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LayerXがブロックチェーンの会社をやめてから、1年たちました、という話

どうも、すべての経済活動をデジタル化したい、福島です。

ちょうど約1年前、こんな記事を書いてました。(まだ1年前なのか…)
この1年LayerXがどうだったか、今後どうなっていくのかについて書きたいと思います。

結論、ピボットはうまくいき、法人カードの提供をもっていよいよLayerXが当初やりたかった世界が近づいてきています。

LayerXはこの1年しっかりとSaaS, Fintech, PrivacyTechの会社として事業を続けてきました。そんな中で確実に面白いチャンス、1年前では描けなかったような世界が見えてきています。今とても楽しいタイミングです。

LayerXでは先日法人カードのローンチをし、いよいよ当時考えていた「プログラマブルなお金を業務に組み込み、経済活動をデジタル化していく」という本当にやりたかったことに近づいています。

あれから1年どうだったの?

1年前ちょうどこんなグラフをだしました。

「LayerXはブロックチェーンの会社じゃありません、という話」より

導入企業様の数はこの半年で10倍超の成長となっています。加えてより本質的な価値である、月次での請求書処理枚数や処理金額の合計(GMV)は20倍超の成長となっております。

まだリリースまもないプロダクトでありますが、非常に手応えを感じています。(おそらく) このフェーズの国内SaaS事業の中ではトップクラスといえる成長速度になっているのではないかと思います。

また実際のご利用実態でも、まだ正式リリースから半年ではあるものの解約/チャーンがゼロとなっています。その上で契約企業様は「必ず」請求書読み取りを活用してくれていまして、幽霊契約のような状態がないというのも自信につながっています。しっかり業務フローにのってご利用いただいているということです。

「LayerXはブロックチェーンの会社じゃありません、という話」より

あれから1年後どうなったのでしょう。

ARR(年間経常収益), 月次での請求書処理枚数や処理金額の合計(GMVあらため、TPV(Total Payment Volume))はそれぞれが1年で10倍以上の成長をしています。

昨年からのYonYでの成長は10倍超

解約率でいくと、レベニューベースで見たGross Churn Rate(月次解約率)は0.1%以下, 既存顧客の売上を前年比で維持できているかを計る指標であるNRRは130を超えています。非常に高い満足度を誇っている状態といえるでしょう。

成長速度でいうと、日本のSaaSビジネスの歴史上で最も速い速度で成長する事業になっています。しかし我々はそこで満足していません。今後はSaaSのみでなく、法人カードを中心としたFintechの領域も強化していくことで、通常のSaaS企業では持ちえないポジショニングを築いていきます。そうすることで、単品のSaaSではなし得なかった利便性をお客様に提供することができます。

これからのビジョンは?

今日のメインの話です。

LayerXではピボット前から、創業から一貫して「お金/価値がうごく業務をデジタル化する」ということに取り組んでいます。それが今の事業である「BtoB取引のデジタル化(バクラク)」「証券・資産流動化のデジタル化(三井物産デジタル・アセットマネジメント)」「privacy techを活用した企業間データ共有の活性化(Anonify)」という3事業につながっています。

そして本日は「プログラマブルマネーで変わる、SaaSの世界」という話をしたいと思います。そして法人カードの事業がいかに、バクラクを便利にしていくかについて話せればと思います

プログラマブルマネーで変わる、SaaSの世界

突然ですが、プログラマブルマネーとはなんでしょう。

2020年頃からLayerXが提唱している概念で、「ソフトウェアに簡単に組み込め」て、「ソフトウェアで起こるイベントをトリガーにお金をプログラムで動かせる仕組み」のことです。(日銀のペーパーでも「プログラマブルマネー」という単語が言及されるようになり、我々が提唱後、少なくとも決済の世界では非常に一般化した概念になったと思います)

一方で、決済のシステムは重く、改修も難しいです。結果的に、「プログラマブルマネー」という概念は未だ実現に至っていません。

LayerXが提供する「バクラクビジネスカード」は、実はSaaSにとってのプログラマブルマネーを実現するということを目的としています。(カードと聞いた時に、一般的にイメージされるような「与信」に強みをおいたビジネスではないということです)

例を上げてみましょう。

法人カードで実現するプログラマブルマネー

バクラクビジネスカードのユースケースとしてこんな例があります。

例えば出張が多い社員に限度額0のロックされたカードを配ります。(この時点ではカードを持っていても決済できません)

実際に出張する際、申請をあげてもらいます。その申請が承認されたら、カードのロックを外し、申請に合わせて利用金額を設定します。また仮に出張先でカードを紛失などした際はすぐにカードをロックできます。

そのカードで決済されると、明細がリアルタイムで反映され、経理はその情報をもとに仕訳をすぐ切ることができます。

こうすることで煩わしい経費精算をそもそも根本からなくすことができます。経理や管理側からすると、従業員にカードを渡すのは統制の観点でハードルが高いのですが、申請に合わせた制御を提供することで安心して従業員に渡せます。

カードを配りたいけど、配れない…

このように単なる決済手段を提供するのではなく、SaaSのソフトウェアに組み込まれた、実業務にあわせた自動制御を提供するということが、バクラクビジネスカードで実現していきたいことです。

バクラクが目指す購買の自動化

バクラクでは、法人カードを皮切りに、「購買自動化」の世界を目指していきます。どういうことでしょう。ここでは先程と同様にイメージのしやすい「出張」を例にあげます。

皆さんは出張をするとき、どんな行動をするでしょうか。申請を上げるために、まず様々なサイトで情報を比較するはずです。飛行機代、宿 etc

そして買うものを決めた後、申請を上げ、承認されたら購入し、出張後、立替精算するといった流れでしょうか。

バクラクで実現したい世界は、「行きたい」という情報を設定すれば自動で合理的な購買をしてくれる世界です。


旅費申請で必要な情報を申請をあげたら、バクラクが自動で条件にあったものを探してきます。そして承認されたらそれが決済され自動でデータが連携されるというものです。


こうすることで従業員があれこれ検索する時間を削減しつつ、経費精算の負荷もなくなります。経理や承認者の方も、「本当にこれがリーズナブルな購買なのだろうか」と悩むことがなくなります。その購買自体がリーズナブルであることをデータやアルゴリズムが保証してくれるので承認の負荷がさがりますし、何より企業全体でコストが合理化されます。

バクラクにはありとあらゆる企業の購買データがあつまってきますので、「この会社は電気代が高いな」「この会社のPCの調達はもっと合理化できそう」など購買の自動化に役立つ情報のハブになります。そのデータをお客様の購買活動により還元し生かす形を作りたいと思っています。

最後に

バクラクで目指している世界は壮大です。
今回法人カードを提供できたことでようやくその大きな世界の入口にたつ事ができたと感じます。

SaaS企業の一歩先を作りたい方、お金がプログラムで動くことではじまるDXに興味がある方、最高のエンジニア陣とtoB向けに最高の体験を作りたい方。いろんな仲間が必要です。(法人カードの反響が凄まじく、現在私が営業対応している状態ですので、すぐに働ける!という方も大募集中です笑)

興味を持った方はぜひ一度カジュアルにご連絡いただければと思います。社員や人事チームと話すことでより会社のカルチャーなどが知れると思います。

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