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FUJIFILM機では基本的にオートホワイトバランス

私がFUJIFILMのカメラで撮影する際、ホワイトバランス(以下、WB)は基本的に「オート」(以下、AWB=オートホワイトバランス)に設定しています。
本来なら「晴天」「曇天」「蛍光灯」など光源に応じて手動で切り替えるか、色温度(K=ケルビン)で微調整するもの。
そこまでしなくても、JPEG撮って出しで「心地いい色」に仕上がります。

なぜFUJIFILMでは基本AWBなのか?
どのメーカーも同じと思いきや、FUJIFILMだけは一線を画した色づくりの一つではあるのですが…
今回は知られているのか?知られていないのか?わかりませんが、FUJIFILMのAWBについて紹介します。

このお話は、「CP+2019」におけるFUJIFILM開発者のトークショーの内容をもとにまとめています。
情報が古いかもしれませんので、あくまで参考程度まで。

ちなみにこのトークショー、富士フイルムユーザーにはお馴染みの上野隆さんが登壇されました。

カメラにおける「ホワイトバランス」とは

人間の"目"は、天候や照明下など環境に関係なく「白い物があれば白色」と認識するスゴい能力があると言われています。しかし、デジタルカメラにはそういう能力はありません。それを設定するのが「ホワイトバランス」(WB)です。

外では天候(晴れ・曇・日陰)、室内では光源(蛍光灯・電球・水銀灯など)によって白みが異なるのですが、それをカメラが自動的に判断するのが「オートホワイトバランス」(以下、AWB)です。

一般的なAWB
CP+2019「富士フイルムの色づくり」スライドを元に作成

上の図は、一般的なAWBの仕組みを表したもの。
カメラが自動的にAWBのモードを選ぶのですが、例えば「この晴れの明るさなら晴れ晴天モード」というように選びます。
これは、人間が「これは晴れだな」と判断して「晴天モード」を選ぶのと同じです。
更に言えば、ほとんどのカメラについている「K」(ケルビン)のモードに設定し、更にで微調整して本来の色に近づけるという操作も必要でした。

とはいえ、カメラマンとしてはこういう感覚が必要だと思うんですけどね。

他社とは一線を画す、FUJIFILMのAWB

FUJIFILMは社名の通りフィルムメーカーではありますが、写真プリントのシステムも展開しています。その名は「デジタルミニラボシステム」。
そのデジタルミニラボシステムでは、写真によって最適なWBを自動設定する研究を続けてきたそうなのです。

CP+2019「富士フイルムの色づくり」より
ホワイトバランスの紹介

デジタルミニラボシステムの製品「Frontier」に搭載のAWB機能をベースに搭載されたのが、Xシリーズ / GFXシリーズのAWBだというのです。
当時聞いた時はビックリしたのですが、「コレはスゴい!」と思ったものでした。

FUJIFILMのAWB
CP+2019「富士フイルムの色づくり」スライドを元に作成

基本はAWB、必要に応じてWBシフト

メーカー推奨はAWBではありますが、必要に応じてケルビンの調整、更にはWBシフトも使用することがあります。

X-E4のWBシフト
中心を境に、左右方向が赤(R)、上下方向が青(B)
画面は機種によって違うが、機能そのものはどの機種も同じ

最近のカメラには「WBシフト」という機能がありますが、これも色味を微調整するための要素。
メーカーにより異なるので一概には言えませんが、FUJIFILMの場合はWBシフトで微調整しても色の設定を最適化してくれます。

これが、FUJIFILMは唯一無二の色づくり。
他メーカーとはそう簡単に比較するものではない、ということです。
これだけではありませんが、X/GFXシリーズの色づくりの仕組みを知ると、写真がますます面白くなるのではないかと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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