謙虚は饒舌に勝る
老人が昔話ばっかするのって良くないよねえ。ほんと良くない。こういう閉じこもり気味のときこそ前を向こうぜ。
とは思うものの、昔話を思い出してしまう。今回もなぜか昨日思い出してしまった昔話だ。
26歳のとき、竹書房を編集職で受けた。当時はマスコミの編集というのはすげー人気職で、倍率が何十倍という世界だった。
俺はその2年前にいろんなマスコミ系を受けて全落ちして、以後はフリー雀荘バイトだけの生活を送っていた。
しかし、その年にできちゃった結婚して、相手の親にフリー雀荘バイトじゃいかん!と言われ、当時は麻雀以外のことはまったくできる気がしなかったので、麻雀の本を唯一出してる竹書房を受けたのだった。
筆記試験を通過して、最初の面接は受験者4人が並び、1人5分ずつ受け答えするみたいな形式だった。
最初の方の面接って、途方もない馬鹿がゴロゴロいる。そのときも俺の前の順番だったやつがそんな感じだった。
「ぼくは大学時代に何かを極めようと思いまして、かつ丼を極めることにしました。かつ丼についていろいろ調べて、日本で最初のかつ丼は~」みたいな話を明るくしゃべっていた。
(゚Д゚)ハァ?としか言いようがない内容。
本当にかつ丼に人生を捧げたいならかつ丼でもいいんだけど、そういう感じもせず、単なる思いつきっぽい。こういうわけわからんやつってゴロゴロいるんだわ。
のちに俺の上司になる取締役の宇佐美さんという人が、まったく興味なさそうに話を聞き、冷たく受け答えしていた。
俺は麻雀漫画の面白さを語ったな。今から思うと、当時の好みにはマイナー志向があった。「ノー爆」とか「ショーイチ」みたいな4番バッター的な漫画ではなく、「めとろがーる」とか「レート」みたいな6番バッターくらいの漫画を語ったわ。
面接が2回くらい、集団討論が1回だったかな、それを通過し、最終面接というのがあった。その会場が居酒屋だった。
飲み屋で面接ってどういうことなのか。会場は、新宿にある「どん底」って名前の、後に知ったけど、そこそこ有名な店だった。
当日、座る場所もとくに指定されず、単なる飲み会みたいな感じだった。最初は受験者7名と総務の人だけ。俺たちみんな合格ってこと?などと話ししていた。
偉い人たちが何人か来て、多少ばらけて座り、俺は移動して奥の方の狭いスペースに、営業部の管理職の方2人と一緒に座った。
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