コロナ騒動の一部始終~店閉鎖から再開まで

2020年12月某日、当店の所属美容師1名が新型コロナウィルスに感染、当店の他の所属美容師全員とお客さん約30名が新型コロナウィルス陽性者の濃厚接触者と判定され、約2週間営業を自粛せざるをえない状態に陥りました。

結果的には誰も感染せず、感染拡大は防げたということでしたが、今後は風評被害も含めて店にどのような影響が出るか、わかりません。

今回、店を運営する責任者として自分が取った判断や行動が正しかったかどうか?未だにわかりませんが、今回のことで思うことや学んだことが沢山あるので、忘れないうちにnoteに記しておきたいと思います。

事の経緯を順に辿っていきます。

12月5日の午後3時、非番の美容師Aから携帯に着信、家族がコロナに感染したと報告を受ける。

同5日、報告を受け、店を即閉鎖、二週間先までの予約のお客さんに事情を説明し、予約をキャンセルしてもらう。

同5日、夕方、美容師Aから陽性者の家族の濃厚接触者として保健所より判定を受け、6日にPCR検査を受けることになったと報告される。美容師Aは無症状、子供が熱を出しているという。

6日も店は閉鎖。この時点では店を閉鎖しなくてもいいのだが、美容師Aが陰性の判定が出ない限りはお客さんを受け入れられないと判断。

7日午後16時ごろ、美容師Aから検査結果の報告。陽性であったと。スタッフ全員濃厚接触者となり、美容師Aが過去二週間に接客したお客さん22名も濃厚接触者になると報告を受ける。

同7日17時、保健所から電話があり、濃厚接触者と判定を受け8日にPCR検査を受けてくださいとの要請をされる。病院と時間を指定され、検査料はかからないが初診料はかかると言われる。

同7日18時より順次、過去二週間、当店に来店したお客さんや取引先業者に事情を説明、体調の変化がないかと騒動の謝罪をする。妻はお客さんにたいして申し訳なさすぎてかなり参った様子だった。

自分を含めた他スタッフも濃厚接触者となったことにより、美容師Aと最後に接触した4日から二週間、店を閉鎖することが確定。自分たちのPCR検査で陽性がでたら、最悪年内の営業は無理かもしれないと覚悟する。

8日、14時、病院でドライブスルー検査を受ける。
その最中、店より転送電話、非通知設定で何度も何度も電話がかかってきてビビる。

ちなみに、自分も家族も症状はないけど何となく身体が痛い気がする。妻にいたっては、咳が出ると言っていた。他のスタッフは症状はないという。

非通知設定で電話がかかってきたことを受けて、事の経緯をすべてホームページで公開することを決意する。
うわさが変に広まったり、不確実な情報が一人歩きすることを防ぐためにも、お客さんや取引業者、問い合わせしてきた方に、すべて正直に話し、誠実に対応することを決めた。

9日16時、保健所より電話。PCR検査の結果は陰性。妻も陰性、他スタッフも陰性だという。
陰性と聞いた瞬間、身体の痛みが消える。
お客さんの検査結果はどうだったか?聞いたが、個人情報なので教えられないと言われる。
誰か陽性の方がいたから教えられないと言ったんじゃないか?とビビりまくる。

同9日18時、美容師Aから電話。PCR検査を受けたお客さんも全員陰性だったと保健所から教えてもらったそう。なんで責任者である私には教えてくれないのぉ!
とりあえず安堵。全身の力が抜ける。
もしクラスターが発生していたら、もし一人でもお客さんから陽性者が出たとしたら、全国ニュースになっていたかもしれない。

今後の営業についてすぐに保健所に連絡。
営業所についての制限や決まりはないが、濃厚接触者は陰性であっても二週間は外出を控えてもらいたいと要請される。
保健所は営業の判断はあくまでも事業者に委ねると言いつつ、仕事は自粛してくださいと言ってくる。
こういう所が飲食店や観光業をはじめとした日本の事業者をめちゃくちゃ苦しめている要因だと、つくづく思った。

事業者判断ということで、自分としては一日も早く店を再開したいと思っていたが、スタッフとお客さんの安全が確実に担保されない限り、早まった営業は絶対できないと思い、18日までは完全に休業することに。
ここの対応を間違うと、乗り越えられるものも乗り越えられなくなると判断した。
利用している美容師さんには申し訳ないが、それが最善だと信じる。

同9日19時より、まず、過去二週間当店に来店したお客さんに、検査結果と他のお客さんからも陽性者が出なかったことを報告。
お客さんの中には、会社のコロナに関するガイドラインで出勤を自粛せざるを得なかった方がいたり、子供の学校を休ませたりした方がいて、今回のことがいかに大きな騒動だったかを思い知らされた。
今回のことを正直に報告、丁重に謝罪し、今後の営業再開の日にちと方針について説明させて頂いた。
中には怒ったりする方もいるんじゃないか?と思っていたが、お客さんはみな温かく、労いの言葉を頂いた。涙がでました。
一番よかったなと思うのは、早めに教えてくれてありがとう、と言われたことだ。
タイミング的に伝えるのが早すぎたかな?と思う所があったものの、自分たちが陽性の判定が出てからでは絶対に遅いと思っていた。
報告したタイミングは自分たちがまだ陰性の可能性もあり、さらに陰性であれば何もなかったということでお客さんが知ることもなかったと思う。
しかし、もし陽性となって陽性とわかってから報告されたとしたら、それは不誠実極まりないと思い、検査結果いかんに関わらず報告させて頂いた次第だった。

翌10日、残る過去二週間に来店したお客さんに引き続き報告と謝罪をする。その後は騒動以前に予約をして頂いていたお客さんに報告と謝罪、営業の再開日と方針について説明。やはり、皆さん温かく、その場で予約を入れてくださる方がほとんどでした。

同日、美容師Aと電話でいろいろと話す。
家族が全員コロナ陽性となり、また、店やお客さんに相当迷惑をかけてしまったことで精神的にかなり落ち込んだという。
本人は症状がなく、家族は快方に向かっているということで、とりあえずは安心した。
ただ、美容師Aは家族がPCR検査を受けることを知りながら、4日に出勤しお客さんを施術していた。
コロナ陽性はしょうがないので咎めることはまったくないが、何も相談もなく出勤したことに関しては目をつむるわけにはいかない。
ただ、この時はまず、自分たちの態勢を整えるのが先なので、まずは療養してもらい、年内は休んでもらうことにし、落ち着いてから後日話しをすることにした。

他の美容師たちとも電話で連絡を取りあい、お客さんに対する対応を指示、再開の日にちを報告し、あとは清掃と消毒作業についての説明をした。
11日より店内全てを清掃と消毒をするため、業者手配とお手伝いを要請。
4日間かけて行うことにした。

さらに、今後感染拡大防止や消毒に必要になるものを大量に注文。

16日、17日にどうしても髪を切りたいというお客さんがいたため、特別に施術をさせて頂いた。
感染拡大防止の方針を少し変えたので仕事の流れを試すにはよい機会と思い、プレオープンすることに。

実践の結果、お客さんとスタッフの安全がある程度確保されると思い、18日より無事再開する運びとなりました。

以上が利用する美容師がコロナ感染、店閉鎖から店再開までの一部始終となります。

他にも思う所はいろいろありますが、あまりにも長くなったので一旦この辺りで区切っておきたいと思います。

身近でコロナの陽性が出ると、思った以上に大変です。

コロナにかかってしまうのはもはやしょうがないですが、もしこのようなことがあると、人によっては仕事ができなくなったり、周りに迷惑をかけることになるかもしれません。

そして、行政の対応は常に後手後手であり、指示や発言に対して責任を負うことはないです。
ですので、自分で先手先手の判断をしていかなければ、下手するとクラスターが発生し、商売を続けられなくなることになるかもしれません。

今回わたしが経験したことが、読んでくれた方のコロナに対する意識を変え、今後のためになることを望みます。

そして世の中が感染拡大の防止と収束に向かい、一日も早く平穏な一日が来るのを希望してやみません。

好きな時に出かけて、沢山の人と気軽に会い、おいしいものを気兼ねなく食べれる世の中が一日も早く訪れることを願っています。

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