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ヒーローズジャーニー3 アクティビスト編

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感情とニーズに開かれた「弱い活動家」の道を実践探求するレポ。 アイデンティティの獲得は続く。
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2024年5月の記事一覧

俺だけのものじゃない

俺だけのものじゃない

相棒が、ある小説家の人のインタビュー記事を送ってくれた。
ぼろぼろ涙が出て、嗚咽が漏れた。

歴史的文化的な、多くの人が抱える痛みを題材に書く人だった。

インタビューを読んでいると、抑圧されて地下に渦巻くマグマが、その人という一点から、物語の形をとってこの世界に返されていく映像が見えた。

俺もまた、その一点だ。この人と同じことをやるのだ、と直感した。

俺のストーリーテリングが小説なのかしゃべ

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おれは、弱い活動家

おれは、弱い活動家

自分は全然、全っ然、活動家には向いてないと思った。

最近、身近なところでトランスヘイトの案件に関わることになり、1日で心身が悲鳴を上げた。
他のアクティビストの人たちが、すごいスピードと熱量で声を上げ、情報を集め、戦略を練り、論理を組み立てる横で、俺は動かない頭と痛む体で呆然とその様を眺めていた。どうにかついて行こうとしたけれど、知識量もノウハウもスピードもタフネスも、全然及ばなかった。

この

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自分のかたちを探る旅

自分のかたちを探る旅

何度目かの、アイデンティティの獲得の旅の道中にいるらしい。と気がついた。

今までも何度かやってきたことだが、旅はしたって旅の行き先も道もいつも違うから、いつだってすんなりは行かないし、それが旅の道中だとも途中で気づく。今回も、また。

今まではふたつの旅があった。

①セクシュアリティ ー性的マイノリティの一員であり、「トランスジェンダー男性/パンセクシュアル」であるという現在の認識に一致感を得

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生きるための、生き延びるための文章

生きるための、生き延びるための文章

そういえば、俺は今までしばしば生きるために、生き延びるために書いてきた。

どうしようもなく苦しい時、それを自分の内側ではどうしても留めておくことができなくて、誰にも見られないノートに、ネットの隅っこに、SNSに、書いて書いてきた。
書かないと、吐き出さないと、世界のどこかに「確かにこの思いがある」と残し
ておかないと、生き延びられなかった。

なんでそうしたいのかはよくわからない。
でも、留めて

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灯を守る

灯を守る

凄まじく調子が悪い。
めちゃ身近なところでトランスヘイトの対策案件に関わっており、その動向を見ているだけでものすごく鬱っぽくなってしまった。

全然最前線にいるというわけではないのに、集中力がなくなり、思考ができなくなり、体は硬く緊張して解けない。思考はそのことに引っ張られて、自分の体に自分がいないみたいな感じがする。
被差別とは、こういうことなのだ。暮らしが削り取られていく。

けれど、今後の講

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