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科学的有機農業概論

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有機農業をテーマに,海外の研究論文をまとめています。
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#生態学

ミミズ研究の最前線

-雨が降ると路上に現れ、そのまま干からびて死んでしまう生き物-  生態学を勉強するまでは、僕にとってミミズとは、非力で哀れな、気持ち悪い(けどちょっとかわいい)、そんな程度の生き物でした。多くの人にとって、ミミズのイメージって、そんな感じなのではないでしょうか。 ミミズが生態学の研究対象となるのは19世紀後半に遡ります。「種の起源」で進化論を唱えたことで有名なチャールズ・ダーウィンは、石だらけだった草地が、長い期間を経て平らになっていくことに気がつきました。そして偉大なこの

有機野菜には本当に虫がつきにくいのか?

弱肉強食、適者生存の自然界。多くの生き物が、明日生きるか死ぬかもわからない緊張感の中で生きている中、唯一人類は明日が、一年後があるという確証を手に入れ、その安定的な生活をほしいままにしています。ここまで言うと大げさかもしれませんが、自分の食べ物を自分で育てる生き物は、人間かキノコ畑を営むハキアリくらいではないでしょうか。農業という産業を発展させることによって日々の食料を確保し、私たちは他の生き物との生存競争から解放されたようにも思えます。 けれど、よく考えてみると、私たち