死者数比較で見える自粛のメリット

自粛のメリットを不謹慎ですが死者数から導き出してみました。
新型コロナウイルスの死者数の方が自粛による経済の悪化で増加する推定自殺者数より多いと考えられます。


新型コロナウイルスによる推計死者数

対策をとらない場合40万人死亡
厚労省クラスター対策班
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58067590V10C20A4CE0000/

ドイツの新型コロナウイルス流行地域のデータをもとにすると、最悪7万人の死者(どれくらいの対策を取っているかは不明)
元論文のwiki
https://de.wikipedia.org/wiki/COVID-19_Case-Cluster-Study
解説ブログ
https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/4330/

ドイツのHeinsberg郡で新型コロナウイルスによる集団感染が確認されています。
感染率は約15%になり致死率は約0.37%です
日本の人口は1億2650万人程度、ドイツの流行地域のデータをはめ込んで計算してみます。
1億2650万人 ✕ 15% =1897万5000人
日本中が新型コロナウイルス感染流行地域になったと仮定すると、日本では1897万5000人が感染することになります。

1897万5000人 ✕ 致死率0.37% =7万0208人

日本全体をドイツの新型コロナウイルス感染流行地域と同じ条件であったと仮定して、導かれる死亡者数は約7万人になります。


新型コロナウイルスによる推計死者数はいろいろ説はありますが、7万人~40万人と仮定します。


自殺者数の推計

2019(R1)の自殺者数は20,169人です。10万人あたりの自殺者数は16.0人
https://www.mhlw.go.jp/content/R1kakutei-01.pdf

1929年の大恐慌による経済状況の悪化による自殺者数は増加

経済の悪化に関して考える上で、1929年の大恐慌による経済状況の悪化による自殺者の増加に関して研究がありました
https://www.pnas.org/content/106/41/17290.long

アメリカの自殺死亡率は、1921年、1932年、1938年の最も不景気な年に、失業とともにピークに達しました。
アメリカの人口10万人あたりの自殺率 1921年,12人 1932年,17人 1938年,16人

一方、日本の人口10万人あたりの自殺率1921年,20.0人 1932年,22.2人 1938年,17.2人
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%AE%BA
日本では1929年の大恐慌の影響は微増すぎてわかりません。

1929年の大恐慌でアメリカにおいて経済状況の悪化による自殺者の増加はあることがわかります


リーマンショックでの自殺者数は全体では減少傾向、生活問題では約1000人増加


ここで経済状況の悪化の代名詞ともいえる日本のリーマンショックでの自殺者が増加しているか調べてみました。

厚生労働省の自殺者数の推移を見る限り
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/16/dl/1-01.pdf
2003年 34,427人から下がって2008年 32,845人 2009年 32,249人となり、そこからも減少傾向でリーマンショックによって自殺者が大幅に増加したとは読み取れません。

詳しい動機を調べると2009年に生活問題で自殺した人が1,000人くらい増えてます。
2008年H20年生活問題7,404人
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/H20_jisatunogaiyou.pdf

2009年H21生活問題8,377人
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/H21_jisatunogaiyou.pdf

2010年H22生活問題7,438人
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/H22_jisatunogaiyou.pdf

まとめ

確かに経済状況の悪化による自殺者の増加はありますが過去の大恐慌をみても急激に増加するわけではありません。またリーマンショック時でも急激には増加していません。リーマンショックで自殺者数が大幅増加していないのは意外な結果でした。


自殺者数を推定するために、日本において大恐慌の始まる前の1929年(20.1)とピークの1932年(22.2)の10万人あたりの自殺者数の増加を現在に当てはめると、2019年(16.0)なので推測値17.67となり日本の総人口(1億2650万人)に当てはめると総数は22,352人となります。
原因まではわかりませんが、データからみて一番増加した1997年(19.3)から1998年(26.0)の増加率を2019年(16.0)に当てはめても総数は27266人

・新型コロナウイルスによる推計死者数は7万人~40万人
・経済状況の悪化によって自殺者が増えたとしても、推定自殺者数は約2万3000人

新型コロナウイルスによる推計死者数は経済の悪化で増加する推定自殺者数よりは多いことが考えられます。
なので自粛した方が死者は減るので、家に居た方が良いという考えも裏付けられました。

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