無農薬表記の是非で意見が分かれる理由 有機農業の二つの潮流から
先日、ポケットマルシェさんが行っていた無農薬表記に関するアンケートの結果が公開されていました。(https://note.com/pocket_marche/n/n699c915c8fea)
反対派、許容派、どちらでもない派と、沢山の意見が集まっていました。企業が消費者に問いかけをしながら会社の方針を作っていくことは、SNSの発達がもたらす新しいやり方のように感じます。新しいサービスや仕組みを作ってこられたポケットマルシェさんだからこそできることなんだろうなぁと感じています。
ただアンケート結果やTwitterのリアクションを見ていると、反対される方と許容される方で、互いに"平行線"のような雰囲気を何となく感じています。それは無農薬表記に対して確固とした意見を持っている方も多いためです。けれど、反対か許容かを考える前に、まずは「なぜ意見の相違が生じてしまうのか」を客観的に見つめることで、両者のギャップを埋めていくことも必要なのではないかと考えました。少なくとも自分はそのように考えることで、議論の本質が見えたような気がしています。
そこで今回は、なぜ意見が分かれるのかという問いについて、自分の考えを整理してみました。僕の仮説では、有機農業などに見られる二つの異なる潮流と、その中でのポケマルの立ち位置が意見の相違を生む本質的な理由であろうと考えています(ポケマルさんは有機農産物限定のマーケットプレイスではないので、立ち位置と言うと少し語弊があるかもしれません。あくまで結果論としての立ち位置と捉えてください)。なお、23区生まれ農学部歴2年の仮説です。全然見当違いの可能性もあるので、農家の方やポケマルユーザーの方の意見が聞けたら、より嬉しく思います。
現代フードシステムの功罪
有機農業の誕生と分裂
無農薬表記の話
読んで頂いてありがとうございました。実際にポケマルのアプリを見ると、生産者と消費者のコミュニケーションを大切にするようなUIUXが随所に見られます。なので、ポケマルさん的には(と僕が想像しているのは)、無農薬表記について考えるときに、普通のECサイトとポケマルをまるっきり同じものだとは考えて欲しくないのだろうなと思います。
ポケマルさんでは無農薬表記に関する冷静な議論を継続して行っていらっしゃるようです。私たち消費者も、喧嘩腰で相手をねじ伏せるのではなく、相手との相違があることを前提にその溝を埋めていけるような議論をしていけたらいいなと思います。
参考文献
・澤登早苗・小松崎将一〈編著〉、日本有機農業学会〈監修〉「有機農業大全――持続可能な農の技術と思想」
・西尾道徳「検証有機農業 : グローバル基準で読みとく理念と課題」
ほか