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宇宙の砂浜

今から17年ほど前、まだ世界と自分の距離が近かったころ、ノリでタイへ初の単身旅行をした。

バンコクから長距離夜行バスに乗り、そこから船でパンガン島へ。

着くとすぐにレンタバイクで島内一周。

そして、細かい砂地に車輪を取られド派手に転倒。右半身、血だらけになり、海に入ることはおろか、激しく動くことも儘ならない状態に。

毎日、ぶらぶらしながら読書をしていたら、同じようにぶらぶらしながら読書をしている日本人と友達になった。

ある夜、彼の宿泊先であるサンセットビーチへ。

真っ暗な夜道を2人で歩き進むと、突然開けた場所に出た。

漆黒の中に浮かび上がる白い砂浜。上を見上げるとあまねく満天の星空。砂浜の白地の淡さと相まってどこからが空の始まりか、どこからが地平の始まりなのか全くわからない。

「星降る」なんて言葉じゃ物足りないほどの致景。

今、自分がいる場所は確実に、宇宙の一部なんだ。そう思わずにはいられないほど美しい夜だった。





もし、気に入っていただけたら心強いです。ますます変態的に調べ、研究しまくれるようになります。