
・対面がツイているときはその捨牌をポンしてみよ。
・順境のときはどこまでも高目を追求し、逆境のときは早めに手をまとめよ。
・ツキ始めた打ち手に打撃を与えよ。
どうだろう。見ての通り単純な内容だが、ツキの法則の原型はここにあるといえるのかもしれない。
しかし麻雀が日本に伝わってからは、運は人智の外として突き放され、運をあやつる方法が論じられることはなかったようだ。
昭和初期に天才といわれた天川義一が運三技七論を発表してから、運と技の割合はどれくらいなのか論争となった。これは運と技を別モノと考えていたから論争になったわけだ。
戦前から戦後にかけて第一人者の立場にあった川崎備寛はこう書いている。
順々に一個づつ自摸ってくる牌――それは牌を自摸るというよりも、運を自摸っているようなものである。
麻雀の根源は運だといっているわけだが、その先に法則があるという発想はな かったようだ。
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