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【映像クリティカルリスニング】#16 ~相鉄グループ 「父と娘の風景」~

第16回、今回はこちら

なんていい広告なんでしょう…。

こちらの作品、フランスのカンヌで開催された世界最大規模の広告祭「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2023」で、「Film Craft」部門で2つの金賞と銅賞を、また「Digital Craft」部門で銅賞を受賞してるそうです。
凄いですね、受賞も納得の作品ですが。

音としてはシンプルで、音のエンジニアのNoteとしては語ることは少なめになりますが、めちゃくちゃ好きな広告で素晴らしい作品だと思うので、紹介も兼ねて書かせていただきます。

まず、このCMの予算が知りたいです…笑
めちゃくちゃお金かかってるのだけはわかりますが笑

最初は「そもそも撮影どうなっなんだ…?」と思いました。
是非メイキング見てみてください。
ここまで見応えのあるメイキングは正直あまりないです。

メイキングはこちら

メイキングを見るの、これまたさらに「凄えな…」と。
撮影も当然ながら、これのテスト撮影とかヤバいだろうな…と。

音のことを少しだけ。
まず、電車の走行音、そしてアナウンス、会話、音楽と繋がっていきますが、それぞれの乗り替わり方がとても上手いですよね、
ワンカット企画の本作において、フェードはかなりシビアなところ。
特にアナウンスの落とし方、冒頭のセリフのやり取りなど、アナウンスを聞いてて、気づいたときには台詞に、そしてまた気付いたときには、音楽にとすごく自然に繋がれてて、これは上手いなーと思いました。
また、台詞の空気感や、効果や音楽とのバランスも絶妙だなと思いました。
メイキングを見ると、撮影時カウントが入ってるのと、本物のオダギリさんは当然1人なので、アフレコによる吹き替えをしてるものだと思いますし、実際には電車はセットなので音は効果によるものですが、馴染ませ方や空気感の作り方、生っぽさなど、見事にアフレコを感じさせない音作りですごいなと思いました。

映像内の音楽は、PUNPEEハナレグミとのコラボレーションによるもの。
PUNPEEの『タイムマシーンにのって』に、ハナレグミの代表曲『家族の風景』がサンプリングされたもので、ボーカルも再録されてるものだそうです。
めちゃくちゃ沁みますし、映像と合わさると、歌詞だったりボーカルだったりが、描いてないところまで、2人の背景が見えてくる感じで、泣けますね…。

そのほかにもこちらから詳細見れるのでよかったらどうぞ。

改めて、最高です。
今回もご拝読ありがとうございました。

ではまた明日。

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