ゲームの歴史(作:AI).第1章:それは「ファスコン」と「ゲームイノベーション」から始まった

<目次


・1973年

◆発売したゲームハード
・ファーストコンソール(TheFirstConsole)
7月4日にGame Console Inc.より発売された据え置きゲーム機。
8-bitCPU搭載でモノクログラフィック、テーブルトップタイプ。
日本では略してファスコンと呼ばれることが多い。

◆主なゲームソフト
・『銀河の冒険』(原題:Galactic Adventures)
Cosmicsoftが10月17日に発売したファーストコンソール用ゲームソフト。スペースシューティングゲーム。
宇宙を舞台にしたスペースシューティング。プレイヤーは宇宙船のパイロットとなり、敵基地の破壊や惑星の占領などを目的とする。
自機には2種類のタイプがあり、
1つは「戦闘機」で、これは前方と左右に設置された4つのロケットエンジンに点火し、機体を前方に加速させる。
もう1つが「攻撃機」で、こちらは後方に3つ設置されたロケットエンジンによって加速する。
2種類のタイプの使い分けがこのゲームの要となる。
まず「戦闘機」についてだが、これは前方から迫る敵機を攻撃することに特化した機種である。そのため、後方へ回り込もうとしてくる敵機に対しては弱い。しかし、その分攻撃力は高く、接近戦においては無敵の強さを誇る。
一方「攻撃機」は後方から迫ってくる敵機への攻撃に特化した機種であり、その火力は高いものの、攻撃力そのものは「戦闘機」より劣る。その代わり防御力に優れており、またミサイル発射管を備えているため遠距離攻撃も可能となっている。この2種類を使い分けることにより、戦闘スタイルに応じた戦略性が生まれることになる。
ステージ開始前に、各プレイヤーに5機の戦闘機が与えられる(最大10機まで保有可能)。そして、ステージクリア時に最も多くの残機を残していたプレイヤーが勝者となる。
ゲームは基本的に宇宙空間が舞台となっており、時折出現する隕石を避けながら進むことになる。

◆主なゲームニュース
・この年にゲームイノベーション賞(TheGameInnovationAward)が開催される。
この賞はゲーム業界において斬新なアイデアや技術、革新的なゲーム体験などを提供したゲームソフトに与えられるもので
その中でも最優秀ゲーム賞受賞は大変名誉がある。
本記録にて主なゲームソフトで挙げられているソフトは全てその年に最優秀ゲーム賞を受賞しているタイトルである。


・1974年

◆主なゲームソフト
・『トンネルランナー』(原題:Tunnel Runners)
Hyperion Gamesが発売したアーケードゲーム。稼働年は1974年。
横スクロールシューティング。全6面構成で、各ステージには3つのチェックポイントがある。自機の残機制とライフ制を組み合わせた独特のシステムを持つ。
ストーリーとしては、地底深くに封印された悪しき魔女を倒すため、主人公が地上から地下へ続く穴を降りていくというもので、ゲーム自体はその道中を進むというシンプルなもの。
敵もそれほど強くはなく、初心者でも比較的簡単にクリアできる難易度となっている。ただし、2周目以降になると、敵の数が増えてかなり難しくなる。
また、コンティニュー機能は存在しないため、ゲームオーバーになったらその時点で終わりとなる。そのため、途中でゲームオーバーになってもすぐに再開することはできない。
特徴・評価点 シンプルかつオーソドックスな作りのゲームであり、非常に完成度が高い。特にグラフィックやサウンドの質が高く、当時としてはかなりの高品質な仕上がりになっている。


・1975年

◆主なゲームソフト
・『ファンタジーQ:王国の秘宝を求めて』(原題:FantasyQuest)
DreamWeaversが1月28日に発売したファーストコンソール用ゲームソフト。RPGゲーム。
アメイジング・ファンタジーの金字塔。
それまでのコンピューターRPGの概念を覆す、独特のゲームシステムで話題を呼んだ作品。
後に様々な派生作品が製作されており、現在も多くのファンに愛されている名作である。
戦闘システムにターン制バトルを導入している。
行動順はキャラ毎に固定で変更不可。ただし魔法やアイテムの使用には制限がない。

◆主なゲームニュース
・『Black Maze』(日本未発売のTheFirstConsole用ゲームソフト)という迷路ゲームで、ある条件を満たすと迷路内に謎のオブジェクトが出現するという都市伝説が生まれた。
そのオブジェクトに触れると、開発者のメッセージが表示されるという噂だったが後に開発者が否定。


・1976年

◆主なゲームソフト
・『ロボット大暴走』(原題:Robot Rampage)
Techtronicsが発売したファーストコンソール用ゲームソフト。発売年は1976年。アクションゲーム。
The Adventures of Robot Hexenシリーズの一作目で、全三部作の第1部となる作品。
(日本ではロボットヘクソンシリーズとして二作目まで販売された。)
主人公は宇宙から地球に落下した謎のロボット。彼は地球に降り立ち、人間達と接触する。
横スクロール型のアクション・ゲーム。プレイヤーは宇宙船を操作して地表を移動し、次々と現れる敵をやっつけていく。
ステージの各所にはスターシップと呼ばれる乗り物があり、これに乗り込む事で新たなエリアに行けるようになる。
操作体系はレバーとボタン併用式。ジャンプとショットは同時押しで行う。攻撃ボタンを押している間は自動連射される。レバー入力方向によって向きが変わる。
レバーを倒すと前進する。ただしこの状態でジャンプボタンを押すとその場でジャンプできる(足場のない空中では不可)。またレバーを右に入れると右旋回、左に入れると左旋回ができる。


・1977年

◆発売したゲームハード
・カラーマスター(Color Master)
9月13日にリバーサイドゲームズより発売された据え置きゲーム機。
16-bitCPU搭載でカラーグラフィックでの表示が可能。コントローラーはリムーバブルコントローラー。

・ポケットゲーム(Pocket Game Console)
11月25日にPocket Gaming Co.より発売された世界初の携帯ゲーム機。
4-bitCPU搭載でモノクログラフィック。

◆主なゲームソフト
・『失われた王国』(原題:The Lost Kingdom)
AdventureWorksが発売したカラーマスター用ゲームソフト。発売年は1977年。アドベンチャーゲーム。
16bit機であるカラーマスターの性能を最大限に活かしたグラフィック、サウンドが売りのゲームである。グラフィックの美しさに定評があり、当時としては珍しい疑似3Dで描かれたダンジョンやキャラクターなどが話題を呼んだ。
また、当時珍しかった16ビット機によるハイレゾリューションサウンドも話題となり、後に発売されたゲームに大きな影響を与えている。


・1978年

◆主なゲームソフト
・『進め!潜水艦オディシー』(原題:Underwater Odyssey)
SeaSoftが発売したカラーマスター用ゲームソフト。発売年は1978年。シミュレーションゲーム。
潜水艦の艦長となって、敵艦や味方艦隊を撃破していくゲームである。このゲームの特徴の一つとして、潜水艦を撃沈されると、乗組員と装備が全て海中へと消えてしまう点が挙げられる。これにより、潜水艦という兵器の持つ「隠密性」と「静粛性」を最大限に発揮することができるようになっている。また、潜水艦の搭乗員は全て志願兵で構成しなければならず、軍紀も非常に厳しいものとなっている。
舞台は1942年。ドイツ軍はイタリア半島に上陸作戦を敢行した。その目的はイタリア半島の制圧ではなく、北アフリカへの補給線を確立するためであった。連合国にとってそれは許されざることであった。そこで連合国は、枢軸国に対し宣戦を布告すると同時に、地中海へ進撃してくるであろうドイツ艦隊に対して大規模な攻撃作戦を実施することを決意したのである。
余談ではあるが日本でのみ潜水艦の名前が「オディシー」となっているがこれは翻訳の手違いによるもの。

◆主なゲームニュース
・アーケードゲーム『GalacticInvaders』が大ヒットし、世界的なアーケードゲームセンターブームを巻き起こす。
1978年に稼働開始したアーケードゲーム『Galactic Invaders』は、宇宙を舞台にしたシューティングゲームであり、プレイヤーは宇宙船を操作して敵を倒していくという内容だった。当時のテクノロジーの限界を超えるビジュアルと、簡単な操作性が評価され、アメリカを始めとする世界中で人気を博した。このゲームの成功により、ゲーム産業が急成長するきっかけとなった。また、ゲームの成功により、多数のクローン製品や二次創作物が発売され、アーケードゲームブームをさらに加速させた。


・1979年

◆主なゲームソフト
・『スカイハイ』(英題:Sky High)
弓道社が12月29日に発売したPocketGameConsole用ゲームソフト。ステージ制作ゲーム。
世界で初めて「ステージを作る」ことを目的としたゲーム。そのため、ゲーム中に登場する様々な地形や建造物は全てプレイヤーが作り出すことになる。
プレイヤーの作ったステージを他のプレイヤーに評価してもらうというシステムも当時としては画期的だった。評価によってステージのランクが決まり、それによって報酬を得ることが出来たため、プレイヤーは競うようにステージを作り続けた。
ステージの制作・管理画面は非常にシンプルなもので、マップとステージビューしか無い。この二つの画面でステージ内のオブジェクトを操作したり、敵キャラを配置して敵を撃退したりする。

◆主なゲームニュース
・『永久の城』(英題:EternalCastle)というアドベンチャーゲームのエンディングに、プレイヤーが「現実世界に戻る」シーンがあるという都市伝説が流れた。このシーンには、現実世界に帰還したプレイヤーの姿が映し出されるというもので、このシーンを見た若いプレイヤーたちの中にはゲーム内の世界こそ現実の世界であると信じる者がいたとされる。


・1980年

◆発売したゲームハード
・ポケットマスター(TravelGame)
6月22日にリバーサイドゲームズより発売された据え置きゲーム機。
8-bitCPU搭載で色は少な目ながらカラーグラフィック表示が可能。

◆主なゲームソフト
・『怪物の出る扉』(原題:Monster Mash)
TerrorTechが8月15日に発売したカラーマスター用ゲームソフト。ホラーアクションゲーム。
TerrorTechから発売された初のコンシューマーゲームであり、同ブランドのゲームとしては2作目にあたる作品。前作同様ジャンルはホラーアクションゲームで、全7ステージ構成となっている。
プレイヤーは主人公「マージ」を操作して、襲いかかる怪物たちを倒しながら最深部にある「魔の扉」を目指す。ステージ内には様々なアイテムが配置されており、それを拾って使用することで攻略の助けとなる。
TerrorTechといえば『Smashing Fantasy』シリーズといった名作シューティングを数多く発売しているメーカーだが、本作はそのどちらとも違う毛色の作品に仕上がっている。
まず第一に、グラフィックが非常に美麗である点が挙げられるだろう。当時レベルで超絶技巧的な背景描写や、それに合わせたキャラクターのモーションなどは、まさに神懸かり的と言っていいほどのクオリティを誇る。
第二に、このゲームにはいわゆるボス戦が存在しないという点があげられる。道中にいる雑魚敵もすべて倒さないと先に進めない仕様となっており、非常にやりごたえのある作りになっているのだ。
第三に、本作は従来のシューティングのようにボタン連打によるゴリ押しプレイではなく、しっかり考えながらプレイするタイプのゲームとなっている。

◆主なゲームニュース
・アーケードゲーム『Ninja if』にて全身にペイントをして忍者のような格好をしてプレイするという現象が一部で見られるようになった。
このゲームは、忍者同士の戦いをテーマにしており、プレイヤーは自分の忍者を操作して、敵忍者と戦うことができる。ゲームの特徴は、リアルな忍者の動きや戦闘システムが非常に詳細に再現されていることである。
この時代はゲーム情報の共有や交流はアーケード店での実際の対戦が主流でした。
そこで、あるアーケード店で『Ninja if』の上手なプレイヤーたちが、自分たちで考案した「忍者スタイル」と呼ばれるプレイスタイルを展開していました。
忍者スタイルは、プレイヤーが全身にペイントをして忍者のような格好をし、ゲームをプレイするスタイルでした。プレイヤーたちは、ゲームに登場する忍者キャラクターのように敵をかわしたり、攻撃したりする姿勢をとり、周りの客たちから注目を浴びていました。
忍者スタイルは、当時の若者たちの間で話題となり、他のアーケード店でも広がっていきました。忍者スタイルをとるプレイヤーたちが増えるにつれて、アーケード店側もそれを受け入れるようになり、忍者スタイル専用のプレイスペースを設ける店も現れるようになりました。
しかし、ゲーム以外の部分が注目されることをゲーム会社はあまりよく思わなかった為
この流行はゲーム会社側から禁止となり、公式なルールブックにも明記されることとなった。


・1981年

◆発売したゲームハード
VirtualWorld(日本未発売)
12月9日にHelixPackInteractiveより発売された据え置きゲーム機。
当時としては異例の32-bitCPU搭載で世界初VRヘッドセット内蔵のゲーム機。
精度は高くないがコントローラーにモーション機能が搭載されていた。

◆主なゲームソフト
・『レーザーリーグ』(原題:Laser League)
BluenixEntertainmentが3月9日に発売したポケットマスター用ゲームソフト。シューティングゲーム。
同社のアーケードゲーム第1弾として発売されたゲームの移植版で、当時としては画期的なゲームシステムを搭載していた。
システムとしては、プレイヤーが戦闘機に乗り込んで敵機を撃墜する、オーソドックスな内容である。
最大の特徴として、このゲームでは自機を上下左右に傾ける事によって進行方向を変えられるというものがある。
これは、当時の一般的なシューティングゲームには無く、斬新なシステムであると好評。


・1982年

◆主なゲームソフト
・『Treasure Hunt』(日本未発売)
HelixPackInteractiveが9月27日に発売したVirtualWorld用ゲームソフト。
VRを使用したアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは宝探し屋となって、世界中の様々な遺跡やダンジョンを探索し、財宝を探し出すのが目的のゲームである。また、ゲーム内に登場するモンスターを倒すことで経験値を得てレベルを上げていくことができる。
ゲーム自体はオーソドックスな3DダンジョンRPGだが、このゲームの特徴は「宝箱に擬態したモンスター」の存在だろう。一見すると普通の木箱にしか見えないそれはプレイヤーが近づくと蓋が開き中からモンスターが現れるという仕掛けになっている。そしてプレイヤーたちはその罠を避けつつ、隠されたお宝を見つけ出していくことになる。


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※上記ページに記載されている内容はフィクションです。実在のゲームソフト、ゲーム機、人物と同名もしくは近しい名前がある可能性は十分ありますが、実在の情報と無関係です。
※『』で囲んでいるものはゲームソフトの名称になります。


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