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永井豪による伝奇SFの傑作『手天童子』......初出時のカラーページ・扉絵も完全再現して新装復刊!

1976年から78年にかけて「少年マガジン」誌上に連載された永井豪『手天童子』

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1970年代の永井豪は『マジンガーZ』(「少年ジャンプ」1972~73年)や『キューティーハニー』(「少年チャンピオン」1973~74年)、『ドロロンえん魔くん』(「少年サンデー」1973~74年)などの代表作を次々に発表しており、まさに脂の乗り切った時期にありました。
中でも「少年マガジン」では『オモライくん』(1972)、『デビルマン』(1972~73)、『バイオレンスジャック』(1973~74)、『イヤハヤ南友』(1974~75)と、ギャグからSFまで振り幅の広い作風で数々の傑作群を連載しており、当時の永井豪にとっての主戦場であったと言っても過言ではないでしょう。
創作意欲の奔流のなか、それまでとは少し趣向を変えて「鬼」というモチーフを主軸にした伝奇ロマンとして、その「マガジン」誌上に執筆されたのが本作『手天童子』です。

大江山に住んでいたと伝えられる鬼=酒呑童子の説話を引用しつつ、回を追うにつれ物語は舞台を変え、さらには時空をも超えてスケールアップしていきますが、序盤から随所に張り巡らされた伏線を見事に回収しながら大団円へと向かいます。その構成の巧みさは永井豪作品の中でも際立っており、ストーリーテラーとしての著者の手腕を読者に再認識させずにはおかないでしょう。
著者の実兄である作家・永井泰宇によるノベライズ版(1986~89)やOVA(1989~91)、また「チャンピオンRED」に連載された、夏元雅人によるリメイク作『降魔伝 手天童子』(2002~05)など、メディアミックス企画が多く展開されていることからも、作品の質に支えられた人気の高さが窺われます。

このたび復刊ドットコムでは、この傑作『手天童子』を「雑誌掲載時の構成・カラーページや扉絵も再現」の[初出完全版]仕様で新装復刊いたします。ダイナミックプロの全面協力によって実現した、これまでの単行本には一度も収録されたことのない貴重な扉絵の数々や、初めて再現されるカラーページも必見です!


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